厚生労働統計調査の精度向上および有効利用に関する研究

文献情報

文献番号
200902006A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働統計調査の精度向上および有効利用に関する研究
課題番号
H20-統計・若手-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大山 篤(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 野田龍也(浜松医科大学 医学部)
  • 南郷里奈(東京医科歯科大学 歯学部)
  • 鶴田 潤(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国は世界でも類をみない高齢化社会に直面して疾病構造も大きく変化している。今日の現状に即した厚生労働統計情報を国民に提供するためには、これまでの厚生労働統計調査について再評価し、統計調査の有効利用や情報提供方法の検討が必要である。今年度は、1)歯科関連の厚生労働統計調査データの研究活用状況について、2)歯科関連の厚生労働統計調査データのリンケージについて、3)厚生労働統計調査の提供申出に関する検討、4)EUにおけるEuropean Global Oral Health Indicators Development(EGOHID)プロジェクトに関する調査、5)国民や医療従事者に対する厚生労働統計調査結果の情報提供方法に関する検討、6)厚生労働統計調査の活用研究 ~未婚率の推移~、について調査することを目的とした。
研究方法
1)は最近5年間に学術雑誌等に掲載された8つの厚生労働統計調査に関連した論文を医学中央雑誌で検索し、学術的な活用状況を分析した。2)は歯科に関連した厚生労働統計調査のデータリンケージの可能性と、データリンケージに必要なキー項目についてまとめた。3)は他の厚生労働科学研究班の目的外申請に参画し、目的外申請に関する検討を行った。4)はEGOHIDのウェブサイト(http://www.egohid.eu)および各報告書を調査した。5)は「政府統計の総合窓口(e-Stat)」の提供方法の詳細について検討し、また、各種機関による厚生労働統計調査結果の紹介サイト例について検討を行った。6)は人口動態調査および国勢調査より、未婚率の推移についてコホート分析を行った。
結果と考察
歯科関連の厚生統計調査データは各々の特長にあった研究活用がされていた。今後、目的外利用申請に関するシステムが整備され、統計調査間のリンケージが容易になれば、統計調査結果からの新たな知見が期待される。データの採取にはEGOHIDプロジェクトのような海外の統計調査の動向も注視すべきである。また、国民や医療従事者に対する厚生労働統計調査結果の情報提供は、国民や医療従事者が厚生労働統計調査結果に触れる機会を増やすことが、調査結果への理解を深めるとともに、調査への協力を促すことにもつながると考えられた。さらに厚生労働統計調査の活用研究を行い、新たな利用方法を示すことは、国民に有用な統計調査情報を提供するために役立つと考えられた。
結論
本研究では、厚生労働統計調査の再評価や、統計調査の有効利用や情報提供方法に関する検討を多角的に行うことができた。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200902006B
報告書区分
総合
研究課題名
厚生労働統計調査の精度向上および有効利用に関する研究
課題番号
H20-統計・若手-004
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大山 篤(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 野田龍也(浜松医科大学 医学部)
  • 南郷里奈(東京医科歯科大学 歯学部)
  • 鶴田 潤(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、今日の現状に即した厚生労働統計情報を国民に提供するため、これまでの厚生労働統計調査の精度について再評価し、統計調査の有効利用や情報提供方法に関して検討することを目的とした。
研究方法
1.統計調査データの二次利用促進に関する検討、2.統計調査データの現状に関する研究、 3.国民や医療従事者に対する厚生労働統計調査結果の情報提供方法に関する検討、4.厚生労働統計調査の活用研究、を中心に調査を行った。
結果と考察
1.統計調査データの二次利用促進に関する検討について:医学中央雑誌の検索結果より、歯科関連の厚生統計調査データはそれぞれの特長にあった研究活用がされていた。歯科領域のNHANES統計調査データは、米国における歯科疾患に関する代表値として活用されており、調査結果を年代ごとに比較するためには、調査データの代表性やサンプルサイズ、調査内容の一貫性に問題が生じないことが要件となっていた。データのリンケージを行った論文は両者とも限られていた。
2.統計調査データの現状に関する研究については、8つの厚生労働統計調査の現状を把握し、統計調査の精度に関する課題と対策について考察を加えた。さらに歯科関連の厚生労働統計調査に関するデータリンケージの概要をまとめ、実際にデータリンケージを含む統計調査の目的外利用申請を他の研究班と共同で行い、厚生労働統計の提供申出の現状について検討した。今後、目的外利用申請に関するシステムが整備され、統計調査間のリンケージが行いやすくなれば、統計調査データからの新たな知見が期待される。また、EUのEGOHIDプロジェクトのような海外の統計調査に関わる動向も注視すべきである。
3.国民や医療従事者に対する厚生労働統計調査結果の情報提供方法に関する検討については、既存の手段を多面的に活用し、国民や一般の医療従事者がより手軽に厚生労働統計調査結果に触れることのできる機会を増やすことが、調査結果への理解を深めるとともに、調査への協力を促すことにもつながると考えられた。
4.厚生労働統計調査の活用研究においては、厚生労働統計調査の新たな利用方法を示すことができた。 新しい統計調査の活用方法を検討することで、今まで得られなかった新たな知見を国民に提供できると考えられた。
結論
本研究では、厚生労働統計調査の再評価や、統計調査の有効利用や情報提供方法に関する検討を多角的に行った。

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200902006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
1.統計調査データの二次利用促進に関する検討について:歯科領域における厚生統計調査データとNHANES統計調査データの利用状況を調査した。2.統計調査データの現状に関する研究について:8つの厚生労働統計調査の現状を把握し、統計調査の精度に関する課題について考察した。さらに歯科関連の厚生労働統計調査に関するデータリンケージの概要をまとめ、目的外利用申請方法について検討した。3.国民や医療従事者に対する厚生労働統計調査結果の情報提供方法について検討を行った。
臨床的観点からの成果
3.国民や医療従事者に対する厚生労働統計調査結果の情報提供方法について、厚生労働統計調査に関する情報が国民や一般の医療従事者に幅広く利活用されるべく、インターネットや各報告書における一般向けの解説の充実、および、より多様な情報提供方法について検討を行った。また、4.厚生労働統計調査の活用研究において、一般に公開されている厚生労働統計データの解析を通じ、厚生労働統計の新しい活用のあり方を開発した。これらの成果は臨床的にも活用可能である。
ガイドライン等の開発
European Global Oral Health Indicators Development (EGOHID)について、EGOHID Phase I、Phase IIについての活動内容、EDOHIDプロジェクトによって提案された指標についての詳細をEGOHIDのウェブサイトおよび各報告書をもとに調査し、報告した。
その他行政的観点からの成果
英国における厚生労働関連統計の現状に関する研究では、国営医療サービス制度(NHS)を持つ英国における厚生労働統計のうち、特に、我が国における患者調査、医師・歯科医師・薬剤師調査、社会医療診療行為別調査、国民健康・栄養調査、歯科疾患実態調査に相当する統計調査の有無および詳細を、Office of National Statisticsを通して調査した。
また、厚生労働統計調査の提供申出に関する検討では、官庁統計の個票データの目的外申請書類の作成および手順等に関する経験をまとめた。
その他のインパクト
社会福祉法人恩賜財団母子愛育会により実施された、平成21年度厚生労働科学研究統計情報総合研究講演会「厚生労働統計の活用について」に参加し、演者として研究成果を発表した。
また、本研究班で得られた結果をHPで公開することを予定している。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-23
更新日
-