災害・重大健康危機の発生時・発生後の対応体制及び健康被害抑止策に関する研究

文献情報

文献番号
200840035A
報告書区分
総括
研究課題名
災害・重大健康危機の発生時・発生後の対応体制及び健康被害抑止策に関する研究
課題番号
H20-健危・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大井田 隆(日本大学医学部 公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 榛沢 和彦(新潟大学医歯系呼吸循環器外科)
  • 須藤 紀子(国立保健医療科学院生涯保健部)
  • 櫻井 裕(防衛医科大学公衆衛生学・衛生学)
  • 宮崎 美砂子(千葉大学看護学部地域看護学)
  • 木下 浩作(日本大学医学部救急医学)
  • 尾崎 米厚(鳥取大学医学部社会医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省の地域健康危機管理の指針などにおいて、保健所は健康危機管理の拠点として位置づけられた。平成16年に発生した自然災害(水害、中越地震)の経験から保健所の健康危機対応能力は一段と向上した。特に災害地への医師・保健師の派遣や2次的健康被害の防止活動(エコノミークラス症候群等)等について平成16年当時に比べて、最近被災地を所管する保健所等衛生行政機関ではその経験から自然災害の健康危機への対応能力がレベルアップした。本研究は、最近発生した自然災害等への対応に関する事例分析を行い、その問題点を抽出し、自然災害及び大量殺傷型テロ事件による健康被害への具体的な対応指針(自然災害及び事件の種類別の対応指針、初動体制、人材活用システムなど)を作成することを目的とする。特に発生と同時に全国から派遣される医師・保健師と被災地の医師(医師会・病院)や保健師(県・市町村)との役割分担、また被災地に居住する在宅の栄養士・看護師等の専門職の活用方法については効率性の面から検討する必要性がある。本研究で作成された対応指針を参考として健康危機管理計画を策定・推進することによって、保健所の健康危機管理機能の強化・推進が可能になる。また本研究で分析した自然災害の事例をもとにしたシミュレーションを実施することによって、地域における健康危機管理システムの改善が可能になる。
研究方法
平成20年度の自然災害発生した以下の1つの自然災害で、対象とした自治体は被害が大きい県とした。平成20年度岩手・宮城内陸地震(6月)(宮城県・岩手県)の岩手・宮城内陸地震では県庁職員や保健所職員より都内会議室においてヒアリングを行った。保健師の災害活動では風水害による被災経験をもち、その対応に応援保健師を受け入れ活用した事例を調査対象とした。
結果と考察
本研究は①平成18年以降および研究実施期間に発生した災害について健康被害状況とその保健所等行政機関の対応を初動体制も含め分析すること、②発生後における地元と全国から派遣される医師・保健師の役割分担、在宅の看護師・栄養士の活用方法について検討を加えることであり、この結果は今後起こりうる災害・重大健康被害対策において参考に成りうると考えられた。
結論
平成16年に発生した災害では阪神・淡路大震災の対策が参考事例として役立ったとされている。また、最近発生した災害を持つ自治体からは地元と派遣された医師・保健師の役割分担についての指針を求める声が多くあり、それらの要望に応えるためにも必要な研究である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
-