文献情報
文献番号
202211001A
報告書区分
総括
研究課題名
軟骨炎症性疾患の診断と治療体系の確立
課題番号
20FC1009
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 登(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 花岡 洋成(慶應義塾大学 医学部 リウマチ・膠原病内科)
- 宮村 知也(独立行政法人国立病院機構 九州医療センター)
- 村上 孝作(京都大学大学院医学研究科)
- 東 直人(兵庫医科大学 医学部 内科学 糖尿病内分泌・免疫内科)
- 田中 良哉(産業医科大学 医学部 第1内科学講座)
- 佐藤 正人(東海大学 医学部 外科学系 整形外科学)
- 峯下 昌道(聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科)
- 川畑 仁人(東京大学医学部附属病院 アレルギー・リウマチ内科)
- 仁木 久照(聖マリアンナ医科大学整形外科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
2,010,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
再発性多発軟骨炎(RP)など軟骨炎症性疾患は、希少性ゆえに本邦における疫学臨床情報は不十分であり、診断・治療のための指針も作成されていない。RPでは呼吸器、心血管系、中枢神経系の臓器病変を持つ患者は予後不良であり、診断および治療法の標準化・広報が急務である。
本研究は主に疫学研究を通して、RPに加えてTietze症候群と離断性骨軟骨炎の、軟骨炎症性3疾患における診断・治療のガイドライン作成を第一の目的とする。
本研究は主に疫学研究を通して、RPに加えてTietze症候群と離断性骨軟骨炎の、軟骨炎症性3疾患における診断・治療のガイドライン作成を第一の目的とする。
研究方法
我々は2009年度施行のRP第1回全国疫学調査データの解析を通じて、疫学的に本邦RPでは大きく「気道軟骨炎のある患者群」と「気道軟骨炎のない患者群」に二分され、前者の予後が悪いことが判明した。これらの我々のデータをもとに、10年後の2019年度にRP第2回全国疫学調査を実施し、病態推移の明確化を試みた。
結果と考察
その結果、気道、皮膚、中枢神経の侵襲頻度と死亡率が10年間で有意に減少していた。治療においては、免疫抑制剤と抗体医薬品(特にインフリキシマブ)の使用頻度が、気道軟骨炎のある患者群でのみ有意に上昇していた。これらの医薬品が予後改善に関与している可能性がある。
また、Tietze症候群と離断性骨軟骨炎の全国疫学調査を同時に実施した。それぞれ希少な疾患であることが明らかであったが、一部は重症例であり論文報告することが適当と判断した。
また、Tietze症候群と離断性骨軟骨炎の全国疫学調査を同時に実施した。それぞれ希少な疾患であることが明らかであったが、一部は重症例であり論文報告することが適当と判断した。
結論
これまでの研究によって、本邦RPの病態の概略が明らかとなった。これをもって、本邦におけるRP診断・治療ガイドラインの作成に着手し、2022年5月に草稿作成を完了した。現在、統合レビューを再検するとともに、作成グループ内での討論を実施中である。
公開日・更新日
公開日
2024-04-02
更新日
-