熱帯地域における紫外線による眼疾患の実態調査と小児期眼部被曝の影響の解明に関する研究

文献情報

文献番号
200903007A
報告書区分
総括
研究課題名
熱帯地域における紫外線による眼疾患の実態調査と小児期眼部被曝の影響の解明に関する研究
課題番号
H21-地球規模・一般-007
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 洋(金沢医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 小島 正美(金沢医科大学 看護学部)
  • 坂本 保夫(金沢医科大学 医学部)
  • 佐々木 一之(東北文化学園大学 医療福祉学部、 金沢医科大学 総合医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(地球規模保健課題推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本年度の目的は、紫外線レベルの強い台湾台中市における白内障、翼状片、瞼裂斑の有所見率と眼鏡や帽子などの紫外線防御アイテム使用との関連を明らかにすることである。台中市は中国海南省に近いレベルの紫外線強度があるが、都市部では比較的眼鏡装用者が多く、農村部では帽子や衣類による紫外線対策をしている女性が多いが眼鏡装用者は少ないため、眼鏡とサングラスおよび帽子と衣類による効果を検討するのに非常に適している。
研究方法
台湾台中市在住の40歳以上の一般住民899名を対象に平成21年7月2日から7月12日まで調査を行った。紫外線被曝歴、全身および眼疾患の既往、食事およびサプリメント、生活習慣に関する詳細な問診後に、遠見裸眼および矯正視力検査、眼圧測定、屈折検査、角膜径および眼軸長測定、角膜厚および内皮細胞測定、前眼部蛍光撮影、細隙灯顕微鏡検査、波面収差測定、前眼部および水晶体撮影、眼底撮影を行った。
結果と考察
熱帯地域だが比較的戸外活動や紫外線被曝量が少ない台湾都市部住民において、40歳以上の白内障有所見率は20.7%、瞼裂斑は87.5%、翼状片は9.4%であった。眼鏡・サングラス装用は白内障および翼状片のリスクを約50%低減させ、これら眼疾患予防に有効であることが明らかになった。紫外線被曝量の多い住民については平成22年度に追加調査を行い、ハイリスク群での眼疾患の実態を明らかにする。
結論
台湾都市部一般住民での紫外線関連眼疾患の有所見率と眼部紫外線防御アイテムの有用性が明らかになった。熱帯地域在住の住民では、比較的戸外生活の少ない都市部住民であっても、眼部紫外線対策が必須である。台湾人は近視眼症例が多いため眼鏡装用率が高く、これが疾患の一次予防に繋がっている可能性がある。眼鏡装用者は眼鏡を紫外線防御アイテムとして捉え、適切な形状のものを選び使用することが重要ある。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-11-15
更新日
-