患者報告アウトカム(patient reported outcomes:PRO)のICT化と社会実装推進のためのガイドライン作成に資する研究

文献情報

文献番号
202203001A
報告書区分
総括
研究課題名
患者報告アウトカム(patient reported outcomes:PRO)のICT化と社会実装推進のためのガイドライン作成に資する研究
課題番号
20AC1001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中島 貴子(京都大学 医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター (Ki-CONNECT))
研究分担者(所属機関)
  • 堀江 良樹(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
  • 土井 綾子(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
  • 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
  • 長島 文夫(杏林大学 医学部内科学腫瘍科)
  • 山口 拓洋(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科医学統計学分野)
  • 下妻 晃二郎(学校法人立命館 立命館大学 生命科学部)
  • 兼安 貴子(立命館大学 生命科学部生命医科学科)
  • 小倉 孝氏(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
  • 島津 太一(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 行動科学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、患者・医療機関へのアンケート調査によりPRO の ICT 化 ( ePRO )と社会実装推進に必要な課題を抽出し、普及・実装科学の手法で課題を特定し、ePRO実装モデルを提案する。併行して、各施設に適応したシステム構築とその利用経験をフィードバックしながら、ePRO実装モデルを構築する。またレジストリ試験における費用分析を含む本研究結果、同事業内の山口班でのレジストリ試験、下妻班で作成されたPRO関連ガイドラインをもとに、保険適用申請の検討を行う。
研究方法
令和3年度にすでにePROシステムを実装していた聖マリアンナ医科大学病院、聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニックに加え、川崎市立多摩病院でもePROシステムを実装し、令和3年10月〜令和4年9月にレジストリ研究(山口班)を実施(通常診療コホート:143例、ePROコホート:134例)、その登録患者・医療従事者に対してePRO経験者としてのアンケート調査を実施した。
結果と考察
令和2、3年度に実施した患者対象webアンケート調査、医療者対象郵送アンケート調査の結果と、システム構築に関する実装経験をもとに、高齢者に対する考察も加え、「患者報告アウトカム(patient reported outcomes:PRO)のICT化と社会実装推進のための研究に基づく提言書」を作成、ePRO実装モデルを提案した(http://jascc.jp/working/patient-reported-outcome-pro-wg/)。技術的な課題や運用上の課題はその多くが解決可能であると考えられた。第4期がん対策推進基本計画では、誰一人取り残さないという観点が重要視され、それを支える基盤としてデジタル化の推進が掲げられており、本研究成果の施策への有効利用が期待される。レジストリ研究内で実施したアンケート、実装普及研究、費用分析研究の解析・公表については、引き続き実施していく予定である。
結論
アンケート調査、また多施設でのシステム構築と利用の過程で抽出された課題をもとに、ePROシステム構築、またePROと電子カルテとの連携について、実装モデルを構築、提案した。

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202203001B
報告書区分
総合
研究課題名
患者報告アウトカム(patient reported outcomes:PRO)のICT化と社会実装推進のためのガイドライン作成に資する研究
課題番号
20AC1001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
中島 貴子(京都大学 医学部附属病院 次世代医療・iPS細胞治療研究センター (Ki-CONNECT))
研究分担者(所属機関)
  • 堀江 良樹(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
  • 土井 綾子(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
  • 宮路 天平(東京大学大学院医学系研究科 臨床試験データ管理学)
  • 川口 崇(東京薬科大学 医療実務薬学教室)
  • 長島 文夫(杏林大学 医学部内科学腫瘍科)
  • 山口 拓洋(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科医学統計学分野)
  • 下妻 晃二郎(学校法人立命館 立命館大学 生命科学部)
  • 兼安 貴子(立命館大学 生命科学部生命医科学科)
  • 小倉 孝氏(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座)
  • 島津 太一(国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 行動科学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、PRO の ICT 化 ( ePRO )と社会実装推進に必要な課題を抽出し、普及・実装科学の手法で課題を特定し、ePRO実装モデルを提案する。
研究方法
患者・医療機関へのアンケート調査によりePROの社会実装推進に必要な課題を抽出する。併行して、聖マリアンナ医科大学病院、聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック、川崎市立多摩病院に適応したシステム構築を実施し、その利用経験をフィードバックしながら、ePRO実装モデルを構築する。またレジストリ試験(山口班)における費用分析を含む本研究結果、同事業内の山口班でのレジストリ試験、下妻班で作成されたPRO関連ガイドラインをもとに、保険適用申請の検討を行う。
結果と考察
患者対象webアンケート調査、医療者対象郵送アンケート調査から、アナログによる現状の症状モニタリング方法を早急に変革する必要があり、PROのICT化(ePRO)が急務であると考えられた。併行して、各施設でePROシステムを順次実装し、レジストリ研究を実施(通常診療コホート:143例、ePROコホート:134例)、その登録患者・医療従事者に対してePRO経験者としてのアンケート調査を実施した。システム構築については、技術的な課題や運用上の課題はその多くが解決可能であると考えられた。これらの経験をもとに、高齢者に対する考察も加え、「患者報告アウトカム(patient reported outcomes:PRO)のICT化と社会実装推進のための研究に基づく提言書」を作成し公表した(http://jascc.jp/working/patient-reported-outcome-pro-wg/)。レジストリ研究内で実施したアンケート、実装普及研究、費用分析研究の解析・公表については、引き続き実施していく予定である。
結論
アンケート調査、また多施設でのシステム構築と利用の過程で抽出された課題をもとに、ePROシステム構築、またePROと電子カルテとの連携について、実装モデルを構築、提案した。

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202203001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
ePROデータと電子カルテの臨床情報を統合して医療従事者にフィードバックする診療システムを実際の医療機関にパイロット実装した経験から、技術的な課題や運用上の課題はその多くが解決可能であると考えられ、「患者報告アウトカム(patient reported outcomes:PRO)のICT化と社会実装推進のための研究に基づく提言書」を作成、ePRO実装モデルを提案した(http://jascc.jp/working/patient-reported-outcome-pro-wg/)。
臨床的観点からの成果
本研究班で行なった患者及び医療従事者に対する全国アンケートから、がん診療の現場における従来通りのアナログな手段による症状モニタリングに様々な課題があることが明らかになり、ePROの社会実装は、がんになっても安心して生活できる社会の実現のために早急に達成されるべき課題であると考えられた。
ガイドライン等の開発
同事業内の山口班「PRO-CTCAEの日本語版の実臨床および臨床試験における有効性の評価」(20AC1002)、下妻班「関連学会の取組と連携した PRO ガイドラインの作成」(20AC1003)」と連携し、本邦におけるePRO実施患者レジストリの構築とPROに関するガイドライン作成を行った(https://www.lifescience.co.jp/pro/index.html)。
その他行政的観点からの成果
第4期がん対策推進基本計画では、誰一人取り残さないという観点が重要視され、それを支える基盤としてデジタル化の推進が掲げられている。本研究班の患者関係者(研究協力者)からは、本研究成果の施策への有効利用とePRO/PHRに関する後続研究を期待する声が上がっている。
その他のインパクト
本研究班では患者・市民参画:Patient and Public Involvement(PPI)を実施し、公表した提言書においても患者関係者(研究協力者)の意見や希望が反映されている。ePROが実装された環境においては、患者、医療者のコミュニケーションが活発化され、患者は常に見守られているという大きな安心感、満足感の中で治療を受けることができるだろう、との期待が大きい。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
85件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
188件
学会発表(国際学会等)
147件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-06-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
202203001Z