受動喫煙防止等のたばこ対策の政策評価に関する研究

文献情報

文献番号
202209032A
報告書区分
総括
研究課題名
受動喫煙防止等のたばこ対策の政策評価に関する研究
課題番号
22FA1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
片野田 耕太(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策研究所 予防検診政策研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 正和(公益社団法人地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター)
  • 田淵 貴大(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター がん対策センター疫学統計部)
  • 姜 英(キョウ エイ)(産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室)
  • 欅田 尚樹(産業医科大学 産業保健学部)
  • 五十嵐 中(横浜市立大学 医学群(健康社会医学ユニット))
  • 岡本 光樹(岡本総合法律事務所)
  • 村木 功(大阪大学大学院 医学系研究科)
  • 萩本 明子(同志社女子大学 看護学部)
  • 廣瀬 園子(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所)
  • 十川 佳代(国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
12,254,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本はたばこ規制枠組み条約(FCTC)に2005年発効時から参加し、2010年のたばこ税増税、2018年の健康増進法改正、2019年の注意文言等見直しなどのたばこ対策を実施してきた。喫煙率は成人、未成年ともに減少を続けている。世界保健機関(WHO)のたばこ対策パッケージ(MPOWER)の2021年報告書では、モニタリングとメディアキャンペーンの2分野で4段階中最高のレベル1、禁煙支援、警告表示、たばこ税の3つの分野でレベル2となっている。一方、受動喫煙防止分野は改正健康増進法の経過措置の影響でレベル3、広告・販売促進規制分野では最も低いレベル4にとどまる。国の目標値「2022年度までに成人喫煙率12%」は実現困難であり、加熱式たばこの使用など新たな課題も生じている。
たばこ対策の推進には、対策の現状、課題、解決策、その導入効果の科学的評価(インパクト評価/アセスメント)が必要である。健康増進法の改正過程でも、「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(いわゆるたばこ白書)がその役割を果たした。たばこ対策のインパクト評価は、FCTC締約国の履行評価としても求められている。国民の健康づくり計画「健康日本21」も第二次の最終評価と第三次にむけた検討が進められており、疾病予防対策全体の中で、これまでのたばこ対策の評価と今後の政策の提案が必要である。本研究は、たばこ対策の各分野の政策導入によるインパクト評価を実施し、日本の生活習慣病予防施策や改正健康増進法の見直しなど、今後の政策形成に役立つ科学的証拠をとりまとめ、実効性のある政策を提言することを目的とする。
研究方法
①たばこ対策に対する意識や政策から受けるインパクトを調べるためのインターネット調査
②受動喫煙防止対策の実施状況を調べるための自治体調査
③受動喫煙防止対策の実施状況を調べるための飲食店調査
④たばこの段階的増税や大幅値上げの影響
⑤包括的たばこ対策の実施による喫煙率および疾病負荷軽減効果の推定
⑥諸外国のハームリダクションに対する見解
⑦受動喫煙防止法制の課題の整理
結果と考察
一般集団を対象としたインターネット調査、自治体調査、飲食店調査などを実施し、たばこ製品の使用状況、禁煙行動、警告表示の影響、改正健康増進法の影響などの分析を行った。自治体、飲食店などの禁煙化が進んだ一方で、改正健康増進法の経過措置や順守状況の問題、加熱式たばこなど従来型たばこ製品以外の流行の問題などが見られた。
結論
日本のたばこ対策の各分野の政策導入によるインパクト評価を実施した。自治体、飲食店などの禁煙化が進んだ一方で、改正健康増進法の経過措置や順守状況の問題、加熱式たばこなど従来型たばこ製品以外の流行の問題などが見られた。今後も国際基準に沿ったたばこ対策を包括的に実施し、その影響を分析していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2023-07-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-07-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202209032Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,930,000円
(2)補助金確定額
15,845,000円
差引額 [(1)-(2)]
85,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,700,547円
人件費・謝金 1,402,974円
旅費 694,244円
その他 4,371,614円
間接経費 3,676,000円
合計 15,845,379円

備考

備考
(2)補助金確定額は、支出合計額の千円以下を切り捨てた金額となるため、差異が生じた

公開日・更新日

公開日
2023-09-22
更新日
2023-09-26