文献情報
文献番号
202203018A
報告書区分
総括
研究課題名
ナショナルデータベースや介護保険総合データベース等を活用した医療・介護特性を総合的に捉えたAIプロトタイプの開発と分析結果を根拠とした医療介護特性別の最適介入
課題番号
22AC1005
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
福井 小紀子(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 廣岡 佳代(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科)
- 岡田 就将(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 浜野 淳(筑波大学 医学医療系)
- 高橋 邦彦(東京医科歯科大学 M&Dデータ科学センター )
- 佐藤 一樹(名古屋大学 大学院医学系研究科総合保健学専攻)
- 菅野 雄介(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
11,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究課題は、病院・施設・在宅という場を超えたケアの質の担保、及び、医療経済的観点を統合した住民個々への医療介護資源の効率的な再分配、健康・医療分野における行政政策に資する科学的根拠の創出を目指し、医療と介護特性を総合的に考慮したAI(artifical intelligence)のプロトタイプを活用した国等が保有する公的データの有用性の検証と課題を明確化することである。今年度は、以下3点、①AIプロトタイプ開発に向けた臨床疑問の立案、②予測モデルの解析に必要な解析計画書の作成、③NDB、及び、介護DBの利用申請と研究倫理審査の申請を目的とした。
研究方法
本研究では、予後予測等のためのAI分析手法を開発することが求められる。それに向け、NDBと介護DBの利用申出書を作成し、審査に向けた利用申請を行う。NDBと介護DBの利用申請に向け、がん、在宅医療などを専門とする分担研究者メンバーの臨床研究疑問のアイデアの検討と議論にあわせ、先行研究のレビューから得られた知見をもとに、予後予測等に必要となるAI分析(機械学習)に使用する変数を抽出する。また、予測モデルを作るうえで、予測精度を上げるべく先行研究のレビューにより、統計解析研究計画の精緻化を行うこととした。
結果と考察
本年度は、本研究課題の交付申請書に記載した研究計画に基づき、医療と介護特性を総合的に考慮したAIのプロトタイプを開発するために、医療や介護現場で臨床や研究を専門とする分担研究者と協議を重ね、臨床研究疑問18個を立案した。また、NDB及び介護DBに精通する研究機関(一般社団法人臨床疫学研究推進機構)とNDB及び介護DBの各データの特性、及び、限界を検討し、データ項目の選定に必要となる、がんや認知症などの主要疾患の予測モデルの解析に必要な解析計画書を作成した。さらに、NDB及び介護DBの利用申請に向けて、利用申出書を作成し申請し、また、研究代表者の研究倫理審査委員会に計画書を提出し承認を得た。
結論
NDB及び介護DBの利用申請後、利用可能となるまで約1年間の時間を要する。次年度は、データ利用が可能となる期間はAIプロトタイプ開発に向けた統計解析計画書の精緻化を進める予定である。NDBと介護DBの利用提供が開始され次第、データベースの連結を行い、AI分析用データセットを作成する。生存率や再入院等をアウトカム指標とした予後予測等のAI分析をすることで、予後予測精度の検証や、公的データの横断的な活用可能性や有用性を検証することが求められる。
公開日・更新日
公開日
2023-06-13
更新日
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