International Classification of Health Interventions(ICHI)の我が国における活用・普及のための研究

文献情報

文献番号
202202006A
報告書区分
総括
研究課題名
International Classification of Health Interventions(ICHI)の我が国における活用・普及のための研究
課題番号
22AB1002
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩中 督(東京大学 医学部附属病院)
  • 波多野 賢二(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカル・センター 情報管理解析部 データマネジメント室)
  • 高橋 長裕(公益財団法人ちば県民保健予防財団総合健診センター 顧問)
  • 小川 俊夫(学校法人常翔学園 摂南大学 農学部食品栄養学科)
  • 斉藤 宗則(鈴鹿医療科学大学 保健医療学部鍼灸サイエンス学科)
  • 阿部 幸喜(独立行政法人地域医療機能推進機構 船橋中央病院 整形外科)
  • 荒井 康夫(北里大学 大学病院 医療情報管理室 診療情報管理課)
  • 瀬尾 善宣(社会医療法人医仁会 中村記念病院 診療部 脳神経外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
2,770,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
WHO国際分類ファミリー(WHO-FIC)は、中心分類として疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)と国際生活機能分類(ICF)と保健・医療関連行為に関する国際分類(International Classification of Health Interventions;ICHI)の3つを設けている。ICHIは公衆衛生領域等に若干の不備があり、現在もWHO-FICの年次会議、中間会議等で議論、修正が行われ、近年中の世界保健総会(WHA)での承認を目指している。本研究の目的は、ICHIの不備等を確認し、WHO-FICへ意見を上申し、また我が国への活用・普及を検討することである。
研究方法
1)ICHIの動向
ICHIの今年度の動向についてWHO-FIC年次会議・中間会議の活動、および今後について記述する。
2)ICHIの我が国への活用方法
ICHIの教育、普及のための方法を検討する。
結果と考察
1)2022年5月にプラハでWHO-FIC中間会議、また10 月にジュネーブでWHO-FIC年次会議がハイブリッド形式で開催、このうちFamily Development Committee(FDC)にWEBで参加した。中間会議ではICD、ICF、ICHIの中心分類間で共有されるファウンデーションから各コンテンツへの改良について、具体例を示しながら検討された。またコンテンツの調整とハーモニゼーションにおいては分類全体でのコンテンツモデルの調和やネットワークを完成させるための作業計画が議論された。年次会議ではICHI のコンテンツ開発としてFunctioning interventions のレビュー結果より新たにStem code が追加され、現在約9,000のStem codeが登録されていることや、リハビリテーションの内容を把握できるためのExtension codes が提案されたこと等、内容が強化されていることの説明があった。また年次会議では日本整形外科学会レジストリJOANRを用いて、我が国における整形外科領域の手術コードとICHIのマッピングについて「Mapping the JOANR to ICHI」の演題名で口演発表を行った。整形外科領域の国内手術コードの149コードからICHIコードへのマッピングを試みたところ、Stem code単独では18.5%の相同性にとどまるが、Extension codesを用いると43.6%、更にICD-11コードを付与することにより80.5%の相同性を得たことを報告した。また、ICHIには関節鏡下手術のコードが不足していることなどの問題点を指摘した。
2)我が国でのICHI活用にむけて、「ICHIテキスト2022」を用いた研修会を4回開催した。11月11日に、診療情報管理士を目指す学生にICHI研修会(三幸学園)を開催、65名は現地参加、WEB参加者も含めると531名が参加した。また医療事務や教育に係わっている診療情報管理士へのICHI研修会は、11月12日に東京会場(20名参加)、11月19日に福岡会場(7名参加)、12月3日に大阪会場(22名参加)の3カ所で開催し、49名の参加者があった。研修内容はICHIをあまりご存じないという方を対象としたベーシックコースと、Extension codes を付加したコード検索を中心としたアドバンスコースに分けて指導した。研修後のアンケート調査で、研修会の難易度については1割の方が「難しかった」と回答し、理解度も15%が「理解できないところがあった」と回答している。理解できない内容はExtension codesについて大部分であり、今後の研修会に役立てたい。
日本語訳については、Stem codeの3つの軸、Target、Action、Meansの項目についてはこれまで仮訳を行ってきたが、頻繁にその内容が修正されるため、完全なものはできていない。今回はICHI Reference Guideの日本語訳を行った。
結論
近年中にWHAにおいてICHIの承認が期待される。ICHIの我が国への活用については、今後もICHI講習会を継続し、これまでの経験を踏まえて、ベーシック、アドバンスコースの内容をブラッシュアップしていく予定である。今後の課題は、ICHI の日本語訳の作業であり、スピード感を持って対処したい。さらにこれと並行して、ICHI のDPC/PDPSにおける国内利用の具体案も検討したい。

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202202006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,590,000円
(2)補助金確定額
3,590,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 35,640円
人件費・謝金 60,950円
旅費 426,450円
その他 2,246,960円
間接経費 820,000円
合計 3,590,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2024-06-06
更新日
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