文献情報
文献番号
202209028A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器病に係る急性期から回復期・慢性期へのシームレスな医療提供体制の構築のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
21FA1012
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
宮本 恵宏(国立研究開発法人 国立循環器病研究センター オープンイノベーションセンター)
研究分担者(所属機関)
- 筒井 裕之(九州大学 大学院医学研究院)
- 辻田 賢一(熊本大学 大学院循環器内科学講座)
- 大屋 祐輔(琉球大学 大学院医学研究科)
- 近藤 尚己(京都大学 大学院医学研究科)
- 清水 敦哉(国立長寿医療研究センター 循環器内科部)
- 眞茅 みゆき(北里大学 看護学部)
- 北園 孝成(九州大学 大学院医学研究院)
- 岩間 亨(岐阜大学 大学院医学系研究科)
- 飯原 弘二(国立循環器病研究センター 病院)
- 安保 雅博(東京慈恵会医科大学 医学部)
- 下堂薗 恵(鹿児島大学 医歯学域医学系)
- 角田 賢(錦海リハビリテーション病院)
- 田村 綾子(四国大学 看護学部)
- 木原 康樹(神戸市立医療センター中央市民病院)
- 古川 裕(神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科)
- 山本 展誉(宮崎県立延岡病院 循環器内科(心臓血管センター))
- 中村 太志(熊本大学 病院医療情報経営企画部)
- 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
- 安田 聡(東北大学 大学院医学系研究科)
- 後岡 広太郎(東北大学 大学病院臨床研究推進センター)
- 中山 雅晴(東北大学 医学系研究科)
- 竹川 英宏(獨協医科大学 医学部)
- 岩永 善高(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
- 和田 晋一(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
- 金岡 幸嗣朗(国立循環器病研究センター 情報利用促進部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
7,693,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
循環器病に係る急性期から回復期・慢性期へのシームレスな医療提供体制の構築により、より良い循環器病診療を実現することを目的として、本研究では、全国の循環器病の急性期~慢性期の医療提供体制の実態を調査し、その連携に係る課題点を明らかにするとともに、循環器病患者に最適な医療を含む地域医療・包括ケアの在り方について検討する。アンケート調査による実態調査とリアルワールドデータベースからの実態可視化を基盤として、急性期から回復期の急性期医療とリハビリテーション施行、慢性期の再発予防と介護支援をシームレスにつなぐ医療提供体制構築のための方策の提言を行う。
研究方法
計画された2課題につき前年度から継続して研究を遂行した。課題A「循環器病の急性期から回復期、慢性期へとつながる医療提供体制に対する実態調査と課題の抽出」;脳卒中、心血管疾患それぞれについて、急性期から回復期、慢性期へとつながる医療提供体制についての現状を全国アンケートおよびリアルワールドデータベース等から実態可視化を進め、その課題を取り纏めた。課題B「地域の特性に応じた診療提供体制と地域包括ケアの実態調査と課題の抽出」;地域医療の取り組みおよび地域医療ネットワークの実態調査および文献レビューを行い、現状と課題の整理を行った。さらにこれまでの結果を踏まえ、今年度開始課題C「地域特性にのっとったシームレスな診療提供体制構築および地域包括ケア推進のための方策の提言」の検討・作成を行った。
結果と考察
A. 全国アンケートの分析に加え、大規模リアルワールドデータベースからは、「心大血管リハビリテーション施行に関する現状と課題」および「慢性期・介護支援の現状の調査・解析」を明らかにした。全国アンケートから、脳卒中では、急性期,回復期施設間で地域連携パスへの評価が乖離しており改善の余地が示唆された。また、心血管疾患では、地域連携パスおよび患者教育資料の運用実態は施設間および対象疾患により大きく異なることが明らかになった。JROADやNDBなどのリアルワールドデータベースからは、心大血管リハビリテーション施行に関する現状が明らかになった。健康の社会的決定要因(SDH)に関する施策のレビューからは、現状ではSDHへの対応を促す施策は少なく、今後SDHを踏まえた診療を進める施策が必要と考えられた。
B. 「地域連携実態調査と課題検討」および「地域医療ネットワークの現状と課題」の整理を行った。地域、疾患ごとに様々な課題があることが報告され、地域医療ネットワーク実態調査からは、ネットワーク内での利用施設間における施設連携と職種連携の実態調査を通じ、その改善を図っていく必要性があるとの報告があった。さらには、「文献レビューによる医療連携の際に使用されているツールおよびシステムの調査」を行い課題の抽出を行った。様々な医療・地域連携の形が疾患ごとに行われ、そこでは多様なツールおよびシステムが用いられている現状とそれぞれについての利点および欠点を明らかにした。C. 上記課題に基づいた現状分析、問題抽出をもとに、地域の特性に応じた循環器病のシームレスな診療提供体制構築のための方策提言をまとめた。
B. 「地域連携実態調査と課題検討」および「地域医療ネットワークの現状と課題」の整理を行った。地域、疾患ごとに様々な課題があることが報告され、地域医療ネットワーク実態調査からは、ネットワーク内での利用施設間における施設連携と職種連携の実態調査を通じ、その改善を図っていく必要性があるとの報告があった。さらには、「文献レビューによる医療連携の際に使用されているツールおよびシステムの調査」を行い課題の抽出を行った。様々な医療・地域連携の形が疾患ごとに行われ、そこでは多様なツールおよびシステムが用いられている現状とそれぞれについての利点および欠点を明らかにした。C. 上記課題に基づいた現状分析、問題抽出をもとに、地域の特性に応じた循環器病のシームレスな診療提供体制構築のための方策提言をまとめた。
結論
「シームレスな診療提供体制構築および地域医療・包括ケア推進」のために、以下の6点の方策提言を行った。1.シームレスな医療提供体制連携のための仕組みの構築 2.ICTを用いた医療提供体制連携の円滑化 3.地域における連携を踏まえた活動の促進 4.コミュニケーションツールとして機能評価指標の活用 5.医療提供体制連携に関わる人材と部局の役割の明確化とその確保 6.医療提供体制連携促進に向けた患者・家族に対する教育・広報活動
今後これらの提言を踏まえて、地域を中心としたシステム・ツールを整え、人材育成や教育を通じて連携のための活動を推進していく必要がある。
今後これらの提言を踏まえて、地域を中心としたシステム・ツールを整え、人材育成や教育を通じて連携のための活動を推進していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2023-07-20
更新日
-