医療における情報活用を行う上での適切な疾病分類に関する研究

文献情報

文献番号
200901026A
報告書区分
総括
研究課題名
医療における情報活用を行う上での適切な疾病分類に関する研究
課題番号
H20-政策・一般-013
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 菅野 健太郎(自治医科大学 消化器内科)
  • 落合 和徳(東京慈恵会医科大学付属病院 産婦人科)
  • 飯野 靖彦(日本医科大学 内科 神経・腎臓・膠原病リウマチ部門)
  • 島津 章(独立行政法人国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター)
  • 中谷 純(東京医科歯科大学 情報医科学センター オミックス医療情報学)
  • 赤羽 学(公立大学法人奈良県立医科大学 健康政策医学講座 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
12,106,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、WHOによって進められているICD-11改訂作業を通じて、わが国における適切な疾病分類について国内関係者等から幅広い意見の集約を行い、取りまとめることを目的とする。また、ICD-11がわが国にとってより適切かつ有用な分類となるよう、ICD-11改訂作業において行うべき対応について検討を行い、さらにわが国におけるICD-11導入の際に考慮すべき点などについても考察を実施する。
研究方法
平成20年度に引き続き内科領域を柱とし、ICD-11改訂作業における連携体制の在り方や実施方法等について検討を行い、その確立を試みる。また、新生物領域についても同様の検討を実施する。さらに、必要に応じて領域拡充の検討や医療情報分野の研究動向の調査などを実施し、WHOによるICD-11改訂の動向に効率的に対応できうる検討体制の構築を目指す。また、国内関係者などからICD-11改訂作業における改善点などを集約し、WHOに対して積極的に提言を行う。
結果と考察
平成21年度は、平成20年度に引き続き国内内科TAG検討会を組織し、ICD-11改訂作業の動向把握及びICD-11改訂に関連した医療情報分野の研究動向などに関する情報収集を幅広く実施した。特に、WHOのICD-11改訂作業のための連携体制と実施方法などについて、各種会議への参加や電話会議などによって情報収集を行い、改訂作業の効率的な実施に向けて積極的な提言を行った。例えば、i-CAMPをはじめとした国内外のICD-11改訂に関わる様々な会議に出席して改訂の具体的な進捗を把握し、その結果を国内内科TAG検討会において共有した。さらに、WHO-FIC等の国際会議に研究分担者らが参加し、改訂に向けた各国の最新状況を把握すると同時に、わが国から積極的に提案を行った。またWHO、内科TAGの各メンバーなどと電話会議を行うことで、改訂作業の進捗管理及び支援を行った。腫瘍分野においても、国内腫瘍TAG検討会を組織し検討会を実施した。これらの活動により、ICD-11改訂におけるわが国の国際的なプレゼンスを高めただけでなく、ICD-11改訂作業の進捗とその内容の向上に大きく寄与したと考えられる。
結論
本研究により、ICD-11改訂作業がよりスムーズに進行することが可能になったと同時に、より効率的かつ実態に即した疾病分類の構築に大いに寄与したと考えられる。また、国内関係者のICD-11改訂作業への積極的な関与と意見発信により、将来のICD-11のわが国へのよりスムーズな導入にも大いに貢献していると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-