文献情報
文献番号
200902005A
報告書区分
総括
研究課題名
死因統計の精度向上にかかる国際疾病分類に基づく死亡診断書の記載適正化に関する研究
課題番号
H21-統計・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大井 利夫(日本病院会)
研究分担者(所属機関)
- 川合 省三(大阪南脳神経外科病院)
- 菅野 健太郎(自治医科大学消化器内科学)
- 高橋 長裕(千葉市立青葉病院)
- 西本 寛(国立がん研究センター)
- 松本 万夫(埼玉医科大学国際医療センター)
- 三木 幸一郎(北九州市立医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,068,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ICD-10を用いた我が国の死因統計における臨床病名把握の「精度」を、病名記入・病名コーディング・分類集計の各段階において、向上させることを目指した。
本研究では、注意すべきパターンを明示して医師の記載の改善を促すいくつかの介入を試みてその効果を検証する。
本研究では、注意すべきパターンを明示して医師の記載の改善を促すいくつかの介入を試みてその効果を検証する。
研究方法
昨年までの調査対象病院310施設に対し、死亡診断書記入時の注意事項をA4裏表に記し下敷き状にラミネート加工した「注意事項シート」を配布し、院内で周知の上、死亡例について(最大20件)、匿名化した形で「死亡診断書(以下診断書と略)」及び「退院時要約(以下要約と略)」の提供を依頼した。
(1)死亡例の分析
(2)診断書の精度に影響する因子の分析
(3)院内での診断書の作成・保管などについてのアンケート調査
(1)死亡例の分析
(2)診断書の精度に影響する因子の分析
(3)院内での診断書の作成・保管などについてのアンケート調査
結果と考察
(1)診断書の記載に基づく原死因の信頼性に関する研究
死亡例945件を解析の対象とし、診断書からのコーディングに基づく分類では新生物が約半分を占め且つ精度が高い。
(2)診断書の精度に影響する要因の頻度
問題がないと判定されたものは3割。最も頻度の高い要因は「部位記載なし」「記載法不適切」。
(3)医療機関における診断書の様式と院内での扱いについてのアンケート結果
電子化している病院が2割、自費で印刷している病院が4割、自治体から提供を受けている病院が4割。入院死亡についてほぼ半数が原死因コーディングを行っていた。
死亡例945件を解析の対象とし、診断書からのコーディングに基づく分類では新生物が約半分を占め且つ精度が高い。
(2)診断書の精度に影響する要因の頻度
問題がないと判定されたものは3割。最も頻度の高い要因は「部位記載なし」「記載法不適切」。
(3)医療機関における診断書の様式と院内での扱いについてのアンケート結果
電子化している病院が2割、自費で印刷している病院が4割、自治体から提供を受けている病院が4割。入院死亡についてほぼ半数が原死因コーディングを行っていた。
結論
(1)「注意事項シート」を配布して直後に診断書を収集する今回の研究では、診断書の精度及び問題となる要因の頻度で有意な改善はみられなかった。
(2)大規模病院からの症例がほとんどであり、周知徹底が難しいことが原因として考えられた。
(3)多くの医療機関では所定の用紙を用いて死亡診断書を作成しており、原稿の様式にわずかな工夫を加えた用紙を医療機関に配布する介入研究は可能と思われる。
(4)半数の病院で原死因コーディングが行われており、医療機関での啓発は診断書の精度向上に寄与する可能性がある。
(2)大規模病院からの症例がほとんどであり、周知徹底が難しいことが原因として考えられた。
(3)多くの医療機関では所定の用紙を用いて死亡診断書を作成しており、原稿の様式にわずかな工夫を加えた用紙を医療機関に配布する介入研究は可能と思われる。
(4)半数の病院で原死因コーディングが行われており、医療機関での啓発は診断書の精度向上に寄与する可能性がある。
公開日・更新日
公開日
2015-06-02
更新日
-