文献情報
文献番号
202211003A
報告書区分
総括
研究課題名
性分化・性成熟異常を伴う内分泌症候群(プラダーウイリ症候群・ヌーナン症候群を含む)の診療水準向上を目指す調査研究
課題番号
20FC1011
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(国立大学法人浜松医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 川井 正信(大阪母子医療センター 研究所/消化器・内分泌科)
- 村上 信行(獨協医科大学医学部)
- 井原 裕(獨協医科大学医学部)
- 青木 洋子(東北大学 大学院医学系研究科 )
- 鹿島田 健一(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科 発生発達病態学)
- 石井 智弘(慶応義塾大学 医学部)
- 室谷 浩二(地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 内分泌代謝科)
- 堀川 玲子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 内分泌代謝科)
- 高橋 裕(奈良県立医科大学 糖尿病内分泌内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
5,422,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、性分化・性成熟異常を伴う内分泌症候群であるプラダーウイリ症候群 (PWS)(指定難病193)、ヌーナン症候群 (NS) (指定難病195)、ターナー症候群 (TS)、 マッキューンオルブライト症候群 (MAS)、バルデビードル症候群 (BBS)、多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) の医療水準向上である(全て小児慢性特定疾病)。このために、各疾患においてClinical Question (CQ)を設定し、文献検索や本邦の実態把握をもとに推奨レベルを提唱する。
研究方法
クリニカルクエスチョンの設定、システマティックレビューの実施、推奨レベルの検討は、項目を分担して行った。ガイドラインの作成・公開は、日本小児内分泌学会ガイドライン委員会の指針に従って行われた。。なお、下記の研究課題が、浜松医科大学倫理委員会で承認されていることを付記する。プラダーウイリ症候群における診療ガイドラインの作成(浜松医科大学18-119、2018年8月30日承認)。ヌーナン症候群における遺伝子診断と成長ホルモン治療の実態調査(浜松医療センター2021-3-019、2021年8月4日承認)
結果と考察
(1) プラダーウイリ症候群コンセンサスガイドラインの作成と公表:これは本研究班において研究されてきた内容をまとめたものであり、CQ/Qの31項目を網羅するものである。CQ/Qの31項目を網羅し、全53ページからなるガイドラインを完成し、厚生労働省に送付すると共に、2021年10月22日日本小児内分泌学会ホームページから公開した(http://jspe.umin.jp/medical/gui.html)。その後、修正版を、日本小児内分泌学会と日本小児遺伝学会の承認のもと、2022年12月23日日本小児内分泌学会ホームページから公開した
(2) プラダーウイリ症候群における側弯症の重症度分類(案):患者会ら要望の強い側弯症の指定難病基準指定を目指して作成した。まず、担当する研究分担者(村上)が原案を作成し、研究班内において相互チェックを行い、その後、日本側弯症学会の意見を求め、それを基に、修正した。重症基準として、側湾(前・後湾も含む)cobb角50度以上で年間5度以上の悪化を認めるもの、側湾(前・後湾も含む)によりmodified Rankin Scaleで4以上のものとした。
(3) プラダーウイリ症候群移行期医療ガイドおよび移行期に関する課題の抽出:日本小児内分泌学会ホームページに公開された移行期医療ガイドの内容を実施する上での課題を抽出するために、添付のアンケートを日本小児内分泌学評議員を対象として実施し、これに基づいて移行に関するクリニカルパスを作成した。
(4) ヌーナン症候群の診断・治療指針:これは従来の診療ガイドラインを作成した研究分担者(青木)が、現在の研究進捗状況に合わせて診療ガイドラインを修正し、研究班および連携するAMED研究班と共に完成させたものである。
(5) ヌーナン症候群のアンケート調査:これは、保険適応された遺伝学的診断および小児慢性特手疾病となった成長ホルモン治療に関するアンケート調査を、倫理委員会承認、アンケート内容の確認の後、日本小児内分泌学会評議員および日本小児遺伝学会評議員を対象として実施したものである。
(6) ターナー症候群診療ガイドライン作成:重要な性分化疾患としてのターナー症候群に関するCQおよびその回答を作成した。これは、CQ作成、文献解析と着実に進められたものである。
(7) マッキューンオルブライト症候群診療ガイドライン作成:これは担当者(石井)が、昨年検討したCQ59個のCQのうちから、CQを8個選択し、さらに詳細な調査を加えたものである。こrをガイドラインとして公開する予定である。
(8) マッキューンオルブライト症候群指定難病申請:この書類(案)を作成し、学会承認を受けて提出した。今回が3回目であるが、成人患者の把握が不十分ということで不承認となった。。
(9) バルデビードル症候群: 16のCQを設定しており、それに対する推奨・解説を再検討を加えながらまとめた。
(10) 多嚢胞性卵巣症候群価:この疾患の症状は、日本人患者と海外患者でかなり異なることがわかっている(男性化の程度など)。そのため、確実な多嚢胞性卵巣症候群を有する5例において症状を国際ガイドラインで評価したものであり、男性化の程度などで、予測通りに違いが見られた。そのため、本邦女性用のガイドラインを検討中である。
(2) プラダーウイリ症候群における側弯症の重症度分類(案):患者会ら要望の強い側弯症の指定難病基準指定を目指して作成した。まず、担当する研究分担者(村上)が原案を作成し、研究班内において相互チェックを行い、その後、日本側弯症学会の意見を求め、それを基に、修正した。重症基準として、側湾(前・後湾も含む)cobb角50度以上で年間5度以上の悪化を認めるもの、側湾(前・後湾も含む)によりmodified Rankin Scaleで4以上のものとした。
(3) プラダーウイリ症候群移行期医療ガイドおよび移行期に関する課題の抽出:日本小児内分泌学会ホームページに公開された移行期医療ガイドの内容を実施する上での課題を抽出するために、添付のアンケートを日本小児内分泌学評議員を対象として実施し、これに基づいて移行に関するクリニカルパスを作成した。
(4) ヌーナン症候群の診断・治療指針:これは従来の診療ガイドラインを作成した研究分担者(青木)が、現在の研究進捗状況に合わせて診療ガイドラインを修正し、研究班および連携するAMED研究班と共に完成させたものである。
(5) ヌーナン症候群のアンケート調査:これは、保険適応された遺伝学的診断および小児慢性特手疾病となった成長ホルモン治療に関するアンケート調査を、倫理委員会承認、アンケート内容の確認の後、日本小児内分泌学会評議員および日本小児遺伝学会評議員を対象として実施したものである。
(6) ターナー症候群診療ガイドライン作成:重要な性分化疾患としてのターナー症候群に関するCQおよびその回答を作成した。これは、CQ作成、文献解析と着実に進められたものである。
(7) マッキューンオルブライト症候群診療ガイドライン作成:これは担当者(石井)が、昨年検討したCQ59個のCQのうちから、CQを8個選択し、さらに詳細な調査を加えたものである。こrをガイドラインとして公開する予定である。
(8) マッキューンオルブライト症候群指定難病申請:この書類(案)を作成し、学会承認を受けて提出した。今回が3回目であるが、成人患者の把握が不十分ということで不承認となった。。
(9) バルデビードル症候群: 16のCQを設定しており、それに対する推奨・解説を再検討を加えながらまとめた。
(10) 多嚢胞性卵巣症候群価:この疾患の症状は、日本人患者と海外患者でかなり異なることがわかっている(男性化の程度など)。そのため、確実な多嚢胞性卵巣症候群を有する5例において症状を国際ガイドラインで評価したものであり、男性化の程度などで、予測通りに違いが見られた。そのため、本邦女性用のガイドラインを検討中である。
結論
プラダー・ウィリ症候群の診療ガイドライン作成に向けて、トランジション、鑑別診断、患者会アンケートに取り組んだ。また、他の性分化疾患においても同様の検討を行った。
公開日・更新日
公開日
2024-04-02
更新日
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