文献情報
文献番号
200908011A
報告書区分
総括
研究課題名
人工赤血球のICU使用を目的とした最適化およびME技術の改良
課題番号
H20-政策創薬・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
武田 純三(慶應義塾大学医学部麻酔科)
研究分担者(所属機関)
- 泉 陽太郎(慶應義塾大学医学部)
- 小松 晃之(早稲田大学理工学研究科)
- 冨田 裕(慶應義塾大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では複数の専門科が関与しながらも原疾患に関らず様々な合併症を有する症例が集まる集中治療室(Intensive Care Unit: ICU)において、人工赤血球、Hb小胞体の臨床応用を想定した際に不可欠と考えられる基礎的実験を継続した。
研究方法
①ウサギにおける(ventilator induced lung injury: VILI)モデルに人工赤血球、Hb小胞体の投与を行いその肺機能への影響を検討した。
②マウスを用い、Systemic Inflammatory Response Syndrome (SIRS)状態の簡便な評価方法を探索した。
③積分球式反射型パルスオキシメータの有用性と蘇生液投与法の改善につき検討した。
④middle cerebral artery; MCA)と(anterior cerebral artery) ACA間に形成される細動脈吻合(arteriolo-arteriolar anastomose; AAA)の挙動と血流動態、血管新生の様子を検討することによって微小循環動態を明らかにすることを目的とした。また、その際の人工赤血球の投与による影響を検討した。さらに、これまでラットにおいて確立してきた高速度カメラ共焦点レーザー顕微鏡およびKEIO-IS2を用いた赤血球速度測定法をマウスにも応用するため、ラットと同様にマウスの赤血球速度を測定して、種差があるか否かを検討した。
②マウスを用い、Systemic Inflammatory Response Syndrome (SIRS)状態の簡便な評価方法を探索した。
③積分球式反射型パルスオキシメータの有用性と蘇生液投与法の改善につき検討した。
④middle cerebral artery; MCA)と(anterior cerebral artery) ACA間に形成される細動脈吻合(arteriolo-arteriolar anastomose; AAA)の挙動と血流動態、血管新生の様子を検討することによって微小循環動態を明らかにすることを目的とした。また、その際の人工赤血球の投与による影響を検討した。さらに、これまでラットにおいて確立してきた高速度カメラ共焦点レーザー顕微鏡およびKEIO-IS2を用いた赤血球速度測定法をマウスにも応用するため、ラットと同様にマウスの赤血球速度を測定して、種差があるか否かを検討した。
結果と考察
①生理食塩水分散液では循環動態を維持できない交換率60%を5%アルブミン分散液を使用することにより実験し、人工赤血球使用量を増加させ、5%アルブミン分散液を中心に検討を行った。検討した交換率ではHb小胞体投与のVILIへの悪影響は明らかではなく、さらに5%アルブミン分散液に比べVILIを軽減する可能性が示唆された。
②腸間膜リンパ節に比べ肺の組織学的変化はより顕著であり、評価方法として有用である可能性が示唆された。
③積分球式反射型パルスオキシメータの利用は、今後 精度高い測定を可能にする有効な手段になると期待された。また、先ず蘇生液として晶質液を投与し、経過を見ながらHb小胞体を投与する蘇生法が障害を低減させるために有効であることを示唆する結果を得た。
④AAAが、正常状態時および脳虚血時の側副血行路そして再血管構築の進展における、局所の血行動態のホメオスタシスに重要な役割を果たしていると考えられた。
②腸間膜リンパ節に比べ肺の組織学的変化はより顕著であり、評価方法として有用である可能性が示唆された。
③積分球式反射型パルスオキシメータの利用は、今後 精度高い測定を可能にする有効な手段になると期待された。また、先ず蘇生液として晶質液を投与し、経過を見ながらHb小胞体を投与する蘇生法が障害を低減させるために有効であることを示唆する結果を得た。
④AAAが、正常状態時および脳虚血時の側副血行路そして再血管構築の進展における、局所の血行動態のホメオスタシスに重要な役割を果たしていると考えられた。
結論
ICUにおける人工赤血球使用に必要な幾つかの基礎的知見が得られた。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-