難病に関するゲノム医療推進にあたっての統合研究

文献情報

文献番号
202211085A
報告書区分
総括
研究課題名
難病に関するゲノム医療推進にあたっての統合研究
課題番号
22FC2001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 竹内 勤(慶應義塾大学 医学部)
  • 武藤 香織(国立大学法人 東京大学 医科学研究所)
  • 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 徳永 勝士(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 研究所 ゲノム医科学プロジェクト)
  • 縄野 雅夫(日本製薬工業協会 研究開発委員会)
  • 鎌谷 洋一郎(国立大学法人 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科)
  • 小杉 眞司(国立大学法人 京都大学 大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
38,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難病ゲノム医療の推進にあたり、2019年12月に全ゲノム解析等実行計画が策定され、難病の全ゲノム解析等は、難病の早期診断、新たな治療法開発など、難病患者のより良い医療の推進のために実施し、全ゲノム解析等により、難病の本態解明、効果的な治療・診断方法の開発促進を進めていくこととした。具体的には、難病のゲノム解析拠点 [日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業において運営されているオミックス解析を通じて希少難治性疾患の医療に貢献する基盤研究(以下「オミックス解析研究」)の拠点及び希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究(以下「IRUD」)解析拠点] の検体及び今後提供される新たな検体を対象に先行解析を行い、本格解析の方針決定と体制整備を進めつつ、「難病プラットフォーム」、厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業において実施中の「難病ゲノム医療に対応した遺伝カウンセリングの実態調査と教育システムの構築に関する研究」及び「難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究」と充分な連携を図りつつ実施することとされた。本研究では、全ゲノム解析等実行計画の着実な遂行に向け、難病ゲノム医療に関する各種研究班との連携の下、先行解析の円滑な実施及び本格解析ための体制整備を戦略的に進めることを目的とする。
研究方法
3年目にあたる2022年度は、前年度に引き続いて各分担に分かれ、①協力医療機関、②同意書の検討・国民への普及啓発、③臨床情報の検討、④ゲノム基盤の運営・管理、⑤医薬品開発の促進に向けたゲノムデータ基盤のあり方、⑥国際連携、⑦人材育成、二次所見についての体制整備に関する検討を行った。「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(先行解析研究)や「難病の全ゲノム解析等に関するゲノム基盤実証研究」と連絡を取り合いながら検討を進めた。また全ゲノム解析等の推進に関する専門員会とも緊密な連携のもとに議論を進め、患者・家族会と意見交換会を開催した。
結果と考察
2022年度は4月、6月、7月、10月、12月、2月、3月にオンラインによる班会議を、7月と2023年2月に患者会との意見交換会を開催し、以下の①〜⑦の様な成果が得られた。
①難病ゲノム拠点病院に求められる役割と難病診療のエキスパートパネルの要件について検討した(竹内研究分担者)。
②最新の法令・指針の改正状況を踏まえ、難病の患者・家族会と意見交換会を開催した。患者・家族の知見を取り入れ、説明同意文書の素案を策定した(武藤研究分担者)。
③難病に関する臨床情報の収集項目の見直しを行い、電子システムを用いて構造化データを収集する方針およびID体系を協議し、症例報告書のひな形を作成した(山野研究分担者)。
④AMED「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(全ゲノム先行解析)における「ゲノム基盤」のあり方法を検討し、進捗状況について報告した。臨床情報のデータベース、データ利活用システム、ゲノム解析データの共有について、基本構想ならびに方針案をまとめた(徳永研究分担者)。
⑤産業界の視点から利活用が促進されるためのポイントを整理し、意見交換を行った(縄野研究分担者)。
⑥指定難病-ICD11-Orphanet-OMIMについて最新データを取得し対応表の更新を行った。英国Genomics England、仏国Plan France Médecin Génomique 2025を訪問し、難病ゲノム診療体制について意見交換を行い、対象病名データベースを取得した(鎌谷研究分担者)。
⑦全国遺伝子医療部門連絡会議と日本小児総合医療施設評議会の構成施設を対象に、二次的所見の開示についてのアンケート調査を行った(小杉研究分担者)。
 これらの個別課題の検討に加えて、「難病のゲノム医療推進に向けた全ゲノム解析基盤に関する研究開発」(先行解析研究)、「難病の全ゲノム解析等に関するゲノム基盤実証研究」、「未診断疾患イニシャチブ」(IRUD)などと連携して検討を進めた。
結論
全ゲノム解析等実行計画の着実な遂行に向け、その改訂すなわち全ゲノム解析等実行計画2022の策定に貢献した。難病ゲノム医療に関する各種研究班との連携の下、先行解析と実証事業の順調な進捗と目標達成に大きく寄与した。患者・家族会と協議して意見交換会を開催し市民参画を推進した。さらに、緊密に連携する先行解析研究、実証事業、IRUDも極めて順調に発展し、2023年度からの「難病のゲノム医療実現に向けた全ゲノム解析の実施基盤の構築と実践」(全ゲノム本格解析)の発足に貢献した。

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202211085Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
47,500,000円
(2)補助金確定額
40,741,000円
差引額 [(1)-(2)]
6,759,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,566,575円
人件費・謝金 19,528,087円
旅費 2,931,840円
その他 5,214,788円
間接経費 9,500,000円
合計 40,741,290円

備考

備考
自己資金290円

公開日・更新日

公開日
2024-04-09
更新日
-