適切な睡眠・休養促進に寄与する「新・健康づくりのための睡眠指針」と連動した行動・習慣改善ツール開発及び環境整備

文献情報

文献番号
202209018A
報告書区分
総括
研究課題名
適切な睡眠・休養促進に寄与する「新・健康づくりのための睡眠指針」と連動した行動・習慣改善ツール開発及び環境整備
課題番号
21FA1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
栗山 健一(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 兼板 佳孝(日本大学 医学部 社会医学系公衆衛生学分野)
  • 尾崎 章子(東北大学大学院医学系研究科 保健学専攻 老年・在宅看護学分野)
  • 田中 克俊(北里大学大学院医療系研究科)
  • 佐伯 圭吾(奈良県立医科大学 医学部 疫学・予防医学講座)
  • 三島 和夫(国立大学法人秋田大学 大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系 精神科学講座)
  • 鈴木 正泰(日本大学医学部 精神医学系精神医学分野)
  • 角谷 寛(滋賀医科大学 精神医学講座)
  • 渡辺 範雄(名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学)
  • 岡田 清夏(有竹 清夏)(公立大学法人埼玉県立大学 保健医療福祉学部)
  • 駒田 陽子(東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院)
  • 志村 哲祥(東京医科大学 精神医学分野)
  • 井谷 修(日本大学医学部 社会医学系公衆衛生学分野)
  • 竹島 正浩(秋田大学大学院医学系研究科 精神科学講座)
  • 吉池 卓也(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部)
  • 橋本 英樹(株式会社プロアシスト R&D企画部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
9,780,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
適正な睡眠時間の確保とともに「睡眠休養感」の向上が健康寿命の延伸に貢献することが明らかとなり、「睡眠休養感」の悪化防止・改善に寄与する行動・習慣を明らかにし、国民一人ひとりがこれを確認し、健康増進に役立てるシステム構築が求められている。このために、本研究課題では、個人が使用可能な睡眠健康チェックボックスの開発と、これに基づく次期「健康づくりのための睡眠指針」の改定に資する資料作成を目標とする。
研究方法
令和4年度は前年度に引き続き、既存の疫学データの解析および、先行研究のシステマティックレビュー、ナラティブレビューを実施し、次期「健康づくりのための睡眠指針」およびこれに基づく睡眠健康チェックボックスに格納する、生活習慣・睡眠衛生項目の抽出を進め、これらの最終案の作成を行った。
 同時に、働き盛り世代の健康増進を目指す上では、職場における取組が有効である。このため、労働者を対象とした、睡眠健康チェックと睡眠衛生指導を組み合わせた職域コホート研究を進めることで、働き盛り世代の休養・睡眠健康を増進するための、職場における取組の基本的枠組み(モデル事業)が定まる。さらに、この研究を通じて、ウェアラブルデバイス等を用い、適正な睡眠時間の評価を含めた睡眠状態の客観計測の有用性を検証し、これを用いて各個人が自発的に睡眠健康を定期観察可能とする試みも進めている。
結果と考察
睡眠充足度は睡眠休養感の量的側面を表す指標と考えられるが、若年世代に比べ睡眠休養感が得られやすいとされる高齢者においても、休養感のある睡眠を目指す上で睡眠時間の確保が重要であることが示唆された。さらに、休息・活動(昼夜)のメリハリが保たれるほど主観・客観のいずれでも睡眠充足度が高まり、内因性概日リズムに従って休息・活動リズムを維持することが睡眠充足度を高めることが示唆された。
睡眠休養感は メタボリックシンドローム(MetS) 発症の危険因子であるとともに、肥満、高血圧、糖尿病などの MetS 関連疾患を発症する危険因子でもあった。他方で、睡眠休養感は脂質異常症発症する危険因子ではなかった。
睡眠休養感の予測因子に関するシステマティックレビューの結果から、現時点ではメタアナリシスを実施可能な知見は限られることが示された。単研究結果に留まるが、糖尿病、高血圧、癌、うつ、低ADL、朝の起床困難、日中の疲労、短時間睡眠、自覚的ストレス、自己決定権の無さ、大量飲酒、早食い、就寝前の食事、夜食、朝食抜き、不規則な運動、低運動量、歩く速度が遅いことが、睡眠休養感を低下させる因子となることが示された。
 睡眠健康チェックボックス作成を目的として実施したWebパネル調査の結果から、様々な睡眠習慣、心理・社会的因子、健康行動因子、食習慣、嗜好品摂取状況、習慣行動、就寝環境等が睡眠休養感の悪化・改善に関与していることが示唆された。
 これらの結果は、次期「健康づくりのための睡眠指針」案の作成に利用された。さらに、国民が自身の健康づくりに役立つ睡眠健康チェックボックスの作成に活用された。
結論
 次期「健康づくりのための睡眠指針」案を作成した。さらに、睡眠休養感を向上し、睡眠時間を確保するために必要な生活習慣・睡眠衛生を網羅し、国民の睡眠健康改善に真に寄与する睡眠健康チェックボックスの作成を進めている。
 職域コホート研究を進めることで、働き盛り世代の睡眠健康を増進するための、職場における取組の基本的枠組み(モデル事業)が定まる。さらにこの枠組みを普及・促進する基盤となり、この方策を調査・検証することが可能となる。
 働き盛り世代以外の睡眠健康増進には、睡眠健康チェックボックスの活用が可能であるが、次世代デジタル睡眠観察・評価システム開発への橋渡しとして、睡眠健康チェックボックスに基づくオンラインアプリケーション開発のためのAPI作成を目指している。
 これらがそろうことで、睡眠健康に関する1次予防・2次予防システムの充実が期待でき、睡眠障害検査・診療システムのさらなる充実により、他の生活習慣病と同等の睡眠健康・障害ケアに係る包括システムの構築が可能となり、国民の睡眠健康をシームレスに守ることにつながる。

公開日・更新日

公開日
2023-08-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-08-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202209018Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
12,250,000円
(2)補助金確定額
11,478,000円
差引額 [(1)-(2)]
772,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,237,121円
人件費・謝金 1,284,834円
旅費 180,905円
その他 4,305,820円
間接経費 2,470,000円
合計 11,478,680円

備考

備考
物品や謝金、消費税等で端数が生じたため
「自己資金 680円」

公開日・更新日

公開日
2023-08-30
更新日
-