遺伝性白質疾患・知的障害をきたす疾患の診断・治療・研究システム構築

文献情報

文献番号
202211064A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性白質疾患・知的障害をきたす疾患の診断・治療・研究システム構築
課題番号
21FC1015
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
小坂 仁(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 井上 健(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第二部)
  • 吉田 誠克(独立行政法人地域医療機能推進機構 神戸中央病院)
  • 久保田 雅也(島田療育センター 小児科)
  • 山本 俊至(東京女子医科大学 医学部)
  • 和田 敬仁(京都大学大学院 医学研究科 ゲノム医療学講座)
  • 秋山 倫之(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 小児医科学分野 発達神経病態学領域)
  • 井上 治久(国立大学法人京都大学 iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門)
  • 岩山 秀之(愛知医科大学 医学部小児科学講座)
  • 植松 有里佳(沼田 有里佳)(東北大学 大学病院)
  • 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
  • 近藤 洋一(大阪医科薬科大学 医学部)
  • 才津 浩智(浜松医科大学 医化学講座)
  • 佐々木 征行(国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科)
  • 高梨 潤一(東京女子医科大学 医学部(八千代医療センター))
  • 高野 亨子(信州大学 医学部 遺伝医学・予防医学)
  • 松井 大(大津赤十字病院神経内科)
  • 三重野 牧子(自治医科大学 情報センター・医学情報学)
  • 村松 一洋(自治医科大学 医学部 小児科学)
  • 山内 淳司(東京薬科大学・分子神経科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
I; 迅速な確定診断
(1)大脳白質形成不全症として定義をみたす疾患を調査・決定した。R4年度はそれらにつきガイドラインを策定する。
(2)“治療可能な遺伝性疾患診断の診断・治療の手引き”(当班作成;2020年)を作成したので、それに対応した診断体制を作る。継続中の“オンラインでの診断コンサルト”を継続する。
II;切れ目のない包括的支援
受け手側の視点をいれた神経疾患の移行期医療について、小児科医、神経内科医のチームで取り組み、発表・提言する。
III治療法開発支援
、この分野の主たる国内研究者を研究分担者として迎え、治療開発を患者・家族・臨床医・研究者が一体となり行うためのプラットフォームを形成し、治療開発を推進する。 

研究方法
1. もれなく診断する;診断を受ける
(1)遺伝子診断法の確立
大脳白質形成不全症の定義をみたす疾患を決定し、新たにガイドラインを策定する。
(2)治療可能な疾患(主として神経代謝病)診断システムの構築
”治療可能な18疾患”について、遺伝学的な検査が存在しない疾患については、東日本、西日本にこれらの生化学的、酵素学的診断を行う拠点を形成する。
(3)オンライン診断システムの継続
主治医からの診断、治療の問い合わせに班員内で意見統一し、主治医に報告する。

2. 生涯にわたり包括的な医療を行う
(1)移行期医療
自立が困難な、神経疾患の児の移行期医療の支援ガイドを日本小児神経学会、日本神経学会と協力し作成する。
(2)医療情報の収集・改定・発信
ベッドサイドでの使用を念頭に於き、スマートフォンないしPCで使用できるように、up-dateする。


(3)患者会支援
市民公開セミナーを引き続き開催する。

3. 新しい治療法開発を支援する;治療法開発に参加する
(1)難病プラットフォームの稼働
難病プラットフォームに関して入力を開始する。
(2)新規治療法開発支援
治療研究に焦点をあてたトランスレーショナル(TR)会議を開催する(年一回)。

結果と考察
1もれなく診断する;診断を受ける
(1)遺伝子診断法の確立
班員の討議により、新規疾患を決定した。
これらの疾患について、班員によりガイドライン作成をした。 校正後、Hpにアップロード予定である。
(2)治療可能な疾患
研究班で2019年に出版した「治療可能な遺伝性神経疾患 診断・治療の手引き」に掲載された18疾患を対象とした。対象疾患に関し、診断に有用と考えられる代謝バイオマーカーとその検査施設を検索した。対象とした18疾患のうち、10疾患であった。
これら10疾患のうち、保険検査のみで診断可能な疾患は、グルコーストランスポーター欠損症、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素欠損症のみであった。他の8疾患では、非保険検査や研究検査の併用が確定診断に必要であった。

(3)オンライン診断システムの継続
主治医からの診断、治療の問い合わせに1週間以内に班員内で意見統一し、主治医に報告する。平成26年からの8年間で141症例の相談を受けた依頼数は、平成29年度以降は年間20〜25件程度でコンスタントに依頼を受けており、認知が確立されて来ていることが推測される。

2. 生涯にわたり包括的な医療を行う;生涯にわたる支援を受ける
(1)移行期医療
本年診断と治療者から刊行予定。

(2)医療情報の収集・改定・発信
発刊された治療可能な遺伝性疾患診断治療の手引きについて、本研究班のホームページ上に、新たなサイトhttp://plaza.umin.ac.jp/~pmd/iden_guidance.htmlを作成した。

(3)患者会支援
、第20回の記念すべき大会はハイブリッドウェブ開催となった(2022年11月5日)

3. 新しい治療法開発を支援する;治療法開発に参加する
(1)難病プラットフォームの稼働
難病プラットフォームに関して入力を開始継続した。MCT8欠損症に関しても、レジストリの難病プラットフォームへの統合を行った。

(2)新規治療法開発支援
本年度も、TR会議を開催し、日本発治療研究が加速した。。
結論
本年度は、新たに遺伝子が単離された17疾患を、国際基準の観点から神経白質形成不全症として  採用しガイドラインを作成した。
移行医療について、“小児-成人移行医療対策特別委員会”と連携し、移行のためのガイドライン作成行い、年度内の刊行を目指している。これにより自立が困難でかつ医療的な依存度の高い、小児期発症神経疾患の成人移行に関しての国の施策へ反映させ、患者家族が安心して継続的な医療を享受できる体制を目指す。
班がハブとなり、国内の基礎研究者、臨床研究者と連携をとり、治験準備が加速した。
以上を通じ、患者の願いである、早期診断、最善の診断、治療を生涯受けたい、治療研究を推進してほしい、国内外の情報を伝達してほしい という希望に応えた。

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
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分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2024-04-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202211064Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,500,000円
(2)補助金確定額
19,487,000円
差引額 [(1)-(2)]
13,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,409,059円
人件費・謝金 1,998,486円
旅費 348,560円
その他 4,231,754円
間接経費 4,500,000円
合計 19,487,859円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2024-02-09
更新日
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