小児慢性特定疾病児童等および指定難病患者データベースと疾病データベースとの連携による利活用推進研究

文献情報

文献番号
202211067A
報告書区分
総括
研究課題名
小児慢性特定疾病児童等および指定難病患者データベースと疾病データベースとの連携による利活用推進研究
課題番号
21FC1018
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
木村 友則(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター)
研究分担者(所属機関)
  • 秋丸 裕司(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 難治性疾患研究開発・支援センター)
  • 盛一 享徳(国立成育医療研究センター  研究所 小児慢性特定疾病情報室)
  • 坂手 龍一(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 難病資源研究室)
  • 松田 文彦(京都大学 大学院医学研究科附属ゲノム医学センター)
  • 泉 和生(国立研究開発法人国立国際医療研究センター・臨床研究センター・研究資源部)
  • 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 医学部)
  • 八木下 尚子(聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 病因・病態解析部門)
  • 村山 圭(千葉県こども病院 代謝科)
  • 大竹 明(埼玉医科大学 医学部)
  • 北川 明(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
9,100,000円
研究者交替、所属機関変更
研究代表者交替 秋丸裕司(令和3年4月1日~令和4年4月30日) →木村友則(令和4年5月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では厚生労働省難病対策課と密接な連携をしながら以下の課題を検討した。
1.小慢/難病DBの連結可能疾病の調査及びデータ項目対比リストの作成
・小慢/難病DBの連結可能疾病について病名の対応付けを行う。
・小慢/難病DBの連結可能疾病のデータ項目対比リストを作成する。
・小慢/難病DBの疾患(群)連携に基づく患者数把握のための検討を行う。
2. 難病関連DBの連携、連結効果の検証及び課題の整理
・国内の難病関連レジストリと小慢/難病DBの疾病との対応と課題整理を行う。
・海外公的DBの疾病との対応付けを行う。
・小慢/難病DBの利活用推進のための情報発信の提案を行う。
研究方法
1.小慢/難病DBの連結可能疾病の調査及びデータ項目対比リストの作成
(1)「疾患概念がおおよそ同一」または「一部が重なると考えられる」連携可能疾病リストをベースに今年度の解析を行った。
(2) (1)の連結可能疾病について、医療意見書と臨床調査個人票のデータ項目の対比リスト作成と分析を行った。
(3)令和2年度末時点の受給者証所持者数をe-Stat(https://www.e-stat.go.jp)よりダウンロードし、難病全疾患患者と小慢と連結可能な疾病の患者数を比較した。また、小慢の患者数のうち、疾患群ごとに連結できた難病疾患名と患者数のリストを作成した。

2.難病関連DBの連携、連結効果の検証及び課題の整理
(1)難病DBと小慢DBの連結、連携を行う際の効果、課題を整理した。
(2)難病-小慢と連結できた疾患について対応表を作成した。また、難病、GARD、Orphanetと対応する疾患を比較した。
(3)小慢/難病DB利活用促進のための情報発信たたき台を作成し提案した。また、令和3年度報告書を基に成果レポート(日本語・英語)を作成し提案した。
結果と考察
1.小慢/難病DBの連結可能疾病の調査及びデータ項目対比リストの作成
(1)連結可能疾病(難病DBの232疾病と小慢DBの410疾病)として整理した。
(2)連結可能疾病について、医療意見書と臨床調査個人票のデータ項目対比リストを作成・精査した。また、全連結可能疾病のデータ項目対比リストを分析し、a)各疾患ペア間の対比項目数・対比率、b)対比項目数・対比率[小慢/難病DB]を集計した。
(3)受給者証所持者数を患者数としてカウントした結果、難病全333疾患1,033,770人のうち653,067人(63.2%)が小慢と連結可能な難病232疾病の患者であった。また、小慢の受給者証所持者数は全16疾患群123,693人、連結可能な疾患は悪性新生物(15,763人)を除く15疾患群の計107,930人で、小慢の疾患群ごとに、連結できた難病疾患名と患者数のリストを作成した。

2.難病関連DBの連携、連結効果の検証及び課題の整理
(1)難病DBと小慢DBの連結により、小児期の病状、治療法/投与薬剤やその効果をその後の成人期に把握し、移行期医療で利用することが期待されている。一方で国内の難病関連レジストリである難病プラットフォーム及びCINレジストリ検索システムに登録された疾患レジストリとの連携では患者の名寄せはできないが、統計値の比較により難病の病態解明や施策立案に有用な情報が得られることが分かった。難病DBのデータを基に連結、連携を行う際の効果、課題を整理した。
(2)難病-小慢と連結できた疾患について、対応表「難病-米国GARD-欧州Orphanet」を作成した。難病、GARD、Orphanetと全てで対応する疾患は、難病全338疾患のうち234疾患(69%)であり、そのうち小慢とも対応する疾患は169疾患(73%)にとどまることがわかった。
(3)小慢DBと難病DBのデータ登録は平成29年度より開始され、令和2年度にデータ提供がスタートしている。難病DB利活用促進のための情報発信たたき台を作成し提案した。また、令和3年度報告書を基に成果レポート(日本語・英語)を作成し提案した。
結論
1.小慢/難病DBの連結可能疾病の調査及びデータ項目対比リストの作成
・小慢/難病DBの連結可能疾病について病名の対応付け(小慢DB:410疾病、難病DB:232疾病)を行った。
・小慢/難病DBの連結可能疾病のデータ項目対比リストを作成した。
・小慢/難病DBの疾患(群)連携に基づく患者数把握のための検討を行った。
2. 難病関連DBの連携、連結効果の検証及び課題の整理
・国内の難病関連レジストリと小慢/難病DBの疾病との対応と課題整理を行った。
・海外公的DBの疾病との対応付けを行った。
・小慢/難病DBの利活用推進のための情報発信の提案を行った。

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
2024-07-17

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202211067Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
11,830,000円
(2)補助金確定額
11,406,000円
差引額 [(1)-(2)]
424,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,528,663円
人件費・謝金 5,055,518円
旅費 67,750円
その他 2,024,588円
間接経費 2,730,000円
合計 11,406,519円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-01-17
更新日
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