大規模災害時における歯科保健医療の健康危機管理体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200840032A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模災害時における歯科保健医療の健康危機管理体制の構築に関する研究
課題番号
H19-健危・若手-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
中久木 康一(東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 星 佳芳(国立保健医療科学院)
  • 鶴田 潤(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科)
  • 戸原 玄(日本大学 歯学部)
  • 村井 真介(東北大学 国際保健学分野)
  • 小室 貴子(荒川区保健所 健康推進課 歯科担当)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大規模災害等の健康危機発生時における地域包括的歯科保健体制の構築に向けて、地域特性に応じた健康保持のための有効かつ効率的な歯科保健体制整備への提言をまとめる。
研究方法
過去の事例の収集分析、ならびに病院歯科/大学病院、歯科衛生士会、歯科技工士会における、大規模災害時の歯科保健医療体制の準備状況や連携について調査し、地域における健康危機管理システムの構築過程を分析した。
結果と考察
地域における歯科保健医療体制は、行政を中心とした関係業種との密な連絡・連携が、なによりも必要であろうと考えられた。口腔ケアなどの大規模災害時の二次健康被害を予防するための歯科保健活動に関しては、その重要性や方策を具体的な提言として、理解を求めていく必要性が示唆された。
歯学教育においては、歯学部、初期研修、歯科衛生士・歯科技工士養成校ともに、災害時の救護活動は研修にほとんど含まれておらず、教育ガイドラインが必要と考えられた。
歯科衛生士会および歯科技工士会においては、主体的な取り組みは難しくても支援活動への協力は可能としたところが多く、職種別の役割を明らかにし、連携のもとでの体制を構築していく方向性が示された。
摂食・嚥下障害に対応している病院歯科においては、歯科治療や口腔ケアのみならず、摂食・嚥下機能の判定、食事指導、食事介助と多岐にわたる支援が可能ではあるが、救護体制はほぼ組まれておらず、今後の対応を提示する必要があると考えられた。
これら収集した過去の事例の文献や、作成した資料、参考文献などは、歯科保健医療体制情報としてインターネット上に公開し、提供した。
結論
地域における歯科保健医療体制は、行政を中心とした関係業種との密な連絡・連携が、なによりも必要であろうと考えられ、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、摂食・嚥下障害に対応する歯科医師など、それぞれの職種の具体的な役割、および、口腔ケアなどの具体的方策を明確にした上で、連携しての体制を構築していく必要性が認められた。
歯学教育においては、歯科衛生士養成校・歯科技工士養成校も含め、教育ガイドラインを提示していく必要性があった。
これら収集した情報をアクセス可能としていくだけではなく、情報量を増大させるためには、英語などさまざまな形での情報発信が必要であろうと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2009-04-24
更新日
-