AYA世代のがん患者に対するスマートフォンによる医療・支援モデル介入効果の検証

文献情報

文献番号
202208039A
報告書区分
総括
研究課題名
AYA世代のがん患者に対するスマートフォンによる医療・支援モデル介入効果の検証
課題番号
21EA1012
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
明智 龍男(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 古川 壽亮(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康増進・行動学分野)
  • 内富 庸介(国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 支持療法開発部門)
  • 前田 尚子(国立病院機構名古屋医療センター小児科)
  • 桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社)
  • 渡邊 知映(昭和大学 保健医療学部)
  • 北野 敦子(聖路加国際大学 聖路加国際病院)
  • 橋本 大哉(名古屋市立大学病院 臨床研究開発支援センター)
  • 平山 貴敏(国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的:今回の研究では、AYA世代の患者に適切な情報とセルフケアのスキルを提供可能とするICTを駆使した新しい多職種支援モデルを開発する。そのために以下の3つの支援要素と新たな臨床試験システムを開発する。1.AYA世代の患者に頻度の高い苦痛をスマフォ上でスクリーニングし、その結果に基づく適切なセルフケア情報提供を可能とするサービスの構築、2.スマフォを用いた問題解決療法の開発、3.SNSを用いた多職種支援サービスの提供体制構築を行い、これらを統合した多職種サービスの実施可能性と予備的有用性を検証する。
研究方法
①苦痛のスクリーニングと情報提供のためのホームページ構築
AYA世代(15-39歳)のがん患者を対象に、国立がん研究センターおよび厚労科研・堀部班でAYA世代がん患者を対象に開発した苦痛のスクリーニングシートをePROとしてスマフォ上に搭載するとともに、国内外のAYAがん情報HPサイトを概観し、対象・主な掲載コンテンツを整理する。
②スマフォを用いた構造化問題解決療法の開発
 我々がすでに開発している『解決アプリ』をAYA世代の視点から文章や内容、構成を再検討し、AYA世代に適した形に改良する。
③SNSを用いた多職種支援サービス提供体制の構築)
④患者が来院せずに臨床試験に参加できる分散型臨床試験(Decentrallized clinical trial)システムの開発・構築
結果と考察
①苦痛のスクリーニングと情報提供のためのホームページ構築
①AYA世代の患者に頻度の高いアンメットニーズおよび苦痛をスクリーニングする仕組みをスマフォ上にePROとして実装した。加えて、AYAに関する情報提供サイトがすでにいくつか存在することが判明した一方、個々の患者のアンメットニーズに対して網羅された情報サイトが不足していることが明らかになったため、リンクを張ることにより情報ニードに応じてそれらサイトに移動する仕組みを構築するとともに、既存のサイトで不十分な情報に関しては新たに情報提供できるようなホームページを構築した。
②スマフォを用いた構造化問題解決療法の開発
特に大きな改良が必須である点はみられておらず、現行のものをそのまま使用することとなった。
③SNSを用いた多職種支援サービス提供体制の構築)
具体的な支援方法としては、『解決アプリ』の実施支援者として、精神科医、公認心理士、看護師などが関与し、このやりとりを通して、自然な形で多職種サポートを提供する予定となった。
④患者が来院せずに臨床試験に参加できる分散型臨床試験(Decentrallized clinical trial)システムの開発・構築
我々が開発した、患者リクルート、インフォームド・コンセント、患者報告アウトカム等をすべてICTを介して行い、データを集積管理するシステム(decentralized clinical trial)を本研究に即した形に改良する作業を行った。
⑤開発した多職種サービスの実施可能性と予備的有用性を検証
令和4年12月から実施可能性および予備的有用性を検討するための予備試験を開始し、本研究終了時点までに9名のエントリーを得た。
結論
将来的には、本研究で構築されたAYA世代の患者に適した多職種支援モデルの有効性を多施設臨床試験にて検証する予定である。

公開日・更新日

公開日
2023-07-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-07-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202208039B
報告書区分
総合
研究課題名
AYA世代のがん患者に対するスマートフォンによる医療・支援モデル介入効果の検証
課題番号
21EA1012
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
明智 龍男(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 古川 壽亮(国立大学法人京都大学 大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康増進・行動学分野)
  • 内富 庸介(国立研究開発法人 国立がん研究センター 中央病院 支持療法開発部門)
  • 前田 尚子(国立病院機構名古屋医療センター小児科)
  • 桜井 なおみ(キャンサー・ソリューションズ株式会社)
  • 渡邊 知映(昭和大学 保健医療学部)
  • 北野 敦子(聖路加国際大学 聖路加国際病院)
  • 橋本 大哉(名古屋市立大学病院 臨床研究開発支援センター)
  • 平山 貴敏(国立がん研究センター中央病院 精神腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的:今回の研究では、AYA世代の患者に適切な情報とセルフケアのスキルを提供可能とするICTを駆使した新しい多職種支援モデルを開発する。そのために以下の3つの支援要素と新たな臨床試験システムを開発する。1.AYA世代の患者に頻度の高い苦痛をスマフォ上でスクリーニングし、その結果に基づく適切なセルフケア情報提供を可能とするサービスの構築、2.スマフォを用いた問題解決療法の開発、3.SNSを用いた多職種支援サービスの提供体制構築を行い(以上R3年度-R4年9月)、これらを統合した多職種サービスの実施可能性と予備的有用性を検証する。
研究方法
①苦痛のスクリーニングと情報提供のためのホームページ構築
苦痛のスクリーニングシートをePROとしてスマフォ上に搭載した。
②スマフォを用いた構造化問題解決療法の開発
 我々がすでに開発している『解決アプリ』をAYA世代の視点から文章や内容、構成を再検討し、AYA世代に適した形に改良する。
③SNSを用いた多職種支援サービス提供体制の構築)
SNSを用いて、患者から寄せられる疑問や課題に応える多職種でサポートする仕組みを構築するための多職種スタッフでの話し合いを行う。
④患者が来院せずに臨床試験に参加できる分散型臨床試験(Decentrallized clinical trial)システムの開発・構築
結果と考察
① 苦痛のスクリーニングと情報提供のためのホームページ構築
①-1. AYA世代の患者に頻度の高いアンメットニーズおよび苦痛をスクリーニングする仕組みをスマフォ上にePROとして実装した。
① -2.スクリーニング結果に基づく適切なセルフケア情報提供を可能とするサービスをホームページ上で構築する
 AYAに関する情報提供サイトがすでにいくつか存在することが判明した一方、個々の患者のアンメットニーズに対して網羅された情報サイトが不足していることが明らかになったため、リンクを張ることにより情報ニードに応じてそれらサイトに移動する仕組みを構築するとともに、既存のサイトで不十分な情報に関しては新たに情報提供できるようなホームページを構築した。
②スマフォを用いた構造化問題解決療法の開発
② -1. 特に大きな改良が必須である点はみられておらず、現行のものをそのまま使用することとなった
③SNSを用いた多職種支援サービス提供体制の構築)
③-1.SNSを用いて、患者から寄せられる疑問や課題に応える多職種でサポートする仕組みを構築する
具体的な支援方法としては、『解決アプリ』の実施支援者として、精神科医、公認心理士、看護師などが関与し、このやりとりを通して、自然な形で多職種サポートを提供する予定となった。
④患者が来院せずに臨床試験に参加できる分散型臨床試験(Decentrallized clinical trial)システムの開発・構築
我々が開発した、患者リクルート、インフォームド・コンセント、患者報告アウトカム等をすべてICTを介して行い、データを集積管理するシステム(decentralized clinical trial)を本研究に即した形に改良する作業を行った。
⑤開発した多職種サービスの実施可能性と予備的有用性を検証
令和4年12月から実施可能性および予備的有用性を検討するための予備試験を開始し、本研究終了時点までに9名のエントリーを得た。
結論
将来的には、本研究で構築されたAYA世代の患者に適した多職種支援モデルの有効性を多施設臨床試験にて検証する予定である。

公開日・更新日

公開日
2023-07-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-07-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202208039C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本介入の有用性がより良質なデザインで有効性が示されれば、がんに罹患しても生活の質を維持・向上することが可能となる。これらは第3期がん対策基本計画におけるAYAに対する情報提供、支援体制の整備の一助となる。又、小児がん拠点病院等の指定要件の見直しに関する報告書で指摘されている相談支援体制に関する問題の解決にも寄与する。本研究で得られた知見をもとに2024年6月から多施設ランダム化比較試験を実施予定となった。
臨床的観点からの成果
医療機関へのアクセスが困難な患者に適切な医療を提供する体制整備の一助にもなりうる。
ガイドライン等の開発
本結果が多施設ランダム化比較試験など良質な研究デザインで検証されることでガイドライン等への掲載が期待される。
その他行政的観点からの成果
AYAは、インターネットなどに高い親和性を有し、新技術を応用した介入への期待も高いため、本介入は、さまざまな領域の革新的な技術に発展する可能性を有する。
その他のインパクト
今回の研究は、ICTに親しんだAYAに対してスマフォユーザーであればワンアクセスで様々な支援を提供可能とする医療技術開発の端緒となり、ひいては人口減少社会における様々な課題解決の一助となりうる。また、本複合介入の中心は心理社会的サポートであるため、もっとも深刻な問題であるAYAにおける自殺対策にも資することが期待される。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-07-04
更新日
2024-05-23

収支報告書

文献番号
202208039Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,370,000円
(2)補助金確定額
6,370,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,002,499円
人件費・謝金 520,883円
旅費 86,960円
その他 3,299,032円
間接経費 1,470,000円
合計 6,379,374円

備考

備考
自己充当として9,374円あり

公開日・更新日

公開日
2024-05-23
更新日
-