在宅重症療養患者にかかる緊急・災害時の支援体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200840020A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅重症療養患者にかかる緊急・災害時の支援体制の構築に関する研究
課題番号
H19-健危・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小西 かおる(昭和大学 保健医療学部)
研究分担者(所属機関)
  • 小倉 朗子(東京都神経科学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
1,931,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、地域保健対策の保健所における健康危機への対応の中で日常業務の整備に資するため、「1.在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の現状評価のために必要な調査内容とその把握方法の構築」、「2.調査票の開発とその調査票を用いたデータ収集による現状課題の分析」、「3.緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの作成」を目的とした。
研究方法
在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の質基準および災害支援課題より、発災から生命の危機管理を鑑みたステージを区分し、各ステージの災害時の具体的活動と日頃の準備の整理および関係機関の役割と支援体制構築の方向性を明確化した。これらを緊急・災害時の支援体制の質基準との関連性について検討し、在宅人工呼吸療養者2名の個別支援プランの作成により有用性を検討した。これを総合し、発災から概ね3日間の生命・安全の確保に焦点を当てた、在宅重症療養患者の緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの基礎資料を作成した。
結果と考察
フェーズ0?2はステージ1?6に区分され、各ステージの災害時の具体的活動と日頃の準備は、患者・家族の教育的支援に活用するため図式化された。この内容と在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の質基準との関連性が明確にされ、在宅人工呼吸療養者2名の個別プラン作成を通じて発災直後のステージ別現状と日頃の備えの有効性が確認され、在宅人工呼吸療養者の個別プランチャートとして示された。また、応用可能性を鑑み、マニュアルの対象を在宅人工呼吸療法、自然災害のうち大規模地震に焦点をあてることとした。これらを総合し、ステージ1?6の「現状」、「個別支援対策」、「地域関係機関のとるべき対策」が明らかにされ、緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの基礎資料が作成された。
結論
在宅重症療養患者にかかる緊急・災害時の支援体制の構築を目的に研究を実施し、在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の質基準及び災害支援課題より、発災から生命の危機管理を鑑みたステージ区分(1?6)における緊急・災害時の具体的活動と日頃の準備の図式化がされ、個別プランチャート、「現状」、「個別支援対策」、「地域関係機関のとるべき対策」を含んだ緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの基礎資料が作成された。

公開日・更新日

公開日
2009-04-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200840020B
報告書区分
総合
研究課題名
在宅重症療養患者にかかる緊急・災害時の支援体制の構築に関する研究
課題番号
H19-健危・一般-005
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小西 かおる(昭和大学 保健医療学部)
研究分担者(所属機関)
  • 小倉 朗子(東京都神経科学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、地域保健対策の保健所における健康危機への対応の中で日常業務の整備に資するため、「1.在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の現状評価のために必要な調査内容とその把握方法の構築」、「2.調査票の開発とその調査票を用いたデータ収集による現状課題の分析」、「3.緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの作成」を目的とした。
研究方法
在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の質基準を文献レビュー等から選定し、これを基に訪問看護事業所の評価票を開発・有用性の検討を行った。また、A地域による関係機関の災害支援体制および新潟県中越沖地震の支援活動から、災害支援の現状課題を分析した。これらを総合し、発災から概ね3日間の生命・安全の確保に焦点を当てた、在宅重症療養患者の緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの検討を行った。
結果と考察
在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の質基準について、構造要件15項目、ケア要件15項目が明らかにされ、これを基にした調査票の有用性が確認された。在宅重症療養患者に対する緊急・災害時の支援体制の課題について6項目が明らかにされ、療養者が近隣と協働し、被害を最小限に抑える日頃の備えに対応する必要性が示された。新潟県中越沖地震の支援活動の実際からは、10項目の支援体制に関する課題が明らかにされ、医療専門職による日頃からの教育とケア継続の体制整備を徹底する必要性が示された。これらの現状課題から、発災から3日間を6ステージに分類し、各ステージの「現状」、「個別支援対策」、「地域関係機関のとるべき対策」が明らかにされ、在宅重症療養患者の緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの基礎資料が作成された。
結論
在宅重症療養患者にかかる緊急・災害時の支援体制の構築を目的に研究を実施し、地域関係機関が備えるべき構造要件15項目、ケア要件15項目が明らかにされ有用性が確認された。また、地域関係機関の災害支援体制の課題6項目、被災地の実態から支援課題10項目が明らかにされた。これらを総合し、地域住民及び地域関係者の一人ひとりが緊急・災害に対する知識を身につけて、自己防衛できるような日常的支援の体制整備に重点を置いた、発災から生命の危機管理を鑑みたステージ区分による在宅重症療養患者の緊急・災害時に備えた支援体制の整備マニュアルの基礎資料が作成された。

公開日・更新日

公開日
2009-04-24
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200840020C

成果

専門的・学術的観点からの成果
在宅重症療養患者の緊急・災害時の支援体制の質基準について明確にされ、有用性も確認された。成果は、国内の看護系学会で公表され、緊急・災害時の支援体制の指標として活用でき、行政評価に貢献できる可能性があると評価された。
臨床的観点からの成果
在宅人工呼吸療法の緊急・災害支援の個別プラン作成に活用することで、地域関係機関の緊急・災害支援の質向上につながり、医療ネットワークの強化に発展できることが確認された。
ガイドライン等の開発
地域特性があるため全国共通のマニュアルには至らないが、自治体で在宅人工呼吸療法等の要援護者の災害支援マニュアルを作成する際の基礎資料としては活用可能なレベルのものが作成できた。
その他行政的観点からの成果
発災から生命の危機管理を鑑みたステージ区分が本研究の特徴であり、現状課題、個別支援、地域支援体制について具体的に示されているため、神奈川県の複数個所の保健福祉事務所における地域支援計画の基礎資料として活用が予定されており、在宅人工呼吸療法に対する災害支援個別プランの指針として活用予定である。
その他のインパクト
在宅人工呼吸療法、在宅酸素療法等の在宅重症療養患者への災害支援個別プラン作成の際に利用可能なリーフレットを作成し、保健所等を通じて配布を予定している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
第11回日本地域看護学会学術集会(沖縄) 第28回日本看護科学学会学術集会(福岡)
学会発表(国際学会等)
1件
The 4th International Conference on Community Health Nursing Research (Australia)
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
横浜市栄区保健センターにおける災害時要援護者救援体制構築事業の資料として活用された
その他成果(普及・啓発活動)
1件
神奈川県茅ヶ崎保健福祉事務所における在宅難病患者保健福祉従事者研修の参考資料として活用された

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-11-24
更新日
-