タウイメージングによるアルツハイマー病診断

文献情報

文献番号
200912024A
報告書区分
総括
研究課題名
タウイメージングによるアルツハイマー病診断
課題番号
H20-ナノ・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 未来医工学治療開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内一彦(東北大学医学系研究科)
  • 荒井啓行(東北大学加齢医学研究所)
  • 岡村信行(東北大学医学系研究科)
  • 古本祥三(東北大学医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
41,537,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本課題の目的はアルツハイマー病(AD) 発症前からの病理像のうち、過剰リン酸化タウ蛋白を主構成成分とする神経原線維変化(以下これらをまとめてタウ)に特異的選択的に結合し、しかも血液-脳関門を容易に透過するプローブ(=低分子有機化合物)を見いだし、このプローブをPET(Positron Emission Tomography; 陽電子断層撮影装置)で扱える核種で標識後、静脈内投与して、得られるPET画像を基に脳内標識プローブの集積(=タウの集積)の定量およびその空間的分布からADを診断しようとするものである。
研究方法
1. スクリーニングに用いた化合物
平成21年度(2年度目)末までにスクリーニングに供した化合物は約4,300化合物であった。
2. AD患者脳標本における化合物による染色 
3.インビトロ AD-likeタウアッセイ系を用いた評価
4.脳移行性評価
非標識体をHPLCを用いて、[18F]標識体をγカウンターを用いて測定した
5. オートラジオグラフィー実験
AD海馬-側頭葉脳切片における[18F]標識体のオートラジオグラフィ画像を撮影した。
6. Aβ、タウ蛋白との結合親和性の検討
Aβ、タウ蛋白との結合親和性を評価した。
7. タウトランスジェニックマウスに対するIn vivo投与実験
タウトランスジェニックマウスに[18F]標識体を投与して マイクロPETで画像を撮影した。
結果と考察
選び出された化合物群はAD患者脳切片におけるタウを染色した。同化合物群はオートラジオグラフィ、Aβまたはタウに対する親和性、タウTgマウスにおけるPET画像においてもタウ特異的・選択的であった。
結論
ADの病理像としてのタウに特異的に結合する、いわゆるタウイメージング用PETプローブを開発するために、各種薬理作用等を検討し、プロミシングなプローブの開発に目処をつけることができた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-