文献情報
文献番号
202206036A
報告書区分
総括
研究課題名
非ヒト霊長類の動物実験代替法に関する国内外の動向調査および開発に向けた基礎情報の取得に資する研究
課題番号
22CA2036
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
足利 太可雄(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター安全性予測評価部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
5,464,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
概要版(繰越課題)
カニクイザル、アカゲザル等の非ヒト霊長類(NHP:non-human primates)は、医薬品開発における有効性、安全性等の評価において重要な役割を果たしており、国内で必要なNHPの多くは海外からの輸入に依存しているが、パンデミック以降、ワクチン等の開発におけるNHPの需要が急増するとともに、これまで主要な輸出国であった中国が輸出を停止したこと等により、現在、世界的にNHPの供給不足と価格高騰が生じている。また、近年一部の医薬品開発において、NHPの中でも小型で繁殖が容易なコモンマーモセットを用いた非臨床試験が行われつつあるが、実験動物としての適格性に関する基礎情報は限られている。
本件課題に対応するためには、NHPの安定供給を図るとともに、NHPに代わる試験法の開発や、必要な頭数の節減、NHPの中でも繁殖が比較的容易な種への置き換え等が考えられるが、現時点で具体的な対応方針は定まっていない。そこで本研究では、NHPに関する調査・研究を通じて本件課題の実態や国際的な動向を明らかにするとともに、我が国で必要な対応の方向性について提案することを目的とした。
NHPに関する調査については、アメリカ第62回SOT (Society of Toxicology)年次総会における関連演題の調査を行った。その結果、NHP関連演題の多くが使用数の削減や他の代替動物への置換あるいは倫理面からの実験条件の改良であることが明らかとなった。さらにCOVID-19動物モデルについて文献調査を行った。その結果、日本では検討されていない/検討することができない動物種を用いた感染動物モデルに関する報告が確認され、NHPの動物実験代替法を検討する上で、実験動物種としての動物種を増やすことが有用と考えられた。関連団体における供給状況及び対応の実態調査については、日本製薬工業協会、一般社団法人日本安全性試験受託研究機関協議会、独立行政法人医薬品医療機器総合機構および日本実験動物学会との対面調査により、上記団体が連携して、承認申請におけるサル試験の有用性の調査、日本国内のサル供給体制に関する調査が進んでいることが明らかになった。代替動物としてのコモンマーモセットを用いた安全性評価検討については、2〜6歳の雄性コモンマーモセットを用いたシクロスポリンおよびKLH投与試験を実施した。高濃度のシクロスポリンに起因した免疫抑制作用により死亡例がみられたが、今後詳細なデータを解析することにより、コモンマーモセットの有用性に関する有用な知見が得られると考えられる。
今後NHPに関する調査とモンマーモセットを用いた安全性評価を継続して知見を蓄積することで、本件課題の実態や国際的な動向を明らかにするとともに、我が国で必要な対応の方向性について提案する予定である。
本件課題に対応するためには、NHPの安定供給を図るとともに、NHPに代わる試験法の開発や、必要な頭数の節減、NHPの中でも繁殖が比較的容易な種への置き換え等が考えられるが、現時点で具体的な対応方針は定まっていない。そこで本研究では、NHPに関する調査・研究を通じて本件課題の実態や国際的な動向を明らかにするとともに、我が国で必要な対応の方向性について提案することを目的とした。
NHPに関する調査については、アメリカ第62回SOT (Society of Toxicology)年次総会における関連演題の調査を行った。その結果、NHP関連演題の多くが使用数の削減や他の代替動物への置換あるいは倫理面からの実験条件の改良であることが明らかとなった。さらにCOVID-19動物モデルについて文献調査を行った。その結果、日本では検討されていない/検討することができない動物種を用いた感染動物モデルに関する報告が確認され、NHPの動物実験代替法を検討する上で、実験動物種としての動物種を増やすことが有用と考えられた。関連団体における供給状況及び対応の実態調査については、日本製薬工業協会、一般社団法人日本安全性試験受託研究機関協議会、独立行政法人医薬品医療機器総合機構および日本実験動物学会との対面調査により、上記団体が連携して、承認申請におけるサル試験の有用性の調査、日本国内のサル供給体制に関する調査が進んでいることが明らかになった。代替動物としてのコモンマーモセットを用いた安全性評価検討については、2〜6歳の雄性コモンマーモセットを用いたシクロスポリンおよびKLH投与試験を実施した。高濃度のシクロスポリンに起因した免疫抑制作用により死亡例がみられたが、今後詳細なデータを解析することにより、コモンマーモセットの有用性に関する有用な知見が得られると考えられる。
今後NHPに関する調査とモンマーモセットを用いた安全性評価を継続して知見を蓄積することで、本件課題の実態や国際的な動向を明らかにするとともに、我が国で必要な対応の方向性について提案する予定である。
公開日・更新日
公開日
2024-06-17
更新日
-