ライソゾーム病、ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィ―を含む)における良質かつ適切な医療の実現に向けた体制の構築とその実装に関する研究

文献情報

文献番号
202211026A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病、ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィ―を含む)における良質かつ適切な医療の実現に向けた体制の構築とその実装に関する研究
課題番号
20FC1034
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
奥山 虎之(国立成育医療研究センター 病院 臨床検査部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
18,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の対象疾患は、難病指定されているライソゾーム病(LSD)31疾患、ペルオキシソーム病(PD)6疾患および副腎白質ジストロフィ―(ALD)である。本研究班では、LSD/PDに対する質の高い研究・医療の実現とLSD/PD医療の均てん化を目指し、(1)診療ガイドライン(GL)の作成と更新、(2)患者レジストリーの構築とその利用、(3)診断法の改良、(4)先進的治療法の導入、(5)拠点病院の再編成について研究を行う。
研究方法
本研究、研究班活動を通して、LSD/PD患者を含む国民への普及・啓発、LSD/PD患者の療養生活環境やQOLの向上、LSD/PD診断・診療体制の整備を通してLSD/PDの望ましい診療提供体制の構築、小児・成人LSD/PD患者を切れ目なく研究・診療できる体制の構築を実現する。
結果と考察
2022年度は、①副腎白質ジストロフィーGLは日本先天者異常学会と日本神経学会の学会承認を得ることを目標に改訂作業中。ポンペ病、MPSIIのGLの改訂作業も開始。「ゴーシェ病診療ガイドライン2021」(先天代謝異常学会編集、2019年厚労省研究班監修・編集)が2022.6  Mindsホームページに公開された。②患者レジストリーについては、ポンペ病とNPCでのパイロットスタディを踏まえ、EDCの改修を実施した。また、MPSの特異項目についても実装した。難病プラットフォームのEDCの受託会社であるEPクルーズのEP山梨への社名変更、引き続きに伴い、EDCの改修・実装の納期に大幅な遅れが出た影響で、患者登録作業自体にも遅れが生じ、今年度はポンペ病の3名の登録に止まった。③九州地区においてファブリー病、ポンペ病、ゴーシェ病、ムコ多糖症I型、ムコ多糖症II型の新生児スクリーニングを実施した。また、酵素活性の測定、代謝産物の解析にNGS等を効率的に連結した診断システムの開発を行っており、それに伴って必須となる遺伝カウンセリングについても検討した。④3年間の調査で以下の臨床研究・治験・シーズがピックアップされた。遺伝子治療製品;Gaucher病: LVV-HSC、AAV-IT 、ALD:LVV-HSC、LVV静注(in vivo)、MLD:LVV-HSC、GLDとKrabbe病:AAV-IT、ポンぺ病:LVV―HSC、AAV、MPS:1型、2型、3型に対するLVV-HSC等、Fabry病:LVV-HSC、AAV、遺伝子治療製品以外; Gaucher病1・3型に対する分子シャペロン、2型に対するアンブロキソール 、ALD:クロロキンによる毒性緩和(シーズ) 、MLD:LVV-HSC、GLD:MIR219によるオリゴデンドロサイトレスキュー(シーズ) 、ムコリピドーシス:アンチセンスオリゴでのエキソンスキップ(シーズ)、Pompe病: ERT、MPS 中枢系へ到達する酵素製剤(BBB通過シグナル融合酵素・脳室内投与) 、NCL:新規治験3件(硝子体内ERT、低分子経口薬等) 、Fabry病:PEG化ERT(Pegunigalsidaseα)、およびルセラスタットなどのSRT治験 、NPC:シクロデキストリン髄注、⑤難病診療連携および分野拠点病院およびトランジッションの現状課題を調査することして全国アンケートを実施し、今後の多方面の体制構築を研究した。トランジションは、「小児から成人への移行期支援プログラム」を完成させた。⑥その他、2023年1月21日、市民公開フォーラムを開催し、本研究班の成果等を情報発信した。
結論
本研究班は3年の研究期間の3年目を終えた。本研究の成果を踏まえ、今後の課題を抽出し、以降の研究につなげていく。

公開日・更新日

公開日
2024-04-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-04-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202211026B
報告書区分
総合
研究課題名
ライソゾーム病、ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィ―を含む)における良質かつ適切な医療の実現に向けた体制の構築とその実装に関する研究
課題番号
20FC1034
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
奥山 虎之(国立成育医療研究センター 病院 臨床検査部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の対象疾患は、難病指定されているライソゾーム病(LSD)31疾患、ペルオキシソーム病(PD)6疾患および副腎白質ジストロフィ―(ALD)である。本研究班では、LSD/PDに対する質の高い研究・医療の実現とLSD/PD医療の均てん化を目指し、(1)診療ガイドライン(GL)の作成と更新、(2)患者レジストリーの構築とその利用、(3)診断法の改良、(4)先進的治療法の導入、(5)拠点病院の再編成について研究を行う。
研究方法
本研究、研究班活動を通して、LSD/PD患者を含む国民への普及・啓発、LSD/PD患者の療養生活環境やQOLの向上、LSD/PD診断・診療体制の整備を通してLSD/PDの望ましい診療提供体制の構築、小児・成人LSD/PD患者を切れ目なく研究・診療できる体制の構築を実現する。
結果と考察
3年間の研究期間で、①NPC診療ガイドライン2021、MPSIVA診療ガイドライン2021が2020年度に完成した。ALD、ポンペ病、MPSIIは改訂中。ゴーシェ病、MPSI、ファブリー病はMindsに収載された。②患者レジストリーは、京都大学のCIRBにてR3年11月19日に承認を得て、ポンペ病、NPC、MPSI/IIのシステム構築を完成させ、登録を開始した。③-1 LSD/PDの早期診断スクリーニング法のエビデンス輩出と啓発とLSD/PDの早期診断スクリーニング確定診断のための診断システムの構築 を行った。PDは、保険診療によるALDを含むペルオキシソーム病診断検査の社会実装を達成した。③-2 1)ライソゾーム病疾患別専門医グループを構築した。2)確定診断の為検査体制の調査により、ほぼ全ての疾患群においてコマーシャル検査のみでは最終的な確定診断に結びつかない症例が存在し、その場合は専ら大学の研究室などで行われる特殊な診断的研究が有用であることが判明した。3) 未診断症例相談体制の基盤整備を行った。④3年間の調査で以下の臨床研究・治験・シーズがピックアップされた。遺伝子治療製品;Gaucher病: LVV-HSC、AAV-IT 、ALD:LVV-HSC、LVV静注(in vivo)、MLD:LVV-HSC、GLDとKrabbe病:AAV-IT、ポンぺ病:LVV―HSC、AAV、MPS:1型、2型、3型に対するLVV-HSC等、Fabry病:LVV-HSC、AAV、遺伝子治療製品以外; Gaucher病1・3型に対する分子シャペロン、2型に対するアンブロキソール 、ALD:クロロキンによる毒性緩和(シーズ) 、MLD:LVV-HSC、GLD:MIR219によるオリゴデンドロサイトレスキュー(シーズ) 、ムコリピドーシス:アンチセンスオリゴでのエキソンスキップ(シーズ)、Pompe病: ERT、MPS 中枢系へ到達する酵素製剤(BBB通過シグナル融合酵素・脳室内投与) 、NCL:新規治験3件(硝子体内ERT、低分子経口薬等) 、Fabry病:PEG化ERT(Pegunigalsidaseα)、およびルセラスタットなどのSRT治験 、NPC:シクロデキストリン髄注、⑤全国にLSD/PD拠点病院をA.地域型拠点病院、B.疾患別研究拠点病院の2つに分類し、それぞれの役割を整理した。また、全国アンケートを行った。トランジションは、「小児から成人への移行期支援プログラム」を完成させた。⑥その他、市民公開フォーラム毎年開催し、本研究班の成果等を情報発信した。
結論
本研究班では、LSD/PDに対する質の高い研究・医療の実現とLSD/PD医療の均てん化を目指し、(1)診療ガイドライン(GL)の作成と更新、(2)患者レジストリーの構築とその利用、(3)診断法の改良、(4)先進的治療法の導入、(5)拠点病院の再編成について研究を行った。
3年間の研究を通し、日本に導入すべき治療法などの絞り込みが行われ、その他、いくつかの研究課題も抽出された。次年度、新たな枠組みでの研究申請をするとともに、当該領域の研究・医療の質の向上、均てん化を担っていく。

公開日・更新日

公開日
2024-04-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-04-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202211026C

収支報告書

文献番号
202211026Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
24,000,000円
(2)補助金確定額
23,730,000円
差引額 [(1)-(2)]
270,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,503,118円
人件費・謝金 5,027,608円
旅費 1,347,565円
その他 6,314,165円
間接経費 5,538,000円
合計 23,730,456円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-12-06
更新日
-