文献情報
文献番号
200913002A
報告書区分
総括
研究課題名
国産技術に基づく不整脈治療用衝撃波アブレーションシステムの開発
課題番号
H20-活動・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
下川 宏明(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
研究分担者(所属機関)
- 安田 聡(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
- 伊藤 健太(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
- 福田 浩二(東北大学 病院 循環器内科)
- 若山 裕司(東北大学 病院 循環器内科)
- 広瀬 尚徳(東北大学大学院医学系研究科 循環器病態学)
- 高山 和喜(東北大学大学院 流体科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(活動領域拡張医療機器開発研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
40,884,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
頻脈性不整脈に対する非薬物療法であるカテーテルアブレーションは、近年、その適応が拡大しており、今後も増加することが予想される。しかし、そのエネルギー源としての高周波には、①深達度の限界、②合併症としての血栓塞栓症という2つの大きな不可避な問題点がある。本研究の目的は、この大きな問題を克服するために衝撃波という全く異なるエネルギー源を用いた治療用カテーテルシステムを開発することである。
研究方法
(1)衝撃波アブレーションシステムの工学的基礎研究開発
1)カテーテル先端から発生する衝撃波の発生と収束する距離に関する研究
2)心筋細胞損傷に最適な圧力波形の研究
3)先端部の機能性と熱設計研究
4)小動物実験での確認研究
(2) 衝撃波アブレーションシステムの実用化研究開発
1)カテーテル先端の衝撃波発生機構細径化
2) カテーテル曲げ機構の開発
3) 電位診断機能・位置検出機構の併設
(3)衝撃波アブレーションの臨床的基礎研究
1)先進医工学研究による心筋細胞損傷実験の評価
2)工業的に設計されたカテーテルの操作性・位置決め技術の臨床的検証
3)実用カテーテルの組織標本における衝撃波の強度・深達度の検証
4)実用カテーテルの大型標本(ブタ)における機能能性・効果の検証
1)カテーテル先端から発生する衝撃波の発生と収束する距離に関する研究
2)心筋細胞損傷に最適な圧力波形の研究
3)先端部の機能性と熱設計研究
4)小動物実験での確認研究
(2) 衝撃波アブレーションシステムの実用化研究開発
1)カテーテル先端の衝撃波発生機構細径化
2) カテーテル曲げ機構の開発
3) 電位診断機能・位置検出機構の併設
(3)衝撃波アブレーションの臨床的基礎研究
1)先進医工学研究による心筋細胞損傷実験の評価
2)工業的に設計されたカテーテルの操作性・位置決め技術の臨床的検証
3)実用カテーテルの組織標本における衝撃波の強度・深達度の検証
4)実用カテーテルの大型標本(ブタ)における機能能性・効果の検証
結果と考察
衝撃波発生法の最適化と収束法研究について
①アブレーションシステムからの非球面形状のファイバー先端から球状衝撃波の成長を確認した
②衝撃撃波反射特性の実験では設計焦点距離2.0mmに対し+0.5mmで33%減少し、平面分布は0.5mm平方以下を示した。
③ レーザー出力とファイバーの耐久性の確認
従来の非球面形状から先端部を切り落とした台形型に変更したところ、ファイバー先端部の寿命が5秒から300秒にまで向上した。
アブレーションシステム実用化研究
①カテーテル基本構造設計完了
②曲げ機構の開発
臨床的基礎研究開発(筋肉組織損傷の閾値評価)
衝撃波アブレーションシステムからの衝撃波圧300気圧、焦点距離0mmではラット大腿筋、心筋の表面上の損傷は認められなかったが、衝撃波圧力500気圧まで改良したところ(衝撃波の焦点距離2.0mm)、衝撃波照射後の表面は明かな損傷を認めなかったが、組織標本では、焦点距離1-2mm付近に組織損傷を認める(出血)。
①アブレーションシステムからの非球面形状のファイバー先端から球状衝撃波の成長を確認した
②衝撃撃波反射特性の実験では設計焦点距離2.0mmに対し+0.5mmで33%減少し、平面分布は0.5mm平方以下を示した。
③ レーザー出力とファイバーの耐久性の確認
従来の非球面形状から先端部を切り落とした台形型に変更したところ、ファイバー先端部の寿命が5秒から300秒にまで向上した。
アブレーションシステム実用化研究
①カテーテル基本構造設計完了
②曲げ機構の開発
臨床的基礎研究開発(筋肉組織損傷の閾値評価)
衝撃波アブレーションシステムからの衝撃波圧300気圧、焦点距離0mmではラット大腿筋、心筋の表面上の損傷は認められなかったが、衝撃波圧力500気圧まで改良したところ(衝撃波の焦点距離2.0mm)、衝撃波照射後の表面は明かな損傷を認めなかったが、組織標本では、焦点距離1-2mm付近に組織損傷を認める(出血)。
結論
不整脈治療用衝撃波アブレ-ションシステムは、任意の点に衝撃波を収束させることが可能であり、あらゆる深度の起源をもつ不整脈に対して有効な治療法となりうる。今後、現在までの成果を元にin vivo実験へ進み、臨床応用につなげていく。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-