文献情報
文献番号
202211018A
報告書区分
総括
研究課題名
皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究
課題番号
20FC1026
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 隆(公立大学法人大阪 大阪公立大学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
15,127,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班の目的は、令和4年度の1年間に、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)の一環として、皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患、8疾患群、22疾患について厚生労働省政策研究を中心に各種の臨床研究を進めることである。
この22疾患のうち、本研究班が主体的に研究する疾患は、(1)コケイン症候群、(2)家族性良性慢性天疱瘡、ダリエ病、(3)化膿性汗腺炎、(4)ウェーバー・クリスチャン症候群、スイート病、シュニッツラー症候群、顆粒状C3皮膚症の4種の自己炎症性皮膚疾患、(5)反応性穿孔性皮膚症、キルレ病、穿孔性毛包炎、蛇行性穿孔性弾力線維症の4種の穿孔性皮膚症群疾患、(6)掌蹠角化症、(7)ゴーリン症候群、カウデン症候群、(8)疣贅状表皮発育異常症の8疾患群、16疾患である。2種の指定難病、コケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡については、指定難病としての政策的作業も進める。
さらに、上記の4種の自己炎症性皮膚疾患以外の5種の遺伝性自己炎症性疾患およびスタージ・ウェーバー症候群の6種の指定難病については、それぞれの疾患を主体的に研究する研究班と連携して皮膚科的な見地から研究を進める。疣贅状表皮発育異常症は、他の研究班が主体的に研究する疾患に属するが、皮膚症状が主体であるため本研究班で主要な研究を進める。
目的としては、まず、全疾患について、1年間を通じて厚生労働省担当者・医療関係者・患者への医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。日本皮膚科学会などの関連学会と連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を更新し、各種の全国疫学調査を行い、REDCapシステムを用いたレジストリの構築と生体試料レポジトリを拡充する。さらに、日本皮膚科学会などと連携して診療ガイドラインを作成する。また、AMED研究費を申請し、新規治療法開発のための臨床試験を進める。さらに、診療ガイドラインを作成した疾患について指定難病疾病追加の申請を行う。
本研究班の一つの特徴は、大阪公立大学医療統計学の新谷歩先生の指導のもとREDCapシステムを用いたレジストリを構築できることである。
この22疾患のうち、本研究班が主体的に研究する疾患は、(1)コケイン症候群、(2)家族性良性慢性天疱瘡、ダリエ病、(3)化膿性汗腺炎、(4)ウェーバー・クリスチャン症候群、スイート病、シュニッツラー症候群、顆粒状C3皮膚症の4種の自己炎症性皮膚疾患、(5)反応性穿孔性皮膚症、キルレ病、穿孔性毛包炎、蛇行性穿孔性弾力線維症の4種の穿孔性皮膚症群疾患、(6)掌蹠角化症、(7)ゴーリン症候群、カウデン症候群、(8)疣贅状表皮発育異常症の8疾患群、16疾患である。2種の指定難病、コケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡については、指定難病としての政策的作業も進める。
さらに、上記の4種の自己炎症性皮膚疾患以外の5種の遺伝性自己炎症性疾患およびスタージ・ウェーバー症候群の6種の指定難病については、それぞれの疾患を主体的に研究する研究班と連携して皮膚科的な見地から研究を進める。疣贅状表皮発育異常症は、他の研究班が主体的に研究する疾患に属するが、皮膚症状が主体であるため本研究班で主要な研究を進める。
目的としては、まず、全疾患について、1年間を通じて厚生労働省担当者・医療関係者・患者への医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。日本皮膚科学会などの関連学会と連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を更新し、各種の全国疫学調査を行い、REDCapシステムを用いたレジストリの構築と生体試料レポジトリを拡充する。さらに、日本皮膚科学会などと連携して診療ガイドラインを作成する。また、AMED研究費を申請し、新規治療法開発のための臨床試験を進める。さらに、診療ガイドラインを作成した疾患について指定難病疾病追加の申請を行う。
本研究班の一つの特徴は、大阪公立大学医療統計学の新谷歩先生の指導のもとREDCapシステムを用いたレジストリを構築できることである。
研究方法
指定難病を中心に、全疾患について、厚生労働省担当者・医療関係者・患者への医療情報提供などで厚生労働省政策に貢献する。日本皮膚科学会などと連携し、全疾患について診断基準と重症度分類を更新し、各種の全国疫学調査などの疫学研究を進め、これらの疫学調査の結果を用いてREDCapシステムによるレジストリを構築し、同時に生体資料レポジトリも拡充し、診療ガイドラインを作成して公開する。診療ガイドライン作成が終了した主要な疾患については指定難病疾病追加の申請を行う。また、新規治療法開発のため、AMED研究費を申請して臨床試験を進める。さらに、患者会の援助、遺伝子診断の補助、研究成果の公開なども継続する。
結果と考察
結果として、指定難病を中心に、多くの疾患について厚生労働省政策に貢献した。また、全疾患について診断基準と重症度分類を更新し、多くの疾患で2次・3次全国疫学調査による疫学研究を進め、診療ガイドラインを作成した。さらに、多くの診療ガイドライン作成が終了した疾患について、全国患者状況の把握や診療ガイドライン改定などの、次回の指定難病の疾病追加申請のための作業を進めた。
また、指定難病のコケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡を中心に、多くの疾患についてREDCapシステムを用いたレジストリを構築し、同時に生体資料レポジトリを拡充した。また、家族性良性慢性天疱瘡とシュニッツラー症候群の治療についてAMED研究費を申請し、シュニッツラー症候群のカナキヌマブ治療が採択され、医師主導臨床試験を開始した。
考察としては、全疾患で診断基準・重症度分類を作成し、全国疫学調査で本邦の患者状況やQOLを把握したことで、今後の厚生労働省政策に貢献できる。また、構築したREDCapシステムを用いたレジストリとレポジトリも今後の研究に有用となる。さらに、多くの疾患について診療ガイドライン作成した多くの主要な疾患について、次の機会に指定難病の疾病追加の申請が採択される可能性がある。シュニッツラー症候群については今後新規治療法の開発が期待される。
また、指定難病のコケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡を中心に、多くの疾患についてREDCapシステムを用いたレジストリを構築し、同時に生体資料レポジトリを拡充した。また、家族性良性慢性天疱瘡とシュニッツラー症候群の治療についてAMED研究費を申請し、シュニッツラー症候群のカナキヌマブ治療が採択され、医師主導臨床試験を開始した。
考察としては、全疾患で診断基準・重症度分類を作成し、全国疫学調査で本邦の患者状況やQOLを把握したことで、今後の厚生労働省政策に貢献できる。また、構築したREDCapシステムを用いたレジストリとレポジトリも今後の研究に有用となる。さらに、多くの疾患について診療ガイドライン作成した多くの主要な疾患について、次の機会に指定難病の疾病追加の申請が採択される可能性がある。シュニッツラー症候群については今後新規治療法の開発が期待される。
結論
令和4年度の1年間を通じて、指定難病を中心に多くの疾患について、厚生労働省政策に貢献できた。また、多くの疾患で診療ガイドラインを作成・公開した。さらに、多くの疾患でREDCapシステムを用いたレジストリ構築を行ったこととシュニッツラー症候群治療のAMED研究費が採択されて臨床試験を開始したことは大きな成果と考える。作成したレジストリは臨床研究や厚生労働省政策事業に提供される。今後、診療ガイドライン作成が終了した主要な疾患について指定難病の疾病追加申請を行う。
公開日・更新日
公開日
2024-04-02
更新日
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