国際保健分野の人材育成のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200903009A
報告書区分
総括
研究課題名
国際保健分野の人材育成のあり方に関する研究
課題番号
H20-国際・指定-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
中村 安秀(国立大学法人 大阪大学 大学院人間科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 松山 章子(長崎大学 国際連携研究戦略本部)
  • 石川 尚子(国立国際医療センター 国際医療協力局)
  • 兵井 伸行(国立保健医療科学院 研修企画部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、諸外国の大学院における人材養成プログラムの分析、および卒業生の進路に関する追跡調査などを実施し、日本国内の複数の教育研究機関から構成されるコンソーシアムによる人材育成プログラムのモデル開発を行い、オペレーション・リサーチとしてコンソーシアムによる人材育成プログラムを試行する。1つの大学や研究機関ではカバーできない人材養成を複数の教育研究機関で実施するシステムについては、欧米などではすでに先行事例があるが、日本の国際保健分野では初めての試みである。人材育成プログラムの成果は、NGOやボランティアで国際保健医療協力を行なう専門職や市民にも還元できる性質のものであり、日本全体の国際貢献という観点からもその社会的なインパクトは大きい。
研究方法
本研究においては、諸外国の大学院における人材養成プログラムの分析、および卒業生の進路に関する追跡調査、日本国内の複数の教育研究機関から構成されるコンソーシアムによる人材育成プログラムのモデル開発、コンソーシアムによる人材育成プログラムの試行を行なう。
結果と考察
 当初予定を早め、2009年1月に「国際保健コンソーシアム」設立総会を開催した。本コンソーシアムは、保健医療分野におけるわが国の開発協力を効果的かつ効率的に推進するため、国際保健に関する人材育成および人材登録のあり方に関する実務的な検討を行なうことを目的とし、適切な人材の発掘と登録、人材のニーズに関する情報の発信、国際的な場で活動できる人材の育成・研修、国際保健分野での人材養成に関する研究などを行なう。
 2009年7月にホームページを開設し、現在13団体が加盟している。外務省、エイズ・結核マラリア世界基金、WHO本部、日本医師会などからの依頼を受け、国際保健専門家の人材公募情報を提供してきた。今後は、厚生労働省、外務省、国際協力機構(JICA)などとの連携を強化し、必要な情報を必要な時期に提供できる仕組みを整備していく必要がある。
結論
 キャリア・アップの視点から、国際機関やJICAなどでは、現場経験を重視している。しかし、最初の途上国経験をどのようにして獲得するのかという問題は、いまだ解決されていない。今後、NGOやODAにおけるインターン制度の充実や、青年海外協力隊の短期派遣制度を初心者用に再編するなどの具体的な方策が必要となろう。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
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