スーパー特区における臨床試験の基盤形成と完遂を促進する教育プログラムの開発研究‐アカデミアにおけるスポンサー機能の充実をめざして‐

文献情報

文献番号
200916014A
報告書区分
総括
研究課題名
スーパー特区における臨床試験の基盤形成と完遂を促進する教育プログラムの開発研究‐アカデミアにおけるスポンサー機能の充実をめざして‐
課題番号
H21-臨研(教育)・一般-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
横出 正之(京都大学医学部附属病院 探索医療臨床部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 俊哉(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療統計学)
  • 川上 浩司(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 薬剤疫学)
  • 手良向 聡(京都大学医学部附属病院 探索医療検証部)
  • 菅井 学(京都大学医学部附属病院 探索医療開発部)
  • 村山 敏典(京都大学医学部附属病院 探索医療臨床部)
  • 伊藤 俊之(京都大学医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター)
  • 新美 三由紀(京都大学医学部附属病院 探索医療検証部)
  • 南 学(京都大学医学部附属病院 探索医療臨床部)
  • 角 栄里子(京都大学医学部附属病院 探索医療臨床部)
  • 伊藤 達也(京都大学医学部附属病院 探索医療開発部)
  • 多田 春江(京都大学医学部附属病院 探索医療検証部)
  • 寒川 賢治(国立循環器病研究センター研究所)
  • 中尾 一和(京都大学医学部附属病院 探索医療センター)
  • 清水 章(京都大学医学部附属病院 探索医療開発部)
  • 湊 長博(京都大学医学研究科)
  • 田畑 泰彦(京都大学再生医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究基盤整備推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国では、革新的医療開発に必須の、法務、品質管理、有害事象・補償対応、開発戦略立案、プロジェクト管理、知財管理、規制対応など、いわゆるスポンサー機能まで包括的に教育をしている例はほとんどない。「難治性疾患を標的とした細胞間シグナル伝達制御による創薬」(難病創薬スーパー特区)における研究課題を医師主導治験・臨床試験として完遂し、患者のもとに速やかに医療技術を届けるためには、このスポンサー機能のノウハウを、教育プログラムを通じて伝授することが必須である。本研究では、京都大学医学部附属病院探索医療センターその他のプロフェショナルが総力をあげて、スーパー特区の臨床試験を推進できる人材を育成するための、実践的教育プログラムの開発・構築と普及を目的とする。
研究方法
運営関連事項の検討として、教育プログラムの開発とOJT・座学・自己啓発システムの導入による教育体制の確立のため、教材収集と収録準備、各施設における教育実施体制の照会と確認をおこなった。
結果と考察
平成22年2月に班会議を開催し、難病創薬スーパー特区各施設の現状把握と、研究体制の確立をするとともに、教育コンテンツ立案のための情報収集を行った。また、教育プログラム総論コースとして以下のコンテンツを検討した。(1)基礎知識 (2)計画と準備 (3)知財管理 (4)契約および補償・賠償 (5)臨床試験のマネジメント (6)試験デザイン (7)データマネジメント (8)モニタリング (9)有害事象・安全性情報の取り扱い (10)監査 (11)文書管理 (12)試験薬管理 (13)薬事 (14)コンピュータシステムの管理 (15)利益相反と研究倫理。さらに、京大病院のサーバーシステムを拡充して、コンテンツ配信のための基盤整備を行った。本研究では、スポンサー機能、すなわち品質管理・品質保証システム、質の高いプロトコルの作成、開発戦略、知財管理、契約、プロジェクト管理などのノウハウを習得することが期待できる。さらに、施設間ネットワークの形成により、多施設共同試験の推進が期待できる。これらによりスーパー特区採択課題の研究完遂が加速されると期待される。
結論
スーパー特区研究機関を対象に、治験・臨床試験を実施する医療機関側の視点のみではなく、スポンサー機能の充実が求められていることから、本計画はわが国における医療開発の推進に貢献しうると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
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