循環器系DRYラボセンターの創設とENGINEERING BASED MEDICINE(EBM)の推進

文献情報

文献番号
200914001A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器系DRYラボセンターの創設とENGINEERING BASED MEDICINE(EBM)の推進
課題番号
H20-医工・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
梅津 光生(早稲田大学 理工学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎 清隆(早稲田大学 高等研究所)
  • 銭 逸(早稲田大学 理工学研究所)
  • 八木 高伸(早稲田大学 理工学術院)
  • 加瀬川 均(昭和大学 医学部)
  • 山崎 健二(東京女子医大 心臓血管外科)
  • 青見 茂之(東京女子医大 心臓血管外科)
  • 村垣 善浩(東京女子医大 先端生命医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医工連携研究推進基盤研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
68,264,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大動物や死体を用いたシステム化された外科訓練センター,すなわちWETラボが米国を中心に多く存在するが,動物実験や臓器の使用がだんだん難しくなる中で我国においては,現在のWETラボ機能は十分とはいえない.そこに参加する以前に十分に訓練をして手技を磨き,その後に全国のWETラボを有効に利用するという位置づけが現実的かつ有効であると考え,ここではWETに対してDRYラボを提案する.
研究方法
本研究の特色は,2008年開設の早大・女子医大連携施設を駆使して,“非臨床・動物実験代替システム”をコンセプトに血行力学・生体適合性,耐久性シミュレーション装置とその解析機器が並ぶ体験型実験環境を整備したDRYラボ創設を提案する.そこでは臨床医の技能研修のみならず,企業人のリカレント教育,医療機器審査官にふさわしい人材育成に対して,多人数教育が可能となる.そして,全国のWETラボと連携をとることで,生体・機器への総合知識を体得した人材のWETラボ参加への橋渡し機能をこのDRYラボが果たす.
結果と考察
平成21年度には,体験型教育を心臓外科医,脳外科医,循環器内科医,ならびに医療機器企業人とバイオメディカル若手研究者を対象とした.冠動脈バイパス手術トレーニング(技能研修室),ステント耐久性評価(GLP対応実験室),血流モデリング・シミュレーション(医療情報解析室)の認知度が高まり、2009年度は計30回の教育セミナーへの参加者および体験型教育の受講者はのべ850名を越えた。国内外の医療機器企業から委託研究相談も年間15社以上に達し,DRYラボで得られた知見をもとに各社の医療機器や新製品の性能評価、また臨床での不具合時の問題解明に大いに活用されている。
結論
平成21年度での教育プログラムの参加者はのべ850人規模となり,目標を十分に達成している.平成21年12月には「DRYラボの将来展開およびEBMの推進」と題して将来の医工連携教育を議論するキックオフシンポジウムを開催し,バイオメディカル領域の有識者,医療機器審査官をはじめとして80名の参加を得ている.本研究で開発された各種の教育ツールは,本年度4月に新設された東京女子医科大学と早稲田大学との国内初の共同大学院でのカリキュラムの一部に使用する.これらを通じて,医理工薬の総合的知識・技術を学ぶことができる教育環境の整備と大規模な人材育成の環境を提供していく.

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-12-16
更新日
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