文献情報
文献番号
202211030A
報告書区分
総括
研究課題名
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
20FC1038
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 正志(国立大学法人 筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
- 大川 淳(国立大学法人東京医科歯科大学 整形外科学)
- 松本 守雄(慶應義塾大学医学部整形外科学)
- 岩崎 幹季(独立行政法人労働者健康福祉機構 大阪労災病院整形外科)
- 川口 善治(富山大学医学部整形外科)
- 竹下 克志(自治医科大学 医学部)
- 種市 洋(獨協医科大学 医学部)
- 松山 幸弘(浜松医科大学 医学部)
- 中村 雅也(慶應義塾大学医学部)
- 山本 謙吾(東京医科大学 整形外科)
- 小澤 浩司(東北医科薬科大学医学部)
- 渡辺 雅彦(東海大学 医学部)
- 尾崎 敏文(岡山大学医歯薬学総合研究科 生体機能再生・再建学(整形外科))
- 高相 晶士(北里大学 医学部整形外科学)
- 筑田 博隆(群馬大学 大学院医学系研究科)
- 山田 宏(和歌山県立医科大学 医学部整形外科学講座)
- 石井 賢(国際医療福祉大学 医学部)
- 船尾 陽生(国際医療福祉大学 医学部整形外科)
- 谷口 昇(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
- 佐藤 公昭(久留米大学 医学部)
- 藤林 俊介(京都大学大学院医学研究科 運動器機能再建学講座)
- 今釜 史郎(名古屋大学 医学部附属病院)
- 海渡 貴司(大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学 (整形外科))
- 森 幹士(滋賀医科大学医学部)
- 高畑 雅彦(北海道大学医学研究科)
- 出村 諭(金沢大学附属病院整形外科)
- 大島 寧(東京大学医学部附属病院整形外科)
- 今城 靖明(山口大学 大学院医学系研究科)
- 西田 周泰(山口大学医学部附属病院 リハビリテーション部)
- 渡邊 慶(新潟大学 医学部整形外科)
- 国府田 正雄(筑波大学 医学医療系)
- 和田 簡一郎(弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部)
- 古矢 丈雄(千葉大学医学部附属病院)
- 中嶋 秀明(福井大学 医学部)
- 緒方 徹(東京大学 医学部附属病院)
- 三島 健一(名古屋大学大学院医学系研究科・障害児(者)医療学)
- 藤原 稔史(九州大学 整形外科)
- 池川 志郎(国立研究開発法人理化学研究所 統合生命医科学研究センター 骨関節疾患研究チーム)
- 田宮 菜奈子(国立大学法人筑波大学 医学医療系 / ヘルスサービス開発研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
18,462,000円
研究者交替、所属機関変更
【研究者交替】
1.大川淳(R2.4.1~R5.3.31)→吉井俊貴(R5.4.1~)
2.石井賢(R2.4.1~R4.12.31)→船尾陽生(R5.1.1~)
3.藤林俊介(R2.4.1~R5.3.31)→大槻文悟(R5.4.1~)
4.今城靖明(R2.4.1~R4.12.31)→西田周泰(R5.1.1~)
5.池川志郎(R2.4.1~R5.3.31)→寺尾知可史(R5.4.1~)
研究報告書(概要版)
研究目的
1)脊柱靭帯骨化症診療ガイドライン(GL)の普及を図りつつ、悉皆性の高い症例レジストリを構築、これを基盤に多施設研究を行い、将来的な診療ガイドラインの改訂に向けた準備を行う。2)脊柱靭帯骨化症およびFOPの診療体制を構築する。
研究方法
(1)診療GLの評価の普及
診療GLの普及度を調査するためのアンケート調査の実施。
(2)悉皆性の高い症例レジストリ構築
日本整形外科学会全手術症例レジストリと連携した悉皆性の高い脊柱靭帯骨化症症例レジストリを構築し、仮運用を開始。
(3)患者・研究班の双方向性研究
患者会、および研究班会議を年2回開催。
(4)多施設研究
既存収集データを基盤とした多施設研究を施行、データを解析し国際誌へ投稿。
(5)脊柱靭帯骨化症およびFOPの診療体制の構築
茨城県の難病診療体制を調査し、難病診療体制の構築に向けた啓発活動を実行。
診療GLの普及度を調査するためのアンケート調査の実施。
(2)悉皆性の高い症例レジストリ構築
日本整形外科学会全手術症例レジストリと連携した悉皆性の高い脊柱靭帯骨化症症例レジストリを構築し、仮運用を開始。
(3)患者・研究班の双方向性研究
患者会、および研究班会議を年2回開催。
(4)多施設研究
既存収集データを基盤とした多施設研究を施行、データを解析し国際誌へ投稿。
(5)脊柱靭帯骨化症およびFOPの診療体制の構築
茨城県の難病診療体制を調査し、難病診療体制の構築に向けた啓発活動を実行。
結果と考察
(1)診療GLの評価の普及
診療GLの普及度調査の結果を解析し令和4年度研究班会議にて報告した。これと並行して日本脊椎脊髄病学会として診療GL普及度の大規模調査を計画中である。
(2)悉皆性の高い症例レジストリ構築
日本整形外科学会全手術症例レジストリの2階部分に、日本整形外科学会全手術症例レジストリと連携した脊柱靭帯骨化症レジストリ登録システムを完成させ、令和3年11月より特定施設を対象に仮運用を開始した。令和5年3月までに48例の登録がなされ順調に症例の蓄積を行っており、令和4年度第2回研究班会議で症例の傾向について解析結果を報告した。また、令和4年度中にシステム不具合の調節、調査項目の追加も行った。令和5年4月より全研究班施設において本運用を開始する予定である。
(3)患者・研究班の双方向性研究
患者・研究班の双方向性研究については、脊柱靭帯骨化症研究班会議(令和4年6月24日および11月11日)を、新型コロナウイルスの状況が一定の収束を認めていたため、現地開催とWeb開催のHybrid開催として行い、本研究の進捗状況をオープンな形で配信し、研究協力者、および患者家族会と対面での意見交換を行った。また、研究班・患者双方向性研究の新規課題として、患者・市民参画研究(Patient and Public Involvement:PPI)としての患者視点からの脊柱靱帯骨化症患者の痛み痺れの実態調査について研究を行い、令和4年度第2回研究班会議にて報告した。さらに、一連の患者会活動が、研究班・患者会との双方向性研究の成功事例としてメディアに取り上げられた。
(4)多施設研究
新規研究課題については、まず、既存データベースを用いた解析を開始し、その成果を班会議にて報告し、成果の一部は国際誌へ投稿した。
継続研究課題についてはデータ収集・解析を行い、その成果を逐次国際誌へ発表した。
(5)脊柱靭帯骨化症およびFOPの診療体制の構築
筑波大学附属病院難病医療センターと連携し、茨城県内での診療体制構築に向けた調査および活動を行った。令和4年9月13日には茨城県難病診療連携拠点病院事業として、骨・関節系疾患ネットワーク専門部会を開催し、茨城県内の医療施設担当医師と診療体制構築について連携の確認を行った。
診療GLの普及度調査の結果を解析し令和4年度研究班会議にて報告した。これと並行して日本脊椎脊髄病学会として診療GL普及度の大規模調査を計画中である。
(2)悉皆性の高い症例レジストリ構築
日本整形外科学会全手術症例レジストリの2階部分に、日本整形外科学会全手術症例レジストリと連携した脊柱靭帯骨化症レジストリ登録システムを完成させ、令和3年11月より特定施設を対象に仮運用を開始した。令和5年3月までに48例の登録がなされ順調に症例の蓄積を行っており、令和4年度第2回研究班会議で症例の傾向について解析結果を報告した。また、令和4年度中にシステム不具合の調節、調査項目の追加も行った。令和5年4月より全研究班施設において本運用を開始する予定である。
(3)患者・研究班の双方向性研究
患者・研究班の双方向性研究については、脊柱靭帯骨化症研究班会議(令和4年6月24日および11月11日)を、新型コロナウイルスの状況が一定の収束を認めていたため、現地開催とWeb開催のHybrid開催として行い、本研究の進捗状況をオープンな形で配信し、研究協力者、および患者家族会と対面での意見交換を行った。また、研究班・患者双方向性研究の新規課題として、患者・市民参画研究(Patient and Public Involvement:PPI)としての患者視点からの脊柱靱帯骨化症患者の痛み痺れの実態調査について研究を行い、令和4年度第2回研究班会議にて報告した。さらに、一連の患者会活動が、研究班・患者会との双方向性研究の成功事例としてメディアに取り上げられた。
(4)多施設研究
新規研究課題については、まず、既存データベースを用いた解析を開始し、その成果を班会議にて報告し、成果の一部は国際誌へ投稿した。
継続研究課題についてはデータ収集・解析を行い、その成果を逐次国際誌へ発表した。
(5)脊柱靭帯骨化症およびFOPの診療体制の構築
筑波大学附属病院難病医療センターと連携し、茨城県内での診療体制構築に向けた調査および活動を行った。令和4年9月13日には茨城県難病診療連携拠点病院事業として、骨・関節系疾患ネットワーク専門部会を開催し、茨城県内の医療施設担当医師と診療体制構築について連携の確認を行った。
結論
本研究により脊柱靱帯骨化症およびFOPの診断・治療に関しての質の高いエビデンスが蓄積し、本症に対する普遍的な治療体系の確立が期待される。また、脊柱靭帯骨化症およびFOPの難病診療体制を構築することにより、一般の病院・診療所を難病罹患者が受診しやすなり、かつ一定水準の診断・診療を受けられる体制が整う。さらに、必要に応じてより高度な医療を提供可能な施設に適切に紹介できる体制が広く整うことが期待される。診療体制構築によるデータ収集の精度向上、診療GLに基づく一定水準の診断・治療の早期からの提供、高度医療機関への紹介体制の整備は治療成績向上に寄与しうる。
公開日・更新日
公開日
2024-04-04
更新日
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