文献情報
文献番号
202211042A
報告書区分
総括
研究課題名
自己免疫疾患に関する調査研究
課題番号
20FC1050
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
森 雅亮(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 渥美 達也(北海道大学 北海道大学病院)
- 天野 浩文(順天堂大学 医学部)
- 石井 智徳(東北大学 大学病院)
- 武井 修治(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科)
- 花岡 洋成(慶応義塾大学 医学部)
- 保田 晋助(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 山岡 邦宏(北里大学 医学部)
- 湯澤 由紀夫(藤田医科大学 医学部)
- 藤本 学(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
- 川口 鎮司(東京女子医科大学 医学部)
- 神田 隆(山口大学 医学部)
- 五野 貴久(日本医科大学 大学院医学研究科 )
- 小林 一郎(北海道大学 大学院医学研究院)
- 神人 正寿(和歌山県立医科大学 医学部)
- 中嶋 蘭(笹井 蘭)(京都大学 大学院医学研究科)
- 川上 純(国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科(医学系))
- 内野 裕一(慶應義塾大学 医学部)
- 太田 晶子(埼玉医科大学 医学部)
- 篠崎 和美(根来 和美)(東京女子医科大学 医学部)
- 坪井 洋人(筑波大学 医学医療系 )
- 冨板 美奈子(千葉県こども病院 アレルギー・膠原病科)
- 中村 誠司(九州大学 大学院歯学研究院 )
- 中村 英樹(日本大学 医学部)
- 正木 康史(金沢医科大学 医学部)
- 田中 良哉(産業医科大学 医学部 )
- 伊藤 保彦(日本医科大学 大学院医学研究科)
- 亀田 秀人(東邦大学 医学部)
- 桑名 正隆(日本医科大学 大学院医学研究科 )
- 藤井 隆夫(和歌山県立医科大学 医学部 )
- 藤尾 圭志(東京大学 医学部附属病院)
- 室 慶直(東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科)
- 三村 俊英(埼玉医科大学 医学部 )
- 岡本 奈美(大阪医科薬科大学 医学部医学科)
- 金子 祐子(慶應義塾大学 医学部)
- 川畑 仁人(聖マリアンナ医科大学 医学部 )
- 清水 正樹(東京医科歯科大学 東京医科歯科大学病院 )
- 杉原 毅彦(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
27,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、主要な全身性自己免疫疾患である、原発性抗リン脂質抗体症候群(PAPS) (疾患番号48)、全身性エリテマトーデス(SLE)(同49)、多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)(同50)、混合性結合組織病(MCTD)(同52)、シェーグレン症候群(SS)(同53)、成人スチル病(ASD)(同54)、若年性特発性関節炎(JIA)(同107)の7疾病に関し、1)診断基準や重症度分類の検証と改訂、国際分類基準の検証、関連学会承認獲得、2)診療ガイドライン(GL)の策定と改訂、関連学会承認獲得、3)臨床個人調査票の解析や検証による指定難病データベースの再構築、4)早期診断や診療施設紹介のための自己免疫疾患難病および移行期診療ネットワークの構築、5)難病プラットフォーム(PF)を利用した疾患レジストリの確立、6)レジストリを活用したAMED実用化研究事業の獲得、7)血管炎班との共同で行うシステマティックレヴュー担当者の育成、8)患者会協同による公開講座の開催、等を小児・成人一体的に行うことを目的とした。
研究方法
多臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患を小児・成人まで一体的に政策研究するため、膠原病内科、小児科、腎臓内科、神経内科、皮膚科、眼科、口腔外科における専門家が参画し全日本の研究組織を形成した。本研究班で担当する指定難病7疾患を、PAPS/SLE、PM/DM、MCTD、SS、ASD/JIAの5分科会に分け、それぞれ渥美、藤本、田中、川上、森/三村が分科会長を務めることとし、研究代表者の森は「分科会長会議」を適宜主催し、各分科会活動を調和させつつ統括して進捗を把握した。各分科会分担者は、所属分科会での上記研究を行う他、他分科会長の要請に応じて所属外の分科会でも研究に参画し、縦断/横断自在な研究体制を担保した。また、各分科会から2~4名を選抜し、難病プラットフォーム活用戦略チームを構成し、難病プラットフォームへの登録を促進して実用化研究の推進を図れるように検討を行なってきた。
結果と考察
本研究班で対象としている7疾病に関し、上記の目的の項で示した8項目の吟味・実現を目指して研究してきたが、昨年度に引き続き順調に成果が得られている。とりわけ、これまで研究班全体の優先検討事項と考えていた、5)難病プラットフォーム(PF)を利用した疾患レジストリの確立については、開始後登録症例が約1年間で100症例に達し、今後の疫学研究・AMED研究と連携した病態研究・新薬研究に資する情報・資料を提供できる枠組みが徐々に構築できつつあると考えている。加えて、4)早期診断や診療施設紹介のための自己免疫疾患難病および移行期診療ネットワークの構築を目指して、都道府県難病拠点へのアンケート調査結果を行って実態を把握することが出来た。8)患者会協同による公開講座の開催については全身性強皮症研究班と合同で、患者向け医療講演会を実施することができ、患者・家族の方々から好評を博した。事後アンケートを実施し、患者のアンメットニーズに応えた医療講演会を令和4年以降も継続して行っていくことで班内の合意を得ている。また、3)臨床個人調査票の解析や検証による指定難病データベースの再構築は、難病対策課内の整備を待っている。
結論
本年度は3年間研究の最終年度であったため、この3年間での成果を導出し今後の方向性を顕示することを念頭に、分科会ごとに継続研究を完遂した。本研究班の対象となる指定難病7疾患について、小児・成人まで一体的に政策研究するため、膠原病内科、小児科、腎臓内科、神経内科、皮膚科、眼科、口腔外科における専門家が参画し全日本の研究組織を形成し、縦断/横断自在な研究体制を維持することで本研究成果を導出することができた。また、難病プラットフォームを使用した指定難病データベースを活用したネットワーク構築、診断基準、重症度分類の改訂・検証、診療ガイドラインの改訂・検証に資するエビデンスの構築、公開講座の実施によって、患者・家族への還元・提供に努めた。
公開日・更新日
公開日
2024-04-04
更新日
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