文献情報
文献番号
202211047A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児期に重篤な視覚障害をきたす難病の診療体制の確立
課題番号
20FC1055
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
仁科 幸子(蓮江 幸子)(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 小児外科系専門診療部 眼科)
研究分担者(所属機関)
- 寺崎 浩子(名古屋大学 未来社会創造機構)
- 堀田 喜裕(浜松医科大学 医学部)
- 不二門 尚(国立大学法人大阪大学 大学院生命機能研究科)
- 永井 章(国立成育医療研究センター 総合診療部総合診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
4,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
重篤な視覚障害をきたす疾患の約85%は0歳で発生し、半数以上は先天素因に起因する。中でも発病機序が不明、治療手段が未確立な希少疾患で、長期療養を要する難病は、視覚情報の欠如が心身の発達にも重大な影響を及ぼし、生涯にわたり社会生活に支障をきたす。視覚発達の感受性のピークは生後2ヵ月~2歳であり、早期に難病を鑑別診断し、保有視機能を評価して有効な治療やリハビリテーションを行うか否かが一生の障害の程度を大きく左右する。本研究の目的は、乳幼児期に重篤な視覚障害をきたす難病を対象として、予後向上のために、診療体制を確立することである。
研究方法
本年度は、①昨年度までの調査結果をもとに、早期発見・診断のための診療マニュアル・フローチャートを作成、難病網膜疾患に関する新規検査・治療法、遺伝学的検査に関する成果と知見とともに、研究班ホームページにて医療者向けに情報を発信、②ロービジョンケアに関し医療機関へアンケート調査を実施、連携体制を構築、③視覚難病の長期管理における全身合併症を検討、全身管理マニュアルを作成してHPに情報を提供した。関連学会へ研究成果を連携して、早期診断・介入を行う診療体制を全国に普及させるとともに、眼科・小児科の連携した管理、医療・教育機関の連携した自立・就学に向けた支援体制(全国ネットワーク)の構築を図った。
結果と考察
1)早期診断のための診療マニュアル
各種のマニュアルを作成してHPで発信することで、病診連携、他科・多職種との連携を図ることができた。これを更に普及させていきたい。
本年度も難病網膜疾患に対する新規の検査法や、遺伝学的診断の成果が得られた。臨床像の詳細な解析も進んでいる。これらの成果を踏まえて、今後は日本でも遺伝学的診断を早期に実施できる体制が望まれる。
2)早期介入・ロービジョンケア
ロービジョンケアに関する医療機関の実態を発信することで、教育機関との連携やネットワークの構築に寄与すると期待される。
3)眼・全身管理の長期的診療マニュアル
視覚障害がある児の発達評価、および視覚難病の全身管理マニュアルを発信することで、小児科との連携体制の構築に寄与すると期待される。
各種のマニュアルを作成してHPで発信することで、病診連携、他科・多職種との連携を図ることができた。これを更に普及させていきたい。
本年度も難病網膜疾患に対する新規の検査法や、遺伝学的診断の成果が得られた。臨床像の詳細な解析も進んでいる。これらの成果を踏まえて、今後は日本でも遺伝学的診断を早期に実施できる体制が望まれる。
2)早期介入・ロービジョンケア
ロービジョンケアに関する医療機関の実態を発信することで、教育機関との連携やネットワークの構築に寄与すると期待される。
3)眼・全身管理の長期的診療マニュアル
視覚障害がある児の発達評価、および視覚難病の全身管理マニュアルを発信することで、小児科との連携体制の構築に寄与すると期待される。
結論
診療マニュアルを完成して研究班ホームページに掲載し、情報発信と普及につとめた。関連学会へ研究成果を連携して、早期診断・介入を行う診療体制を全国に普及させるとともに、眼科・小児科の連携した管理、医療・教育機関の連携した自立・就学に向けた支援体制(全国ネットワーク)の構築を図った。
乳幼児期に発症する視覚難病に対しては早期発見・鑑別診断・保有視機能の評価と治療・リハビリテーション早期介入の成否が生涯にわたる障害の程度を大きく左右する。本研究班の成果を発信することで、一般の方々、眼科、小児科、視覚支援学校及び、小児を取り巻く多職種の連携がすすみ、乳幼児期の診療体制と全国ネットワークの構築に寄与すると期待される。
今後、これらの難病に対し、眼局所に対する遺伝子治療、人工視覚、再生医療が急速に進歩する見込みである。新たな治療技術を導入する基盤として、今後はさらに日本でも、遺伝学的診断を早期に実施できる体制が望まれる。
乳幼児期に発症する視覚難病に対しては早期発見・鑑別診断・保有視機能の評価と治療・リハビリテーション早期介入の成否が生涯にわたる障害の程度を大きく左右する。本研究班の成果を発信することで、一般の方々、眼科、小児科、視覚支援学校及び、小児を取り巻く多職種の連携がすすみ、乳幼児期の診療体制と全国ネットワークの構築に寄与すると期待される。
今後、これらの難病に対し、眼局所に対する遺伝子治療、人工視覚、再生医療が急速に進歩する見込みである。新たな治療技術を導入する基盤として、今後はさらに日本でも、遺伝学的診断を早期に実施できる体制が望まれる。
公開日・更新日
公開日
2024-04-04
更新日
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