マラリア感染細胞表面のタンパク質ー分子計測と異常ヘモグロビンのマラリア耐性メカニズムの解明に関する研究

文献情報

文献番号
200903011A
報告書区分
総括
研究課題名
マラリア感染細胞表面のタンパク質ー分子計測と異常ヘモグロビンのマラリア耐性メカニズムの解明に関する研究
課題番号
H21-地球規模・若手-009
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
有江 隆之(大阪府立大学 工学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
遺伝性疾患であるヘモグロビン異常がマラリアに耐性を示すことは広く知られているが、そのメカニズムは明らかにされていない。本研究では原子間力顕微鏡を用い、感染赤血球表面上の突起状構造が血管内壁細胞へ接着するプロセスを一分子レベルで解明し、耐性メカニズムを明らかにするためのシステム開発、およびプローブ表面の化学修飾を行う。
研究方法
分子間相互作用を一分子レベルで測定するための原子間力顕微鏡システムを構築した。さらにプローブ表面をレセプターであるCD36で化学修飾を行う手法を確立した。CD36は主に血管内壁細胞表面に分布し、感染赤血球が突起状構造を介して接着するためのレセプターである。具体的には表面のSiO2を4-aminobutyldimethylmethoxysilaneで処理し、グルタルアルデヒドを用いてCD36を結合させた。確認には蛍光顕微鏡を用い、蛍光色素で標識した抗体によりラベルして行った。
結果と考察
4-aminobutyldimethylmethoxysilaneは同様の誘導体であるEthoxysilane系のものと比較してSiO2表面に単層膜を作るため、短時間で一層のアミノ基をコーティングする事が可能である。タンパク質の濃度を調整することで、プローブ表面に分子数個のみ固定することが可能であることが蛍光標識された抗体を結合した蛍光顕微鏡像から確認された。次年度以降実際にマラリアに感染した赤血球表面の分子認識像の取得と、リガンド-レセプター一分子相互作用力の計測に用いる。
結論
分子間相互作用を分子レベルで測定するためのシステム開発、およびプローブ表面の化学修飾を行った。今後は実際に細胞試料を用い、濃度を調整しながら本研究において用いる試料に最適な固定条件を模索すると同時に、分子間相互作用計測をヘモグロビンEをもつ赤血球を用いて行う。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-11-15
更新日
-