文献情報
文献番号
202210004A
報告書区分
総括
研究課題名
予防・健康づくりに関する大規模実証事業の結果に基づく女性の健康に関わるエビデンス構築に係る研究
課題番号
22FB1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
大須賀 穣(国立大学法人 東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 久野 譜也(筑波大学大学院 人間総合科学研究科)
- 竹原 健二(国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部)
- 近藤 克則(千葉大学 予防医学センター)
- 澤田 亨(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
- 三浦 克之(国立大学法人滋賀医科大学 社会医学講座公衆衛生学部門)
- 山本 精一郎(公立大学法人静岡社会健康医学大学院大学 社会健康医学研究科)
- 山崎 学(PwCコンサルティング合同会社 公共事業部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
10,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
令和2年度より厚生労働省及び経済産業省にて、エビデンス構築のための「予防・健康づくりに関する大規模実証事業」を計13事業実施している。
本研究では、女性の健康の包括的支援を社会実装するための基盤構築を目標に、女性の健康、運動習慣、栄養指導、がん検診、健康まちづくりの5領域において、当該事業で得られた結果や収集したデータについて、専門的な観点からの更なる検証等を加え、全ての領域のエビデンス構築に資する資料の作成を目的とした。
本研究では、女性の健康の包括的支援を社会実装するための基盤構築を目標に、女性の健康、運動習慣、栄養指導、がん検診、健康まちづくりの5領域において、当該事業で得られた結果や収集したデータについて、専門的な観点からの更なる検証等を加え、全ての領域のエビデンス構築に資する資料の作成を目的とした。
研究方法
下記の通り5領域・7テーマを設定して、分担者がそれぞれの分野を担当し、研究を行った。
①「女性の健康(月経困難症・PMS)」に関する検証(大須賀)
②「健康まちづくり(健幸都市見附スタディ)」に関する検証(久野)
③「女性の健康(やせ・低栄養)」に関する検証(竹原)
④「健康まちづくり(ハード・ソフトの環境整備)」に関する検証(近藤)
⑤「標準的な運動プログラム」(澤田)
⑥「栄養指導」に関する検証(三浦)
⑦「受診率向上策」に関する検証(山本)
①「女性の健康(月経困難症・PMS)」に関する検証(大須賀)
②「健康まちづくり(健幸都市見附スタディ)」に関する検証(久野)
③「女性の健康(やせ・低栄養)」に関する検証(竹原)
④「健康まちづくり(ハード・ソフトの環境整備)」に関する検証(近藤)
⑤「標準的な運動プログラム」(澤田)
⑥「栄養指導」に関する検証(三浦)
⑦「受診率向上策」に関する検証(山本)
結果と考察
総括研究報告書、それぞれのテーマの分担研究報告書参照
結論
①健康診断の場や疾患パネルなどを利用し月経困難症とPMSの受診勧奨の効果を検討した。PMS問診票の簡易化に成功した。
②中高齢者における社会的孤立はフレイルリスクを高める可能性が示された。また、社会的孤立の状態にあっても幸福感や生きがいをもつ者はフレイルリスクが低いことが示唆された。
③W事業による歩行環境の整備が周辺住民の身体活動に好ましい影響を与えている可能性が示唆された。
④多施設共同ランダム化比較試験の結果、厚生労
働省が作成した「標準的な運動プログラム」はメタ
ボリックシンドロームのリスクファクターを改善
することが示され、健康増進施設における「標準的
な運動プログラム」は、健康増進施設認定制度の目
的である国民の健康づくり推進に貢献することが
実証された。また、一群前後比較試験については、
実行可能性研究(フィージビリティスタディ)とし
て、運動プログラム介入研究への参加者から医療
費情報を得ることが可能であることが確認された。
また、医療費をアウトカムとした研究においては
マスク化や介入後の追跡期間が課題であることが
明らかとなった。
⑤大規模実証事業および小規模RCTのデータを厚労省より提供を受け、研究開始の準備を行った。本大規模実証事業結果を研究データとして利活用し公表していくため、日本高血圧学会の倫理審査委員会での審査の準備を行ている。
⑥2年半の事業により、全国自治体や健康保険組合に対し、がん検診受診率向上に関する様々なプロジェクトを行い、そのうち、受診率向上施策を実施した地域に対して、データが利用可能な範囲で受診率への影響を調べた。施策によって、受診率が伸びた地域もあれば、あまり伸びなかった地域もあった。これらの施策実施の評価に加え、事業内のその他のプロジェクトの結果をまとめ、「受診率向上施策ハンドブック第3版」を作成した。
②中高齢者における社会的孤立はフレイルリスクを高める可能性が示された。また、社会的孤立の状態にあっても幸福感や生きがいをもつ者はフレイルリスクが低いことが示唆された。
③W事業による歩行環境の整備が周辺住民の身体活動に好ましい影響を与えている可能性が示唆された。
④多施設共同ランダム化比較試験の結果、厚生労
働省が作成した「標準的な運動プログラム」はメタ
ボリックシンドロームのリスクファクターを改善
することが示され、健康増進施設における「標準的
な運動プログラム」は、健康増進施設認定制度の目
的である国民の健康づくり推進に貢献することが
実証された。また、一群前後比較試験については、
実行可能性研究(フィージビリティスタディ)とし
て、運動プログラム介入研究への参加者から医療
費情報を得ることが可能であることが確認された。
また、医療費をアウトカムとした研究においては
マスク化や介入後の追跡期間が課題であることが
明らかとなった。
⑤大規模実証事業および小規模RCTのデータを厚労省より提供を受け、研究開始の準備を行った。本大規模実証事業結果を研究データとして利活用し公表していくため、日本高血圧学会の倫理審査委員会での審査の準備を行ている。
⑥2年半の事業により、全国自治体や健康保険組合に対し、がん検診受診率向上に関する様々なプロジェクトを行い、そのうち、受診率向上施策を実施した地域に対して、データが利用可能な範囲で受診率への影響を調べた。施策によって、受診率が伸びた地域もあれば、あまり伸びなかった地域もあった。これらの施策実施の評価に加え、事業内のその他のプロジェクトの結果をまとめ、「受診率向上施策ハンドブック第3版」を作成した。
公開日・更新日
公開日
2023-08-14
更新日
-