低侵襲・高精度骨折整復・治療支援システムの開発

文献情報

文献番号
200912020A
報告書区分
総括
研究課題名
低侵襲・高精度骨折整復・治療支援システムの開発
課題番号
H20-ナノ・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
研究分担者(所属機関)
  • 大西 五三男(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科 )
  • 佐久間 一郎(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 光石 衛(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 中島 義和(東京大学インテリジェントモデリングラボラトリー)
  • 苅田 達郎(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科 )
  • 別所 雅彦(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科 )
  • 大橋 暁(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
43,396,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者の人口比の増加により急増している大腿骨近位部骨折などの下肢の骨折は、自立性を喪失しうる重要な外傷で、低侵襲で安全・正確に治療することが求められる。
申請者らはこれまでの研究成果をふまえ、骨折整復の診断・治療計画立案・低侵襲治療・予後の評価といった医療全体のプロセスをコンピュータを使い総合的に統合管理し、高精度かつ高精度な骨折整復をを安全・かつ簡便に実施することを特色とする支援するシステムを開発する。
研究方法
本研究は、1、高度先進術前診断・骨折治療計画立案・シミュレーションシステムの開発、2、コンピュータ支援骨固定術支援システムの開発、3、コンピュータ制御による高精度骨接合治療支援システムの開発、4、高精度骨折治療支援のための診断・治療情報統合化システムの開発、から構成される高精度の骨折整復および低侵襲・高精度の骨接合術を支援する総合的な診断・治療システムの開発を行う。
結果と考察
1、高度先進術前診断・骨折治療計画立案・シミュレーションシステムの開発では、基本的な3次元評価の基礎技術を確立して専用の評価用ソフトを開発した。2、コンピュータ支援骨固定術支援システムの開発では、ナビゲーションソフトウェアでは臨床適用および商品化を視野に入れた精度向上、機能追加、およびインタフェースの改良を行った。3、コンピュータ制御による高精度骨接合治療支援システムの開発では、骨折整復支援装置に関しては、手術ロボティックシステムについては機械的な精度評価、構想パワーアシストの拘束精度、ナビゲーションシステムとの統合による整復時の動作精度を実験的に評価した。ナビゲーションガイド下骨接合術支援装置の開発では装置の小型化・高精度化を進めた。4、高精度骨折治療支援のための診断・治療情報統合化システムの開発では、骨に荷重を負荷する荷重装置を開発し、精度・再現性を評価した。
結論
本申請での骨折整復・治療支援システム開発により、高精度・正確無比・強固な骨接合・最小侵襲を実現する骨接合ができれば、良好な整復により骨折部の接触面積の増大により、確実かつ早期の骨癒合、早期の荷重歩行・早期の運動療法、インプラントへの負荷軽減が可能である。正確かつ最小侵襲治療により早期離床が可能である。確実・順調な骨癒合により運動機能の順調な回復が期待できれば、治療後に要介護にいたる比率を低減することができ、また介護度の程度も軽減することが可能である。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-