特定健康診査および特定保健指導における問診項目の妥当性検証と新たな問診項目の開発研究

文献情報

文献番号
202209020A
報告書区分
総括
研究課題名
特定健康診査および特定保健指導における問診項目の妥当性検証と新たな問診項目の開発研究
課題番号
21FA1004
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 田原 康玄(静岡社会健康医学大学院大学 社会健康医学研究科)
  • 陳 和夫(京都大学 大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座)
  • 高橋 由光(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科)
  • 岡村 智教(慶應義塾大学 医学部 衛生学公衆衛生学教室)
  • 三浦 克之(国立大学法人滋賀医科大学 社会医学講座公衆衛生学部門)
  • 三浦 宏子(北海道医療大学 歯学部)
  • 松尾 恵太郎(愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部)
  • 神田 秀幸(岡山大学 学術研究院医歯薬学域)
  • 山岸 良匡(国立大学法人筑波大学 医学医療系)
  • 立石 清一郎(産業医科大学  両立支援科学)
  • 宮地 元彦(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学 基幹研究院)
  • 杉田 由加里(千葉大学 大学院看護学研究院 文化創成看護学研究部門 看護政策・管理学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
3,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者医療確保法において、特定健診・保健指導の実施方法や目標の基本的な事項など、基本的な指針(特定健康診査等基本方針)を定めている。特定健康診査・特定保健指導の第4期(2024‐29年度)に向けて、本課題は特定健診と特定保健指導における問診項目の妥当性検証と新たな問診項目の開発を目的として発足した。
研究方法
系統的レビュー、既存データ解析、合意形成手法、質問紙調査
結果と考察
令和4年度は厚生労働省の第4期特定健診・特定保健指導の内容の検討・システム構築に直接つながる活動を行った。代表研究者・中山は令和3年度に設置された第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会の座長として、全体のとりまとめ役を務めた(検討会は2021年12月9日、2022年4月25日、2022年10月12日、2023年3月29日 の4回開催)。検討会では、本班と本班分担研究者・岡村(本検討会構成員)が代表を務めた「健康診査・保健指導における健診項目等の必要性、妥当性の検証、及び地域における健診実施体制の検討のための研究」「健康診査・保健指導における効果的な実施に資する研究」の成果に基づく検討が行われた。検討会の下に置かれた「健康増進に関する科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキング・グループ」では分担者・岡村が主査、構成員として分担者・杉田、田原(本班副代表研究者)、標準的な健診・保健指導プログラム改定に関するWG(プログラム改定WG)は、分担者・田原が主査、分担者・杉田、協力者・齋藤、平田、システム改修に関するワーキング・グループ(システム改修WG)は代表者・中山が主査を務めた。分担者・杉田を中心に、全国の全市区町村1,741か所の国民健康保険担当課の特定健診・保健指導業務の主担当者1名、計1,741名、協会けんぽ支部47か所の特定健診・保健指導業務の主担当者1名、計47名、健康保険組合連合会の会員である組合健保1,391か所の特定健診・保健指導業務の主担当者1名、計1,391名、合計3,179名に対して、特定健康診査後の保健指導・保健事業に関する自記式の調査を実施した。詳細な質問項目への工夫点として、「主観的であり基準が必要」、「センシティブであり聞き方が難しい」という観点からの意見が出されており、この2つの観点から詳細な質問項目の改変が必要である。特定保健指導の終了率の向上には、健診時あるいは健診後早期に初回保健指導を実施すること、対象者が参加しやすい実施方法や時間帯の工夫、保健指導プロセスに対象者の主体的な参加を促す仕掛けが重要である。65~75歳未満の前期高齢者への動機付け支援とみなした保健指導については、メタボリックシンドローム予防を主とした保健指導の実施に困難感を抱いている実態が明らかとなった。対象者特性を考慮し、フレイル予防とメタボリックシンドローム予防の両面を考慮した保健指導が必要であり、保健指導実施者の力量にゆだねるのではなく、ある程度標準化された問診項目や保健指導プログラムを示していくことが必要である。特定健診にて要医療と判定された者への対応として、保険者や直営あるいは委託方式といった実施方法による違いが明らかとなった。
結論
本課題の成果は、エビデンスに基づく質問票や、その活用のための資料の開発により、特定健診による循環器疾患等のハイリスク者の抽出や、特定保健指導における健康・保健行動の惹起に資することに加え、特定健診・特定保健指導の一体的な運営を促進する契機となる。 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会では、これまでの取り組みに加えて、ICT活用の推進、特定保健指導に関して腹囲2cm・体重2kg減を達成した場合には保健指導の介入量を問わずに特定保健指導終了とする等、成果が出たことを評価する体系へと見直し、すなわちアウトカム評価の導入が決定された。本班の成果、関連する取り組みは、厚生労働省健康局による「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」に反映された。

公開日・更新日

公開日
2023-07-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-07-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202209020Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
5,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,148,565円
人件費・謝金 784,749円
旅費 729,400円
その他 1,184,286円
間接経費 1,153,000円
合計 5,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2023-09-05
更新日
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