文献情報
文献番号
200912012A
報告書区分
総括
研究課題名
半導体などナノ粒子による薬剤・細胞伝達システムの開発
課題番号
H19-ナノ・一般-012
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山本 健二(国立国際医療センター 研究所 国際臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 春巳(国立国際医療センター 研究所 )
- 鈴木 恵子(昭和大学歯学部)
- 狩野 繁之(国立国際医療センター 研究所 )
- 土肥 多惠子(国立国際医療センター 研究所 )
- 斯波 真理子(国立循環器病センター研究所)
- 片岡 一則(東京大学大学院工学系研究科)
- 近藤 昭彦(神戸大学大学院工学研究科)
- 山本 悟(国家公務員共済連合会横浜栄共済病院)
- 落谷 孝広(国立がんセンター研究所)
- 太田 敏博(東京薬科大学)
- 鈴木 和男(千葉大学大学院医学研究院)
- 馬目 佳信(東京慈恵会医科大学総合医科学研究センタ-)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
37,985,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、半導体などのナノ粒子を用いて薬物や遺伝子および細胞の伝達システムの開発を目的にしている。またそれに伴い、半導体などナノ粒子の細胞毒性などの安全性について検討し、人体に安全で安心な半導体ナノ粒子の製造法の開発を行なう。またそれと同時に1桁ナノメートルサイズのナノ粒子であり、量子サイズ効果を有する半導体ナノ粒子(量子ドット)による蛍光プローブとしての生物・医療応用を展開することを含めて検討する。薬剤や遺伝子および細胞伝達システムは、副作用の軽減、治療効果の向上が期待でき、これらを実現することにより、疾病治療に於けるQOLの向上を目指す。
研究方法
2009年度はCOX阻害薬を上記の活性酸素を発さないシリコンナノ粒子に結合させ、薬効と安全性を有し有効性の高い量子ドット医薬を開発した。さらに量子ドットを遺伝子導入ベクターとしての開発を行なった。またシリコンナノ粒子の製造過程によりシリカナノ粒子の副産物が生じることから、その安全性についても検討し、その毒性メカニズムを明らかにした。また、量子ドットによる細胞染色法を用いてマクロファージのマウス生体内動態の解析を行い、新規のAIDS治療薬であるCCR5阻害薬が、骨代謝異常を誘導することを明らかにした。
結果と考察
細胞伝達システムの開発については、現在、破骨細胞に因る顎骨破壊について半導体ナノ粒子を用いて染色された細胞の生体内動態解析による研究を進めた結果CCR1及びCCR5なる2種類のサイトカインが重要な因子であることが判明した。またさらにこの知見により2つの臨床研究が立ち上がった。
また、シリコンナノ粒子とアルミノプロフェン複合体は、もとの薬剤であるアルミノプロフェンと比較して10倍の薬効と10分の1の毒性を有し、リウマチ専門医から提供を求められている。
また、シリコンナノ粒子とアルミノプロフェン複合体は、もとの薬剤であるアルミノプロフェンと比較して10倍の薬効と10分の1の毒性を有し、リウマチ専門医から提供を求められている。
結論
本研究による健康危険情報(CCR5阻害HIV治療薬による骨代謝異常について)は、平成21年11月に報告された。その後マラビロック(CCR5阻害HIV治療薬)による臨床研究が開始された。また先天的下顎頭融解についてCCR5の関与が強く疑われ、その難病の病理が解明されるよう、臨床研究が開始され現在も進行しつつある。しかしながら、この研究費補助金は平成22年3月末日にて終了したため研究の進め方に苦慮している次第である。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-