文献情報
文献番号
202209052A
報告書区分
総括
研究課題名
若年女性のやせ形成と健康障害の主要因を抽出するための基礎的研究~文献レビュー、実態調査、生理学的解明における包括的調査~
課題番号
22FA1023
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
緒形 ひとみ(国立大学法人広島大学 大学院 人間社会科学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 清野 健(大阪大学 大学院基礎工学研究科)
- 永井 成美(兵庫県立大学 環境人間学部)
- 能瀬 さやか(小倉 さやか)(ハイパフォーマンススポーツセンター 国立スポーツ科学センター スポーツ医学・研究部 スポーツクリニック)
- 吉村 英一(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部)
- 畑本 陽一(国立健康・栄養研究所 栄養代謝研究部 )
- 木村 桃子(萱場 桃子)(筑波大学 医学医療系保健医療政策学研究室)
- 矢島 克彦(城西大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
10,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
我が国の成人女性のうち、国民健康・栄養調査によると約1割がやせに分類される。偏食や偏った食事によって減量したやせは、さまざまな健康上の課題が生じることが指摘されている。本研究課題では、摂食障害に陥る前段階のやせに焦点を当て、見た目だけを重視したやせ体型の女性が、どのような心理・生理学的な問題を抱えているのかについて明らかにすることを目的とする。
研究方法
以下の5つのテーマに取り組んだ。
(1)若年女性のやせに関する文献レビュー(2つのテーマ)
「若年やせ女性と疾患」、「若年やせ女性が形成される要因」
(2)若年女性の意識、食行動、身体活動の実態把握(インターネット調査)
(3)若年女性のソーシャルネットワーキングサイト(SNS)利用と意識・食行動に関するオンライン調査
(4)学校保健統計調査のデータ解析
(5)生活習慣と体格および月経を含む健康との関係(調査研究)
(1)若年女性のやせに関する文献レビュー(2つのテーマ)
「若年やせ女性と疾患」、「若年やせ女性が形成される要因」
(2)若年女性の意識、食行動、身体活動の実態把握(インターネット調査)
(3)若年女性のソーシャルネットワーキングサイト(SNS)利用と意識・食行動に関するオンライン調査
(4)学校保健統計調査のデータ解析
(5)生活習慣と体格および月経を含む健康との関係(調査研究)
結果と考察
(1)それぞれのテーマについて、日本語および英語でスコーピングレビューを実施した。
やせは、月経・妊娠、耐糖能異常・動脈硬化・高脂血症・循環器疾患、骨、精神面、冷えといった疾患に関することが明らかとなった。
やせは、栄養・食事・運動・睡眠といった生活習慣、生活状況、ボディイメージ、社会的要因、ストレス・人間関係に起因することが明らかとなった。
(2)文献レビューの結果を基に質問項目を精査、また予算との兼ね合いで対象者の回答方法を検討しており、確定次第、倫理委員会の承認を経て、インターネット調査を実施する。
(3)SNSの長時間利用は、若年女性の実体型と理想体型の両方を細くすること、健康な食の情報や食品へのアクセスを悪化させることが示唆された。
(4)学校保健統計調査において取得された5歳から17歳の子ども7,863,520人を含む身長・体重の大規模データを解析し、子どもの痩身傾向の評価基準について検討した結果、従来の体格指数(body mass index: BMI)が子どもの痩身傾向判定に必ずしも適切ではないことを明らかにした。
(5)現在、月経4サイクルにわたる日常生活のモニタリング調査は、やせ体型15名、標準体型17名(うち3名終了)を対象に計測している。得られたデータは、順次解析を進めていく。
やせは、月経・妊娠、耐糖能異常・動脈硬化・高脂血症・循環器疾患、骨、精神面、冷えといった疾患に関することが明らかとなった。
やせは、栄養・食事・運動・睡眠といった生活習慣、生活状況、ボディイメージ、社会的要因、ストレス・人間関係に起因することが明らかとなった。
(2)文献レビューの結果を基に質問項目を精査、また予算との兼ね合いで対象者の回答方法を検討しており、確定次第、倫理委員会の承認を経て、インターネット調査を実施する。
(3)SNSの長時間利用は、若年女性の実体型と理想体型の両方を細くすること、健康な食の情報や食品へのアクセスを悪化させることが示唆された。
(4)学校保健統計調査において取得された5歳から17歳の子ども7,863,520人を含む身長・体重の大規模データを解析し、子どもの痩身傾向の評価基準について検討した結果、従来の体格指数(body mass index: BMI)が子どもの痩身傾向判定に必ずしも適切ではないことを明らかにした。
(5)現在、月経4サイクルにわたる日常生活のモニタリング調査は、やせ体型15名、標準体型17名(うち3名終了)を対象に計測している。得られたデータは、順次解析を進めていく。
結論
(1)やせが疾患に関連する可能性、また基本的な生活習慣がやせの要因になりえる可能性が示唆されているため、早急に対策を練る必要がある。
(3)若年女性のやせ予防には、生活習慣のみならず、SNSの利用にも注意を向ける必要がある。
(4)文部科学省の過去14年分の学校保健統計調査で得られた大規模データの解析に基づき、新たな体格指数を提案し、その基準カットオフ値を推定した。
(3)若年女性のやせ予防には、生活習慣のみならず、SNSの利用にも注意を向ける必要がある。
(4)文部科学省の過去14年分の学校保健統計調査で得られた大規模データの解析に基づき、新たな体格指数を提案し、その基準カットオフ値を推定した。
公開日・更新日
公開日
2024-03-28
更新日
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