文献情報
文献番号
200905007A
報告書区分
総括
研究課題名
初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究
課題番号
H21-特別・指定-008
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
桐野 高明(国立国際医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 大滝 純司(東京医科大学医学教育学)
- 小川 彰(岩手医科大学)
- 北村 聖(東京大学医学教育国際協力研究センター)
- 齋藤 宣彦(日本歯科大学附属病院内科)
- 西澤 寛俊(特別医療法人恵和会西岡病院)
- 福井 次矢(聖路加国際病院)
- 山下 英俊(山形大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医師臨床研修制度について、省令に基づく5年毎の見直しや年度毎の検証を行うための基礎資料、すなわち客観的根拠や制度改善のためのたたき台を提供し、評価を含む制度のあり方について提言することを目的とする。
研究方法
平成21年9月より22年3月に班会議を計5回開催し、参考人からの情報提供を受けつつ、平成21年の臨床研修制度見直しの考え方も踏まえて、今後の臨床研修制度に対する評価のあり方を検討する。評価の対象を、1.研修医、2.研修プログラム(研修病院)、3.研修制度それ自体、の3つに分け、現行制度の基本理念の枠内で評価のあり方を検討する。また、上記の方針に沿い、年度内に実施可能な予備調査や分析等について検討する。
結果と考察
1.研修医の到達目標達成度評価として、(1)研修到達目標の達成度の評価方法の実態把握、(2)研修医の基本的診療能力(知識、技術、態度)に関する自己評価、(3)「臨床研修の到達目標」の設定に関する調査、(4)オンライン卒後臨床研修評価システム(EPOC)の活用、2.研修プログラム(研修病院)の評価として、(1)臨床研修プログラム(または臨床研修を行う病院)の認証制度と第三者評価、(2)基幹型臨床研修病院の指定基準における病床規模または年間入院患者数の取扱い、3.制度それ自体に対する評価(地域医療への影響を含む)について、(1)初期臨床研修医の全国定員及び都道府県別定員上限の是非とその根拠となる指標、(2)地域医療計画と医師人材育成との連携に対する評価のあり方、(3)医師の地域別、専門分野別分布が明確となるような人材データベースの構築、(4)初期臨床研修制度以外にも複合的な要因が関与している問題の評価、等が挙げられた。以上について、研究班としての効率的な評価体制を構築するため、プログラム責任者等へのメール網整備、全国1059カ所の基幹型臨床研修病院および大学病院に関する地図情報システムの基盤整備を行ったが、評価すべき項目の選択肢が多岐に渡ったため、優先順位の設定が重要と考えられた。
結論
初期臨床研修のあり方を検討するため、評価の対象を3つに分け、評価項目の抽出を行うとともに調査体制の整備を行った。平成22年度の継続研究では、優先度の高い評価項目について、医療政策全体の動向を踏まえつつ、臨床研修制度の評価・改善に向けての根拠の提示が可能となるよう、基礎データの収集および解析を行うべきである。
公開日・更新日
公開日
2010-06-18
更新日
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