医師の勤務環境把握に関する研究

文献情報

文献番号
202201009A
報告書区分
総括
研究課題名
医師の勤務環境把握に関する研究
課題番号
21AA2003
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
小池 創一(自治医科大学 地域医療学センター地域医療政策部門)
研究分担者(所属機関)
  • 福井 次矢(東京医科大学 茨城医療センター)
  • 谷川 武(順天堂大学 大学院 医学研究科公衆衛生学講座)
  • 片岡 仁美(臼井 仁美)(岡山大学病院ダイバーシティー推進センター)
  • 井出 博生(東京大学 未来ビジョン研究センター)
  • 和田 裕雄(順天堂大学 大学院医学研究科公衆衛生学講座)
  • 吉村 健佑(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
  • 種田 憲一郎(国立保健医療科学院 国際協力研究部)
  • 佐藤 香織(明治大学 商学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和3(2021)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
10,093,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2024年の医師の時間外労働規制の適用を目前に控え、直近の医師の労働時間を把握することが求められている。
本研究の目的は、2016年度及び2019年度に行われた医師の勤務実態に関する調査とほぼ同規模の医師の勤務環境把握に関する調査を実施するとともに、スマートフォンなどの電子的な手段によって医師の労働時間を把握することの課題について検討することにある。
研究方法
(1)医師の勤務環境把握に関する調査
2022年7月に2016年度及び2019年度に行われた医師の勤務実態に関する調査とほぼ同規模の医師の勤務環境把握に関する調査を実施した。調査は、施設調査、医師調査からなり、施設調査の対象は、全病院および10%抽出した診療所、老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院である。医師調査の対象は、施設調査の対象となった施設のうち1/2の病院及びその他の施設に勤務する全医師(常勤・非常勤)である。
調査依頼及び調査票は、調査事務局から各施設に配布し、回答は、施設票は各施設から郵送、医師票は各医師から調査事務局に郵送または専用のWebサイト経由で行うよう依頼した。医師調査の中で、7月11日~17日の1週間の勤務状況の記録(自計式タイムスタディ)を実施した。

(2)電子的な手段による医師の労働時間把握の課題の検討
 法律的な観点からの調査(文献・資料による調査)を行った。労働時間そのものに関する判例を含めた法律的な位置づけ、スマートフォンやGPSなどの電子的なデバイスを用いて労働時間を把握することによる影響を調査した。
結果と考察
(1)医師の勤務環境把握に関する調査
施設票については5,424施設から、医師票については19,879人から回答を得た。
病院常勤医師の労働時間について、過去2回の調査と比較したところ、週50時間未満の割合が増加し、週60時間(年間960時間相当)以上に割合の減少が認められた他、1年前と比較して年次有給休暇の取得や宿直明けの休息について、より取得しやすくなったとする回答が、よりとりにくくなったとする回答を上回っており、医師の働き方改革が、2024年4月を見据え、一定程度進んでいることが明らかとなった。
一方、病院常勤医における時間外労働が年960時間超、年1,860時間超と推計される割合はそれぞれ、20.4%、3.9%と、今後も引き続き医師の働き方改革の推進に努めてゆく必要が示唆される結果も得られた。

(2)電子的な手段による医師の労働時間把握の課題の検討
 電子的な手段による医師の労働時間把握の課題の検討の結果、スマートフォンなどを用いて電子的な手段によって医師の労働時間を把握することによって、従来よりも労働時間として認定される範囲が広がる可能性がある点、また、電子的手段の運用にあたっては、対象者の個人情報、プライバシーに配慮する必要があることが示唆される結果が得られた。
結論
本研究を通じ、2024年の医師の時間外労働の上限規制の適用を目前に控えた直近の医師の労働時間の把握を行うことが出来た。また電子的な手段によって医師の労働時間を把握することの課題について検討を行うことが出来た。

公開日・更新日

公開日
2023-07-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-07-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202201009Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,120,000円
(2)補助金確定額
13,120,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 200,867円
人件費・謝金 1,191,036円
旅費 46,590円
その他 8,654,507円
間接経費 3,027,000円
合計 13,120,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2023-12-28
更新日
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