リフィル処方箋に係る薬局薬剤師による処方医へのより有効な情報提供等に関する手引きの作成についての調査研究

文献情報

文献番号
202206034A
報告書区分
総括
研究課題名
リフィル処方箋に係る薬局薬剤師による処方医へのより有効な情報提供等に関する手引きの作成についての調査研究
課題番号
22CA2034
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
今井 博久(帝京大学 大学院公衆衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
5,624,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
患者が全国のどの地域のどの薬局を選択した場合でも、安全安心な薬物治療を受けることができるようにリフィル制度を運営するための方法論を開発することである。すなわち、リフィル処方箋応需で患者の服薬状況や心身状態を適切に評価し継続的に薬物治療が可能であるか等を判断するプロセス、リフィル処方箋を発行した医師とそれを応需した薬局の薬剤師が的確に情報共有する方法、薬局薬剤師から処方医への情報提供や患者への受診勧奨等を適切に実施できるようにする方法などを明らかにすることである。
研究方法
主に3つの研究調査を実施した。ひとつには全国規模によるリフィル処方箋応需における実態調査である。もうひとつにはその全国調査の結果を踏まえて帰納法的に評価方法や情報共有の方法の開発である。更に、わが国と医療制度が根本的に異なるが、リフィル制度運営で70年以上の歴史を有している米国のリフィル制度について現地調査を行い、わが国の方法論の開発に資する知見を探索した。
結果と考察
(1)全国規模のリフィル実態調査
リフィル処方箋応需における全国調査を実施することで、患者の安全性を確保し医師と薬剤師が円滑に連携しながら効率よくリフィル制度を運営するための方法論に向けた幾つかの有意義な知見が得られた。
(2)リフィル処方箋による薬剤交付時の「患者評価」と「処方医への報告」の方法論の開発
リフィル処方箋の多い薬剤に関する評価シート、フォローアップ報告書、リーフレットを作成し安全性確保への方法論を開発した。これにより全国の何れの薬局薬剤師においてもスタンダードな患者の評価が可能となり、フォローアップ報告書で処方医と円滑な連携ができるだろう。
(3)米国のリフィル制度の現地調査
米国には「リーフレットで説明したので、何かあればあなた(患者)から申し出なさい」から示唆されているように、医療における「自己責任」という考え方や文化がある。わが国でリフィル制度が開始されたばかりで米国流の運用方法では安全性は担保できないだろう。しかしながら、この初回のリーフレットでの説明はわが国でも採用することが期待される。わが国の医療制度、医療文化、安全性確保への積極的な関与などから日本流の運用方法が必要不可欠と考えられた。
結論
わが国で初めて制度として導入されたリフィル処方箋制度における処方箋応需状況と患者対応などの実態を全国規模の調査で把握するとともに、リフィル処方箋を応需した薬局薬剤師において患者の安全安心な薬物治療実施のための方法および医療機関と連携するに当たり処方医への適切な情報提供がなされる手法等に係る留意点等を検討し、薬局薬剤師における手引書となる位置づけとしての具体的な方法論の確立を行った。

公開日・更新日

公開日
2023-07-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-07-25
更新日
2023-10-06

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202206034C

収支報告書

文献番号
202206034Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,311,000円
(2)補助金確定額
7,311,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,307,863円
人件費・謝金 944,700円
旅費 1,891,437円
その他 1,480,000円
間接経費 1,687,000円
合計 7,311,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-07-25
更新日
-