文献情報
文献番号
202211019A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究
課題番号
20FC1027
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
平井 豊博(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 巽 浩一郎(千葉大学 真菌医学研究センター)
- 阿部 弘太郎(九州大学病院 循環器内科)
- 伊波 巧(杏林大学 医学部)
- 大郷 剛(国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 肺循環科)
- 小川 愛子(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター 臨床研究部 分子病態研究室)
- 近藤 康博(公立陶生病院呼吸器・アレルギー疾患内科)
- 坂尾 誠一郎(千葉大学医学部)
- 杉浦 寿彦(国立大学法人千葉大学医学研究院)
- 杉村 宏一郎(国際医療福祉大学成田病院大学 循環器内科)
- 田邉 信宏(千葉大学 大学院医学研究院)
- 田村 雄一(国際医療福祉大学 医学部循環器内科)
- 辻野 一三(北海道大学 大学院 医学研究院医学院 呼吸器内科学教室)
- 花岡 正幸(信州大学医学部内科学第一講座)
- 山岸 敬幸(慶應義塾大学医学部)
- 葛西 隆敏(順天堂大学大学院医学研究科循環呼吸睡眠医学講座)
- 佐々木 綾子(山形大学医学部)
- 鈴木 康之(国立成育医療センター 手術集中治療部)
- 寺田 二郎(千葉大学大学院医学研究院, 呼吸器内科学講座)
- 陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科)
- 長谷川 久弥(東京女子医科大学附属足立医療センター 新生児科)
- 山田 洋輔(東京女子医科大学東医療センター 新生児科)
- 井上 義一(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター, 臨床研究センター)
- 瀬山 邦明(順天堂大学 医学部)
- 林田 美江(信州大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科)
- 長瀬 隆英(東京大学 医学部附属病院)
- 伊達 洋至(京都大学大学院医学研究科)
- 吉田 雅博(国際医療福祉大学 医学部 消化器外科学教室)
- 富井 啓介(神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科)
- 鈴木 拓児(千葉大学 医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
難治性呼吸器疾患および肺高血圧症に関する横断的・縦断的研究を通して、患者生命予後とQOLの向上の実現、厚生労働省の医療政策に活用しうる知見の収集が大きな目的である。日本呼吸器学会、日本肺高血圧・肺循環学会、日本循環器学会、日本リウマチ学会、日本小児科学会などの関連学会との連携を図りながら、「重症度分類を含めた診断基準」に関して学術的進歩に合わせて年度毎の評価、また「診療ガイドラインの作成/更新」に寄与しうるエビデンスの構築を継続する。最終治療としての「肺移植」に関しても関連研究を推進する。研究を遂行することにより、「医療政策に活用しうる知見の収集・活用」を通して「難治性呼吸器疾患患者のQOL向上」を目指す。
研究方法
対象疾患は、嚢胞性肺疾患(リンパ脈管筋腫症;LAM)、呼吸調節異常を基盤として発症する疾患(肺胞低換気症候群;AHS、先天性中枢性低換気症候群(CCHS)はAHSに含む)、肺・気道系疾患(α1-アンチトリプシン欠乏症;AATD)、肺血管系疾患(肺動脈性肺高血圧症;PAH、慢性血栓塞栓性肺高血圧症;CTEPH)、肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症;PVOD/PCH)、肺動脈瘻を有するオスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症;HHT)である。
研究代表者が統括し、関連学会が支える体制で、診療ガイドラインの継続的作成のために、患者会との連携も行っている。
対象疾患に対し、診療ガイドライン作成・更新、に役立つエビデンスの創出、世界・日本からのエビデンスに関する討議を継続的に行う。疾患レジストリの構築・維持、AMED事業との連携による病態解明、新規治療法の有効性検証などを行い、ガイドラインの作成・更新を目指す。
研究代表者が統括し、関連学会が支える体制で、診療ガイドラインの継続的作成のために、患者会との連携も行っている。
対象疾患に対し、診療ガイドライン作成・更新、に役立つエビデンスの創出、世界・日本からのエビデンスに関する討議を継続的に行う。疾患レジストリの構築・維持、AMED事業との連携による病態解明、新規治療法の有効性検証などを行い、ガイドラインの作成・更新を目指す。
結果と考察
令和4年度の活動として、すべての対象疾患に対して「診療ガイドラインに寄与しうるエビデンス(論文)」の構築に務めた。さらに第2回班会議において肺高血圧症(PAH, CTEPH, PVOD)の診断基準・重症度分類のアップデートについて協議を行った。またAHSに関してはCCHSに関する現状報告と共にAHSに関して定義・病名のアップデートに関する提案について協議を行った。
LAMに課しては、2016年/2017年に公開した日本呼吸器学会と米国胸部学会合同ガイドラインの日本語版とエキスパートオピニオンを集約した「リンパ脈管筋腫症 診療の手引き」を策定しWeb公開を行った。臨床調査個人票データベースを用いて、我が国におけるLAM患者の実態調査結果を公開した。
AHSに関しては、CCHSに対する新しい治療として横隔膜ペーシング療法の実施、CCHSの遺伝子診断であるPHOX2B遺伝子異常の遺伝子解析体制を構築した。
AATDに関しては、AAT補充療法の長期安全性評価結果を報告した。「AATD診療の手引き2021第2版」を一般公開した。「慢性閉塞性肺疾患(COD)診断と治療のためのガイドライン第6版2022」でAATDの項を作成、AAT補充療法について詳述した。
PAHに関して、関連疾患も含めてJAPHRレジストリより本邦の治療実態に関する報告を含めた報告を行った。また複数のAMED研究と連携した研究を継続して実施した。薬剤誘発性肺高血圧症について「青黛による薬物・毒物誘発性肺高血圧症に関するステートメント」を作成した。診療ガイドラインの一般普及のため、スマートフォン/タブレットアプリを公開した。
CTEPHに関して、新規薬剤の評価を受け、診療ガイドラインの改訂を行い「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)診療ガイドライン2022」を公開した。AMED研究と連携して研究成果を発表した。
PVOD/PCHに関して、2018年国際会議を受けて診療ガイドラインの改訂を行い「肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症(PVOD/PCH)診療ガイドライン 2022」を公開した。
HHTに関して、オスラー病の遺伝子検査として保険収載と全国規模の検査受注体制を構築した。
その他、小児・成人を一体とした希少疾患に対する研究・診療体制の構築、移行期医療の推進に努力し、市民公開講座の開催や、学会での合同シンポジウムなどを通じて啓発活動を行った。
LAMに課しては、2016年/2017年に公開した日本呼吸器学会と米国胸部学会合同ガイドラインの日本語版とエキスパートオピニオンを集約した「リンパ脈管筋腫症 診療の手引き」を策定しWeb公開を行った。臨床調査個人票データベースを用いて、我が国におけるLAM患者の実態調査結果を公開した。
AHSに関しては、CCHSに対する新しい治療として横隔膜ペーシング療法の実施、CCHSの遺伝子診断であるPHOX2B遺伝子異常の遺伝子解析体制を構築した。
AATDに関しては、AAT補充療法の長期安全性評価結果を報告した。「AATD診療の手引き2021第2版」を一般公開した。「慢性閉塞性肺疾患(COD)診断と治療のためのガイドライン第6版2022」でAATDの項を作成、AAT補充療法について詳述した。
PAHに関して、関連疾患も含めてJAPHRレジストリより本邦の治療実態に関する報告を含めた報告を行った。また複数のAMED研究と連携した研究を継続して実施した。薬剤誘発性肺高血圧症について「青黛による薬物・毒物誘発性肺高血圧症に関するステートメント」を作成した。診療ガイドラインの一般普及のため、スマートフォン/タブレットアプリを公開した。
CTEPHに関して、新規薬剤の評価を受け、診療ガイドラインの改訂を行い「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)診療ガイドライン2022」を公開した。AMED研究と連携して研究成果を発表した。
PVOD/PCHに関して、2018年国際会議を受けて診療ガイドラインの改訂を行い「肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症(PVOD/PCH)診療ガイドライン 2022」を公開した。
HHTに関して、オスラー病の遺伝子検査として保険収載と全国規模の検査受注体制を構築した。
その他、小児・成人を一体とした希少疾患に対する研究・診療体制の構築、移行期医療の推進に努力し、市民公開講座の開催や、学会での合同シンポジウムなどを通じて啓発活動を行った。
結論
横断的・縦断的研究を通じて、患者生命予後とQOLの向上の実現、厚生労働省の医療政策に活用しうる知見の収集・活用を目的として、対象疾患の一部に対して「診療の手引き」「診療ガイドラインの作成・改訂」を実施した。引き継ぎ「医療政策に活用しうる治験の収集・活用」を通して、「難治性呼吸器疾患患者QOL向上」に役立つ研究を目指す。
公開日・更新日
公開日
2024-04-02
更新日
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