文献情報
文献番号
200908015A
報告書区分
総括
研究課題名
人工ガンマグロブリンの製剤化への安全性と臨床試験にむけた評価系の確立
課題番号
H21-政策創薬・一般-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 和男(千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
- 亀岡 洋祐((独)医薬基盤研究所 生物資源研究部)
- 大野 尚仁(東京薬科大学 薬学部)
- 高橋 啓(東邦大学医療センター 大橋病院)
- 荒谷 康昭(横浜市立大学 大学院生命ナノシステム科学研究科)
- 宇野 賀津子((財)ルイ・パストゥール医学研究センター)
- 野島 博(大阪大学 微生物病研究所)
- 平橋 淳一(東京大学医学部付属病院 腎臓内分泌内科)
- 長尾 朋和(千葉大学 大学院医学研究院)
- 山本 健二(国立国際医療センター研究所)
- 武曾 惠理((財)田附興風会医学研究所 北野病院)
- 佐地 勉(東邦大学医療センター 大森病院)
- 相澤 義房(新潟大学 大学院医歯学総合研究科)
- 小林 茂人(順天堂大学附属順天堂越谷病院)
- 今井 圓裕(名古屋大学 大学院医学系研究科)
- 湯村 和子(自治医科大学 腎臓内科)
- 山縣 邦弘(筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
- 有村 義宏(杏林大学 医学部)
- 藤元 昭一(宮崎大学 医学部)
- 布井 博幸(宮崎大学 医学部)
- 河内 正治(国立国際医療センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
33,260,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
重症感染症や川崎病の治療に使用されている大量免疫グロブリン治療法は、本年1月に血管炎Churg-Strauss症候群への適応拡大されるなど、需要が増加すると共に免疫グロブリン製剤の安全性や医療経済の点から、人工化することが今日的急務である。本研究では、人工免疫グロブリンの産生とその力価判定法を目的とした。
研究方法
1.基礎分科会=1)人工ガンマグロブリンの塩基配列解析から有効クローン選択と精製。2)in vitro評価系の開発:固相化免疫グロブリン製剤のヒト末梢血細胞への作用解析、IFN-α産生能、pDC数および血中IFN-α, βの測定。3)モデルマウスでの評価:CAWS誘導冠状動脈炎=MPO-ANCA値、サイトカイン・ケモカインでの評価。4)新たな評価系と発症機構:フリーヘムによる自然炎症、多段差引法・DNAマイクロアレイ解析、食細胞機能異常。
2.臨床分科会=1)臨床試験にむけたIVIg治療に関する研究:MPO-ANCA陽性血管炎へのIVIgによる急性期治療の可能性、急性期川崎病血管炎での心筋ストレスマーカー- BNP/NTproBNP値、肺胞出血をきたしたANCA関連血管炎の寛解導入療法中の急性心不全に対するIVIg療法の有用性、MPO-ANCA関連血管炎に対する低用量免疫グロブリン静注療法、MPO-ANCA陽性Churg-Strauss症候群の臨床的検討。2) 臨床研究および疫学。3)安定性と毒性試験:安定性、毒性試験。4)国際評価関連―新基準に関する国際会議。
2.臨床分科会=1)臨床試験にむけたIVIg治療に関する研究:MPO-ANCA陽性血管炎へのIVIgによる急性期治療の可能性、急性期川崎病血管炎での心筋ストレスマーカー- BNP/NTproBNP値、肺胞出血をきたしたANCA関連血管炎の寛解導入療法中の急性心不全に対するIVIg療法の有用性、MPO-ANCA関連血管炎に対する低用量免疫グロブリン静注療法、MPO-ANCA陽性Churg-Strauss症候群の臨床的検討。2) 臨床研究および疫学。3)安定性と毒性試験:安定性、毒性試験。4)国際評価関連―新基準に関する国際会議。
結果と考察
1)ヒト型の臨床試験に向けてプロトタイプクローンの構成の絞り込と大量生産を試みた。2)モデルマウスによる力価判定法を検討した。3)体外診断法開発の検討:免疫系と血管内皮細胞の機能を測定した。4)臨床治験をみすえた臨床研究:血管炎の治療成績の新知見と人工免疫グロブリンの治験準備、安全性向上の動物実験の評価と治療法のアドバイス。以上より、ヒト型人工免疫グロブリンのクローンの構成の絞り込みと大量生産の試み、in vivoとin vitroの評価法ができた。IVIg治療の効果判定に選択したパラメーターは、運営委員として新基準策定に加わった国際評価会(ACR/EULAR)でとりあげられた。
結論
人工化免疫グロブリンのプロトタイプクローンの絞り込みと精製、モデルマウスおよび免疫系と血管内皮細胞を使ったin vitroでの体外評価法がほぼ出来上り、臨床治験をみすえた基礎と臨床とのチームワークによる評価法がほぼ整った。国際評価会議の運営委員として新基準策定に加わった。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-