急性冠症候群の疾患モデルウサギの開発及びバイオリソースの樹立

文献情報

文献番号
200911013A
報告書区分
総括
研究課題名
急性冠症候群の疾患モデルウサギの開発及びバイオリソースの樹立
課題番号
H20-生物資源・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
塩見 雅志(神戸大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 範  江林(山梨大学 大学院医学工学総合研究部)
  • 北嶋 修司(佐賀大学 総合分析実験センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(生物資源・創薬モデル動物研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,611,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、急性冠症候群誘発条件を設定し、MMP-12遺伝子組換え(Tg)WHHLMIウサギホモ接合体、MMP-1-Tg-, MMP-9 -Tg-WHHLMIウサギヘテロ接合体を開発する。
研究方法
急性冠症候群誘発条件の設定: 麻酔下にWHHLMIウサギに各種血管作動物質及び昇圧剤を投与し、心電図をモニターし、超音波エコーで心筋運動度を評価し、血清心筋虚血マーカーを測定した。
MMP-12-Tg-WHHLMIウサギの開発: 人工授精法および自然交配法を用いて、MMP-12-TgウサギとWHHLMIウサギを交配し、MMP-12-Tg-WHHLMIヘテロ接合体を開発し、MMP-12-Tg-WHHLMIヘテロ接合体とWHHLMIウサギを交配して、MMP-12-Tg-WHHLMIウサギを開発した。また、昨年度開発した遺伝子コンストラクトを用いて、日本白色種ウサギにMMP-1あるいはMMP-9の遺伝子を導入した。MMP遺伝子の導入に関してはサザンブロット法およびウェスタンブロット法で確認した。
結果と考察
血管作動物質等を併用投与することによって30分以上継続する心電図異常と心筋虚血を確認し、WHHLMIウサギはスパスム、不安定狭心症(急性冠症候群の一つ)の優れたモデルになることを確認した。MMP-12-Tg-WHHLMIホモ接合体の開発を進めたが、WHHLMIウサギの精子を用いて人工授精すると産出したMMP-12-Tg-WHHLMIホモ接合体が水頭症様所見を示して死亡し、MMP-12-Tg-WHHLMIホモ接合体の開発が遅延した。しかし、自然交配によって生産が可能となった。また、WHHLMIウサギに他のMMP遺伝子を導入する目的で、MMP-1-Tgウサギ, MMP-9-Tgウサギを開発した。
結論
血管作動物質等をWHHLMIウサギに投与することによって、不安定狭心症のモデル動物を開発できた。また、MMP-12-Tg-WHHLMIウサギを開発した。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-