文献情報
文献番号
200905004A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期母子医療センターの診療体制及び診療実績による評価項目と評価法に関する研究
課題番号
H21-特別・指定-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
池ノ上 克(宮崎大学医学部生殖発達医学講座産婦人科学分野)
研究分担者(所属機関)
- 杉本 充弘(日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター)
- 佐藤 秀平(青森県立中央病院総合周産期母子医療センター)
- 池田 智明(国立循環器病センター周産期科)
- 楠田 聡(東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
周産期の救急患者の受け入れ困難事案が平成20年11月に発生したことを受け、「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」が設置され、今年3月の報告書に取りまとめられた。
そこで、本研究では、全国の周産期母子医療センターの診療体制及び診療実績について、適切な評価ができる項目と評価基準を作成することを目的とした。
そこで、本研究では、全国の周産期母子医療センターの診療体制及び診療実績について、適切な評価ができる項目と評価基準を作成することを目的とした。
研究方法
厚生労働省の周産期母子医療センターの実態調査(平成21年4月1日現在)などを踏まえて、現在の我が国の周産期医療の現状評価に可能な項目を設定し、基準案を作成する。
次にモデル施設を対象に、作成した評価項目と基準案を用いた試行調査を実施して、評価項目の実行性、妥当性および評価基準の正当性を検証する。
次にモデル施設を対象に、作成した評価項目と基準案を用いた試行調査を実施して、評価項目の実行性、妥当性および評価基準の正当性を検証する。
結果と考察
周産期母子医療センターを、新生児センター、MFICU、センター全体の3つの評価対象に分けた。新生児センターとMFICUの評価は、施設機能、人的体制、実績の3つに分けて、それぞれ項目を設定した。今回は、現状を考慮して、評価基準を設定せず、実態調査のみに留めた項目もある。
都市総合周産期センター;2施設、地方総合周産期センター;1施設、都市地域周産期センター;2施設、地方地域周産期センター;2施設で評価の試行調査を行った。その結果、新生児センターの評価および得点率は、MFICUのそれと比較して低い傾向がみられた。
取り扱い患者の絶対数による評価か割合での評価が問題となった。評価の対象となる患者の重症度は様々である。今回は患者の重症度を一定の定義に基づいて検討したが、地域によっては定義には合うが重症度はより低い児を数多く受け入れざるを得ない施設もある。また、分娩数も地域や施設の事情によりローリスク分娩を数多く受入れざるを得ない施設も存在する。一方で、取り扱い絶対数による評価にすると、発生数そのものが、都会と地方では異なるので、評価の基準を一律に設定することが難しい。そこで、今回は、両面からの評価を行ったが、今後に残された検討課題である。
都市総合周産期センター;2施設、地方総合周産期センター;1施設、都市地域周産期センター;2施設、地方地域周産期センター;2施設で評価の試行調査を行った。その結果、新生児センターの評価および得点率は、MFICUのそれと比較して低い傾向がみられた。
取り扱い患者の絶対数による評価か割合での評価が問題となった。評価の対象となる患者の重症度は様々である。今回は患者の重症度を一定の定義に基づいて検討したが、地域によっては定義には合うが重症度はより低い児を数多く受け入れざるを得ない施設もある。また、分娩数も地域や施設の事情によりローリスク分娩を数多く受入れざるを得ない施設も存在する。一方で、取り扱い絶対数による評価にすると、発生数そのものが、都会と地方では異なるので、評価の基準を一律に設定することが難しい。そこで、今回は、両面からの評価を行ったが、今後に残された検討課題である。
結論
周産期母子医療センターの診療体制及び診療実績の評価項目と評価法の作成を行った。現時点で、評価基準を設定できない項目に関しては、総合点としては加点せずに実態調査のみにとどめた。作成した評価結果や点数別にみた評価基準は、あくまで周産期母子医療センターの更なる充実を目的として利用されるべきものであり、現時点での施設のランク付けを目的としたものではない。
今後は、実態調査を踏まえて、全国の周産期母子医療センターの評価法が改善され、今後の周産期医療行政のさらなる充実と発展に資するものにつながると考えられる。
今後は、実態調査を踏まえて、全国の周産期母子医療センターの評価法が改善され、今後の周産期医療行政のさらなる充実と発展に資するものにつながると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2010-06-22
更新日
-