文献情報
文献番号
200905002A
報告書区分
総括
研究課題名
外科全手術症例数登録とその解析のための学会間ネットワーク構築に関する研究
課題番号
H21-特別・指定-003
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
岩中 督(東京大学医学部附属病院 小児外科)
研究分担者(所属機関)
- 里見 進(国立大学法人東北大学 病院)
- 兼松隆之(長崎大学 移植・消化器外科)
- 橋本英樹(東京大学 臨床疫学・経済学)
- 宮田裕章(東京大学 医療品質評価学)
- 後藤満一(福岡県立医科大学 第一外科)
- 本村 昇(東京大学 心臓外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は外科専門医制度に関わる学会が協働して、地域医療を支える外科医及び症例の実態を把握し、将来的に外科医のあり方の検討が可能なネットワークの基盤整備を行うことを目的として実施された。
研究方法
外科専門医のあり方、特に医師の適正配置や適切な医療水準を維持するための専門医の役割などを検討するためには、外科専門医が関与している外科手術の全数把握が不可欠である。本研究では、各学会の症例登録制度の現状、各学会におけるデータベースのハード面での整備状況などを調査し、各学会が必要としている支援を把握した後、外科手術症例と執刀医師の情報を把握するために必要な共通調査票の作成と実際の調査方法などについて検討し、その実用性について検証を行った。
結果と考察
このような共通基盤の設定により,個々の外科医が手術症例を一度登録すれば基本領域の調査、専門領域の調査を同時に実施できるように共通基本項目を設定した.医療水準の評価や外科医療の均てん化などの解析に必要な,術前リスクの詳細情報や術後成績に関する情報は、共通基本項目とは別に各専門領域別の選択項目として設定した.また各領域の術式についても整合性検証を行った.共通基本項目における術式の共通コードとして,外保連試案術式を用い,外保連試案術式の中から,各種の専門医制度に対応する術式の対応表を作成して検証を行った. 整合性検証においては,術式の系統的な分類,各領域において要求される情報の精度の差,その他手術の迅速な反映などが,今後の課題としてあげられた.
結論
本研究では、各学会の症例登録制度の現状、各学会におけるデータベースのハード面での整備状況などを調査し、各学会が必要としている支援を把握した後、外科手術症例と執刀医師の情報を把握するために必要な共通調査票の作成と実際の調査方法などについて検討し、その実用性について検証を行った。データベース事業を継続的に運営することができるように,学会同士の連携により管理運営組織として「一般社団法人National Clinical Database」を立ち上げ活動を開始する予定である.また,本研究で検討した調査票により,①疾患ごとの手術総数、②手術総数から検討した必要な専門医数(基本領域・専門領域)の推計、③専門医育成施設の在り方(適正配置)、④外科医の繁忙性の地域格差の評価、⑤外科救急医療のあり方、⑥地域医療の将来予測と必要な行政施策、などの評価が可能となると考えられる.
公開日・更新日
公開日
2010-06-24
更新日
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