高齢者等のセルフ・ネグレクト(自己放任)を防ぐ地域見守り組織のあり方と見守り基準に関する研究

文献情報

文献番号
200901024A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者等のセルフ・ネグレクト(自己放任)を防ぐ地域見守り組織のあり方と見守り基準に関する研究
課題番号
H20-政策・一般-011
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
津村 智恵子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 臼井 キミカ(大阪市立大学大学院 看護学研究科)
  • 河野 あゆみ(大阪市立大学大学院 看護学研究科)
  • 和泉 京子(大阪府立大学 看護学部)
  • 山本 美輪(明治国際医療大学 看護学部)
  • 大井 美紀(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
  • 川井 太加子(桃山学院大学 社会福祉学部)
  • 金谷 志子(大阪市立大学大学院 看護学研究科)
  • 桝田 聖子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
  • 上村 聡子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
  • 前原 なおみ(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
  • 鍜治 葉子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,890,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
住民ボランテイア用の見守りチェックシ-ト(案)を調査対象地区で試行・修正に繋げる。併せてボランテイア研修実施により見守組織等の変化と見守り組織研修プログラム(案)作成を試みる。
研究方法
1) 量的分析(住民ボランテイア用の見守り基準(案)の作成と試行、回収)
前年から協力を得ている見守り組織メンバーに研修と併せ、本年度当初に作成した見守りチェックシート(案)使用方を研修会で説明後配布、6市9区町村で試行334部回収。分析はSPSS Ver.15を用い探索的因子分析、因子構造の確認のため確認的因子分析を行った。
2) 質的分析(住民見守り組織活動の実際)
上述1)の見守り組織メンバー等に研修会を開催、6市町村8組織の見守り組織メンバー272人にインタビューを実施。逐語録データは、Text Mining Studio3.1(数理システム)により分析。
結果と考察
住民ボランテイア用の見守りチェックリスト(案)は、全見守り組織から「見守りポイントや判断材料となる」、見守り範囲・責任範囲の明確化に繋がるとの意見がでた。チェックシートの基礎編、詳細編A・B・Cの信頼性係数、比較適合度指標の結果、信頼性係数は許容の範囲であった。見守り対象は地域の別なく対象範囲は広がっていた。しかし、8割を超える独居高齢者を抱える限界集落はITC導入見守りに切替えていた。昨年同様に見守り専門職配置有り地域では挨拶や声掛が見守り専門職無し地域に比べ有意に高かった。又、近隣の係わりには限界があるとの意見が多く、地域全体での組織的見守りが必要との意見が増えていた。一方、個人情報保護は不可欠だが、要支援高齢者の把握・共有を困難にしていた。又見守り組織研修プログラム(案)の実践は、見守り組織活動の必要性と組織的活動の方向性を示唆、本プログラムの有効性を明らかにした。
結論
住民ボランテイア用の見守りチェックシート(案)は見守り必要者の早期把握と住民の見守り範囲・基準の明確化に役立っていた。又都市、農村共に家族の絆は薄れており、限界集落等の見守り組織メンバーの高齢化はITC導入のきっかけになっていた。6市9区町村での見守り組織育成研修プログラム実施は有効であった。昨年の調査結果同様、見守り専従者の配置は見守り組織メンバーの不安と責任軽減に繋がっていた。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-