文献情報
文献番号
200902004A
報告書区分
総括
研究課題名
東アジア伝統医学のインフォメーションモデルの研究
課題番号
H21-統計・一般-001
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 賢治(慶應義塾大学 医学部漢方医学センター)
研究分担者(所属機関)
- 中谷 純(東京医科歯科大学情報医科学センター)
- 松浦 恵子(慶應義塾大学 医学部漢方医学センター)
- 徳永 秀明(慶應義塾大学 医学部漢方医学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHOのICD-11改訂版に向けて、西洋医学情報と整合性の取れた東アジア伝統医学の情報モデルを日中韓の共同で作成する。
研究方法
WHO-FICを含めたWHO活動でのICD改訂作業について情報収集するとともに、東アジア伝統医学分類への取り組みに対して情報収集をする。具体的には1)東アジア伝統医学分類アルファ版の用語間の関連性についての検討、2)東アジア伝統医学分類インフォメーションモデルの検討、3)WHO本部ICTM会議への参加、を行う。
結果と考察
1)東アジア伝統医学分類を巡る情報収集:2009年5月11日-14日に香港で、世界の伝統医学の代表が集うWHO会議が開催され、伝統医学をICDに組み入れるためのロードマップにつき話し合われた。10月12-16日にかけて行われたWHO-FICネットワーク会議では、ファミリー開発委員会および全体会議の中で伝統医学をICD-11に取り入れていく方針が発表された。2010年3月22日?24日には、WHO本部で東アジア伝統医学分類を中心にICD-11への取り込みについて討議した。2)東アジア伝統医学分類アルファ版の用語間の関連性についての検討:日中韓を比較すると、中国・韓国の場合は、証を選ぶ過程で1600(国家中医薬管理局)または2300(上海)の証があるのに比べ、日本漢方は陰陽、虚実などの大分類のみしか用いない。それらを組み合わせることで処方に行き着くのが日本漢方の特徴であり、そうした特徴を表現できるインフォメーションモデルが好ましいと考えている。現在こうした大分類の組み合わせで処方に行き着く日本モデルを構築中である。これに必要な日本漢方についての「漢方証のコード」を元に英訳版を作成した。3)東アジア伝統医学分類インフォメーションモデルの検討:WHOの動向と呼応する形で、国内の証のコードを整備した。2008年9月23日に日本東洋医学会事務局にて日本東洋医学サミット会議(日本東洋医学会、和漢医薬学会、日本生薬学会、全日本鍼灸学会、富山大学医学部WHO伝統医学協力センター、北里大学東洋医学総合研究所WHO伝統医学協力センターの六団体)の席にて証のコードについて検討し、決定した。
結論
東アジア伝統医学分類がWHO西太平洋地域事務局のプロジェクトからWHO本部のプロジェクトに移行したことを受け、本研究の成果は非常に重要な意味を持つ。
公開日・更新日
公開日
2015-06-02
更新日
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