関連学会の取組と連携したPROガイドラインの作成

文献情報

文献番号
202203003A
報告書区分
総括
研究課題名
関連学会の取組と連携したPROガイドラインの作成
課題番号
20AC1003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
下妻 晃二郎(学校法人立命館 立命館大学 生命科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴鴨 よしみ(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 宮崎 貴久子(京都大学大学院 医学研究科)
  • 内藤 真理子(広島大学大学院 医学系研究科)
  • 中島 貴子(京都大学 医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター (Ki-CONNECT))
  • 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
  • 山口 拓洋(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科医学統計学分野)
  • 齋藤 信也(岡山大学大学院保健学研究科看護学分野基礎看護学領域)
  • 星野 絵里(立命館大学 総合科学技術研究機構 )
  • 兼安 貴子(立命館大学 生命科学部生命医科学科)
  • 小嶋 智美(立命館大学 総合科学技術研究機構)
  • 堺 琴美(立命館大学 総合科学技術研究機構)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
海外では、2005年ごろから臨床試験や臨床実践における患者報告アウトカム(Patient-reported outcome: PRO)の使用に関するガイドライン(ガイダンス等を含む)が公的機関等から発出されている。しかるに、わが国ではPROやQOL評価に関する基礎・応用研究は海外に劣らず行われているにも関わらず、公的なガイドラインは従来発表されていない。本研究班では、関連学会や産業界、規制当局、患者団体、および並行して行われているPROに関するICT基盤構築・実装に関する2つの班と連携し、わが国において各ステークホルダーが利用しやすいガイドラインの開発を行った。
研究方法
最終版のガイドラインの主な構成要素としての、①臨床試験のためのPRO使用ガイダンス、②臨床現場のためのPRO使用ガイダンス- 臨床におけるPRO評価のためのユーザーガイド ダイジェスト版 -、③理解を深めるための参考資料、それぞれについて、研究分担者および研究協力者による執筆を進めた。①については、ドラフト版完成後、研究班内外の幅広いステークホルダーから意見を収集し、それに基づいて修正を加えたのち(主な意見と修正箇所も記載)完成した。
完成したガイドラインは、国内のステークホルダーが利用しやすいよう、web上に「PRO評価関連特設ページ」を開設した。
結果と考察
 最終的なPROガイドラインに含むべきコンテンツとして、まず、①臨床試験のためのPRO使用ガイダンス、②臨床現場のためのPRO使用ガイダンス- 臨床におけるPRO評価のためのユーザーガイド ダイジェスト版 -、③理解を深めるための参考資料(①②で触れられなかったもの)、と決定した。
 ①臨床試験のためのガイダンスは、総論、各論、参考文献・参考書籍、およびドラフト版に班内外から聴取した意見とそれに対する対応を記載した。
 ②臨床現場のたガイダンスは、国際QOL研究学会が開発したユーザーガイドのダイジェスト版として、日本語訳と簡単な解説を紹介した。
 ③は、①②の開発のための予備調査の概要と、①②に含まれないがPRO使用に当たっての重要な情報を概説した。
 これらの成果は、web上に開設したページに掲載し、広くステークホルダーが利用できるように配慮した。URLを示す。https://www.lifescience.co.jp/pro/index.html
 今回開発したガイドライン(ガイダンス集)は、わが国で初の公的なガイドラインである。内容はほぼ網羅できていると思われるが、特に臨床現場におけるガイダンスは、わが国特有の状況を鑑み、さらにブラッシュアップされることが望まれる。
結論
わが国で初の公的なPRO使用ガイドライン(ガイダンス集)を発出した。今後、社会や研究の進歩に合わせて新たな世代の研究者がブラッシュアップされることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202203003B
報告書区分
総合
研究課題名
関連学会の取組と連携したPROガイドラインの作成
課題番号
20AC1003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
下妻 晃二郎(学校法人立命館 立命館大学 生命科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴鴨 よしみ(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 宮崎 貴久子(京都大学大学院 医学研究科)
  • 内藤 真理子(広島大学大学院 医学系研究科)
  • 中島 貴子(京都大学 医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター (Ki-CONNECT))
  • 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
  • 山口 拓洋(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科医学統計学分野)
  • 齋藤 信也(岡山大学大学院保健学研究科看護学分野基礎看護学領域)
  • 星野 絵里(立命館大学 総合科学技術研究機構 )
  • 兼安 貴子(立命館大学 生命科学部生命医科学科)
  • 小嶋 智美(立命館大学 総合科学技術研究機構)
  • 堺 琴美(立命館大学 総合科学技術研究機構)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
海外では、2005年ごろから、臨床試験や臨床実践における患者報告アウトカム(Patient-reported outcome: PRO)使用に関するガイドライン(以下、ガイダンス等を含む)が公的機関等から発出されている。一方、わが国ではPROやQOL評価に関する基礎・応用研究は海外に劣らず行われているにも関わらず、公的なPRO使用に関するガイドラインは従来発出されていない。本研究班では、関連学会や産業界、規制当局、患者団体、および並行して行われているPROに関するICT基盤構築・実装に関する2つの研究班と連携し、わが国において各ステークホルダーが利用しやすいPRO使用ガイドライン(ガイダンス集)の開発を行った。
研究方法
最初に、開発すべきガイドラインの骨子を検討する基礎資料の作成を行った。具体的には、海外の既存のPROガイドラインの系統的レビューを行った。
具体的には、海外の既存のPROガイドラインの系統的レビューを行った。それらのうち、本研究班で日本語版を開発してわが国に特に紹介すべき文献を特定し、翻訳版を作製した。次に、わが国におけるPROガイドラインのニーズ調査を行った。この調査においては、各ステークホルダーを対象としたインタビューによる予備調査と、その結果に基づいた、より大規模なweb調査を行った。またこのニーズ調査の中では、従来関連する用語としてよく使用されてきたquality of life (QOL)と比較的新しい専門用語であるPROとの概念の相違についても調査し、整理した。
 上記の予備調査に基づき、本研究班の最終成果物となる予定の、PRO使用ガイドライン(ガイダンス集)の構成、目次建てを計画した。臨床試験におけるPRO使用ガイダンスにおいては、班内外のステークホルダーから意見を聴取し、それに基づいて改訂したのち、最終版を作成することとした。2年目から3年目(最終年度)にかけて、①臨床試験のためのPRO使用ガイダンス、②臨床現場のためのPRO使用ガイダンス、③理解を深めるための参考資料、のドラフト版をまず作成し、①については、幅広いステークホルダーから意見を収集し、修正を加えたのち完成し、②、③についても研究分担者や研究協力とともにまとめ、「PRO使用ガイドライン」を完成した。本班研究の成果物はすべて、広く日本のステークホルダーが利用しやすいよう、web上に「PRO評価関連特設ページ」を開設し、そこに掲載することにした。
結果と考察
基礎資料の作成研究のうち、海外の既存のPROガイラインの系統的レビューでは、複数の公的な機関から発出されているPRO関連ガイドラインやガイダンス、関連文献が抽出された。それらのうち、重要な文献は日本語版を作成し、発表した。次に、わが国におけるPROガイドラインニーズ調査からは、最終的に開発するガイドラインの大枠として、臨床試験のためのPRO使用ガイダンスと、臨床現場のためのPRO使用ガイダンス、そして、それらに含まれないが重要な知識、の3部作の開発が適切であることが明らかとなった。またこのニーズ調査の中では、従来関連する用語としてよく使用されてきたquality of life (QOL)と比較的新しい専門用語であるPROとの概念の相違についても調査し、整理した。
上記の予備調査に基づき、①臨床試験のためのPRO使用ガイダンス、②臨床現場のためのPRO使用ガイダンス、③理解を深めるための参考資料、のドラフト版をまず作成し、①については、幅広いステークホルダーから意見を収集し、修正を加えたのち完成し、②、③についても研究分担者や研究協力者とともにまとめ、「PRO使用ガイドライン(ガイダンス集)」を完成した。
さらに、完成物について広く日本のステークホルダーが利用しやすいよう、web上に「PRO評価関連特設ページ」を開設した。https://www.lifescience.co.jp/pro/index.html
結論
本研究班の成果物は、わが国で初の公的なPRO使用に関するガイドライン(ガイダンス集)であり、社会的に意義が高い。今後、時代の変遷による社会のニーズの変化や、医学・医療の進歩により、若い研究者たちによって、適時ブラッシュアップされることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202203003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
従来、わが国では医療における主観的健康アウトカム(Patient-reported outcomes: PRO)に関係するステークホルダー向けの公的なガイドラインは発出されてこなかった。本研究班の成果は日本で初の公的なガイドライン(ガイダンス集)を発出し、多くのステークホルダーがPROを扱う際に留意すべき基本的な事項をわかりやすく解説したことである。
臨床的観点からの成果
医薬品・医療機器などの医療技術の評価、あるいは臨床現場での個々の患者の診療においては、生存アウトカムだけではなく、健康アウトカム、とりわけ、医療専門家が捉えにくい患者の主観的健康アウトカム(PRO)は適切な医療を行うために重要である。本研究の成果は日本の医療の改善に大きく寄与することが期待される。
ガイドライン等の開発
本研究班では、日本初の公的なPRO使用ガイドライン(ガイダンス集)を開発した。その主な構成は、下記である。
①臨床試験のためのPRO使用ガイダンス、②臨床現場のためのPRO使用ガイダンス、③理解を深めるための参考資料。それらの成果物は、広く関連ステークホルダーが使いやすい様に、web上に特設ページを開設し、そこからダウンロード可能となるようにした。https://www.lifescience.co.jp/pro/index.html
その他行政的観点からの成果
本研究班から発出されたPRO使用ガイドライン(ガイダンス集)は、例えば、医薬品・医療機器の厚労省による認可や、費用対効果評価制度におけるPRO評価の際の、一つの重要な参考資料となる可能性がある。
その他のインパクト
本研究班から発出されたPRO使用ガイドライン(ガイダンス集)は、海外から発出されたものよりも、わが国の医療や社会、個人の特性に合致したガイドラインである可能性が高い。

発表件数

原著論文(和文)
20件
原著論文(英文等)
107件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
202203003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
16,250,000円
(2)補助金確定額
16,250,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,704,385円
人件費・謝金 763,055円
旅費 353,602円
その他 9,678,958円
間接経費 3,750,000円
合計 16,250,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-