アミロイドーシスに関する調査研究

文献情報

文献番号
202211014A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
20FC1022
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
内木 宏延(福井大学 学術研究院医学系部門)
研究分担者(所属機関)
  • 安東 由喜雄(長崎国際大学 薬学部 アミロイドーシス病態解析学分野)
  • 関島 良樹(国立大学法人信州大学 学術研究院医学系)
  • 植田 光晴(熊本大学 大学院生命科学研究部 脳神経内科学)
  • 島崎 千尋(独立行政法人地域医療機能推進機構京都鞍馬口医療センター 医局)
  • 飯田 真介(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 生体総合医療学講座 血液・腫瘍内科学分野)
  • 小池 春樹(国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院威嚇研究科)
  • 西 慎一( 神戸大学 大学院医学研究科 腎臓内科腎・血液浄化センター)
  • 星野 純一(東京女子医科大学 医学部)
  • 山田 俊幸(自治医科大学 医学部)
  • 奥田 恭章(道後温泉病院 リウマチセンター 内科)
  • 小野 賢二郎(金沢大学 医薬保健研究域医学系 脳神経内科)
  • 北岡 裕章(国立大学法人高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門 老年病・循環器内科学)
  • 田原 宣広(久留米大学 循環器病センター)
  • 遠藤 仁(慶應義塾大学 医学部)
  • 大橋 健一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 畠山 金太(国立循環器病研究センター 病院病理部)
  • 安倍 正博(国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 鈴木 憲史(日本赤十字社医療センター 骨髄腫アミロイドーシスセンター)
  • 河野 和(熊本大学 大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学)
  • 山本 卓(新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部)
  • 坂井 健二(上越総合病院 神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 われわれは令和2~4年度に及ぶ本研究計画で、(1) 病理コンサルテーション体制を中心とするアミロイドーシスの総合的診断体制を運用・発展させること、(2) 改訂診断基準に基づき、令和3年度に予定されている次回難病法改正にあわせ臨床調査個人票を改訂すること、(3) 各病型診療ガイドライン・ケアマニュアルと共に、新規重症度分類を作成すること、(4) 関連学会と連携してAMED難病プラットフォームによるレジストリ研究を実施し、データを用いた疫学研究等を実施すること、(5) 非専門医向けセミナーや患者向けの公開講座等、アミロイドーシスの啓発活動を随時実施することの5項目を目指した。
研究方法
【項目番号は研究の目的に対応】
 (1)~(4)の各項目は、第1回研究班会議(令和4年8月26日、ウェブ開催)、第2回研究班会議(令和5年3月17日、ウェブ開催)、および各WGで随時開催するウェブ会議で議論・決定した。(5)は研究分担者の関島、植田、鈴木を中心に実施した。
 (1)に関し、個人情報保護には細心の注意を払った。また、オプトアウトにより対象患者に研究不参加の機会を与えた(福井大学医学系研究倫理審査委員会令和4年12月27日Ver.1.8承認)。(4)に関し、京都大学医の倫理審査委員会で中央倫理審査を受審した(令和4年9月12日第8.0版承認)。
結果と考察
【項目番号は研究の目的に対応】
(1) 昨年度より2施設多い全国11施設でカスタム抗体を共有し、コンサルテーション体制を運用した。平成30年4 月より令和4年11 月までの56 か月で6166 件のコンサルテーションを受け付け、プロテオーム解析と合わせ4778 件の病型を確定した。月平均コンサルテーション件数も、昨年度集計時と比べ1.2倍に増加した。われわれの体制は、全国の新規患者を網羅した悉皆性の高いコンサルテーション体制であると判断できる。(2) 『臨床調査個人票』改定案を、令和4年12月2日難病対策課に提出した。来年度、『臨床調査個人票』改定案の承認を得た後、改訂『臨床調査個人票』の運用を開始する予定である。(3) 今回の改訂では、重症度分類の改訂は行わないこととした。(4) 令和2年4月1日より『オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究J-COSSA』を開始し、ALアミロイドーシス116症例、ATTRvアミロイドーシス135症例、ATTRwtアミロイドーシス1,297症例、計1,548症例の登録を終えた。登録数は昨年度集計時の1.5倍に増加した。本研究の一部として、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル処方患者のコホート研究を日本循環器学会と共に実施しており、日本循環器学会認定113施設が参加している。今後、指定難病であるトランスサイレチン型心アミロイドーシス(全身性野生型トランスサイレチンアミロイドーシス)を中心に、悉皆性の高いコホート研究を実施する予定である。(5) 松本にて「たんぽぽの会」(FAP患者家族会)をハイブリッド開催した。熊本にて「道しるべの会」(FAP患者・家族会)総会・講演会をハイブリッド開催した。ALアミロイドーシス患者・家族向けセミナー「アミロイドーシス治療法の最新情報」をウェブ開催した。公開市民講座「トランスサイレチンアミロイドーシス治療と研究の最前線」をウェブ開催した。
結論
 全国11施設でカスタム抗体を共有し、コンサルテーション体制を運用した。『臨床調査個人票』改定案を難病対策課に提出した。『オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究J-COSSA』の登録開始以来、ALアミロイドーシス116症例、ATTRvアミロイドーシス135症例、ATTRwtアミロイドーシス1,297症例、計1,548症例の登録を終えた。松本にて「たんぽぽの会」(FAP患者家族会)をハイブリッド開催した。熊本にて「道しるべの会」(FAP患者・家族会)をハイブリッド開催した。ALアミロイドーシス患者・家族向けセミナー「アミロイドーシス治療法の最新情報」をウェブ開催した。公開市民講座「トランスサイレチンアミロイドーシス治療と研究の最前線」をウェブ開催した。

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202211014B
報告書区分
総合
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
20FC1022
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
内木 宏延(福井大学 学術研究院医学系部門)
研究分担者(所属機関)
  • 安東 由喜雄(長崎国際大学 薬学部 アミロイドーシス病態解析学分野)
  • 山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 関島 良樹(国立大学法人信州大学 学術研究院医学系)
  • 植田 光晴(熊本大学 大学院生命科学研究部 脳神経内科学)
  • 島崎 千尋(独立行政法人地域医療機能推進機構京都鞍馬口医療センター 医局)
  • 畑 裕之(熊本大学 大学院生命科学研究部 生体情報解析学)
  • 飯田 真介(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 生体総合医療学講座 血液・腫瘍内科学分野)
  • 小池 春樹(国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 西 慎一(神戸大学 大学院医学研究科 腎臓内科腎・血液浄化センター)
  • 重松 隆(和歌山県立医科大学 大学院医学研究科)
  • 星野 純一(東京女子医科大学 医学部)
  • 山田 俊幸(自治医科大学 医学部)
  • 奥田 恭章(道後温泉病院 リウマチセンター 内科)
  • 小野 賢二郎(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 北岡 裕章(国立大学法人高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部 老年病・循環器内科学)
  • 田原 宣広(久留米大学 循環器病センター)
  • 遠藤 仁(慶應義塾大学 医学部)
  • 大橋 健一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 畠山 金太(国立循環器病研究センター 病院病理部)
  • 安倍 正博(国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 鈴木 憲史(日本赤十字社医療センター 骨髄腫アミロイドーシスセンター)
  • 河野 和(熊本大学 大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学)
  • 山本 卓(新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部)
  • 坂井 健二(上越総合病院 神経内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 われわれは令和2~4年度に及ぶ本研究計画で、(1) 病理コンサルテーション体制を中心とするアミロイドーシスの総合的診断体制を運用・発展させること、(2) 改訂診断基準に基づき、令和3年度に予定されている次回難病法改正にあわせ臨床調査個人票を改訂すること、(3) 各病型診療ガイドライン・ケアマニュアルと共に、新規重症度分類を作成すること、(4) 関連学会と連携してAMED難病プラットフォームによるレジストリ研究を実施し、データを用いた疫学研究等を実施すること、(5) 非専門医向けセミナーや患者向けの公開講座等、アミロイドーシスの啓発活動を随時実施することの5項目を目指した。
研究方法
 【項目番号は研究の目的に対応】
 (1)~(4)の各項目は、各年度2回開催する研究班会議、および各WGで随時開催するメール会議で議論・決定した。(5)は研究分担者の安東、植田、関島、鈴木を中心に実施した。
 (1)に関し、個人情報保護には細心の注意を払った。また、オプトアウトにより対象患者に研究不参加の機会を与えた(福井大学医学系研究倫理審査委員会令和4年12月27日Ver.1.8承認)。(4)に関し、京都大学医の倫理審査委員会で中央倫理審査を受審した(令和4年9月12日第8.0版承認)。
結果と考察
【項目番号は研究の目的に対応】
(1) 全国11施設でカスタム抗体を共有し、コンサルテーション体制を運用した。平成30年4月より令和4年11月までの56か月で6166件のコンサルテーションを受け付け、プロテオーム解析と合わせ4778件の病型を確定した。われわれの体制は、全国の新規患者を網羅した悉皆性の高いコンサルテーション体制であると判断できる。(2) 令和元年度、全身性アミロイドーシス改定診断基準を作成し、関連学会の承認を得た後、研究班ホームページに公表した。これを基に作成した『概要、診断基準等』改定案の承認後、『臨床調査個人票』改定案を難病対策課に提出した。来年度、『臨床調査個人票』改定案の承認を得た後、改訂『臨床調査個人票』の運用を開始する予定である。(3) 令和2年度、『腎アミロイドーシスガイドライン2020』を公表し、『JCS 2020 Guideline on Diagnosis and Treatment of Cardiac Amyloidosis』を出版した。(4) 令和2年4月1日より『オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究J-COSSA』を開始した。登録開始以来、ALアミロイドーシス116症例、ATTRvアミロイドーシス135症例、ATTRwtアミロイドーシス1,297症例、計1,548症例の登録を終えた。令和2年度より本研究の一部として、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル処方患者のコホート研究を日本循環器学会と共に実施しており、令和4年12月現在、日本循環器学会認定113施設が参加している。今後、指定難病であるトランスサイレチン型心アミロイドーシス(全身性野生型トランスサイレチンアミロイドーシス)を中心に、悉皆性の高いコホート研究を実施する予定である。(5) 令和2~4年度、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会、松本にて「たんぽぽの会」(FAP患者家族会)、東京にてALアミロイドーシス患者・家族向けセミナーをウェブ・ハイブリッド開催した。令和4年度、AMED連携2課題、たんぽぽの会、道しるべの会と合同で、公開市民講座「トランスサイレチンアミロイドーシス治療と研究の最前線」をウェブ開催した。
結論
 全国11施設でカスタム抗体を共有し、コンサルテーション体制を運用した。運用開始以来4778件の病型を確定した。全身性アミロイドーシス改定診断基準(令和元年度)を基に作成した『概要、診断基準等』改定案の承認後、『臨床調査個人票』改定案を提出した。『腎アミロイドーシスガイドライン2020』を公表し、『JCS 2020 Guideline on Diagnosis and Treatment of Cardiac Amyloidosis』を出版した。『オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究J-COSSA』を推進し、計1,548症例の登録を終えた。また、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル処方患者のコホート研究を日本循環器学会と共に実施した。「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会、「たんぽぽの会」(FAP患者家族会)、ALアミロイドーシス患者・家族向けセミナー、公開市民講座「トランスサイレチンアミロイドーシス治療と研究の最前線」をウェブ・ハイブリッド開催した。

公開日・更新日

公開日
2024-04-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202211014C

収支報告書

文献番号
202211014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,990,000円
(2)補助金確定額
15,990,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,671,324円
人件費・謝金 3,891,888円
旅費 652,660円
その他 3,102,913円
間接経費 3,690,000円
合計 16,008,785円

備考

備考
自己資金 18,784円、その他(利息) 1円を含むため

公開日・更新日

公開日
2024-01-16
更新日
-