地域での健康危機管理情報の早期探知、行政機関も含めた情報共有システムの実証的研究

文献情報

文献番号
200840019A
報告書区分
総括
研究課題名
地域での健康危機管理情報の早期探知、行政機関も含めた情報共有システムの実証的研究
課題番号
H19-健危・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 平賀瑞雄(島根県出雲保健所)
  • 村田厚夫(医療法人財団池友会福岡和白病院)
  • 谷口清州(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 杉浦弘明(医療法人 医純会すぎうら医院)
  • 中山裕雄(中山小児科内科医院)
  • 岸川政信(済生会福岡総合病院)
  • 西藤成雄(医療法人 西藤こどもクリニック)
  • 児玉和夫(医療法人 児玉医院)
  • 菊池清(島根県立中央病院)
  • 花田英輔(島根大学医学部付属病院医療情報部)
  • 荒木賢二(宮崎大学医学部附属病院医療情報部)
  • 阿保満(東京都健康安全研究センター疫学情報室)
  • 小野塚大介(福岡県保健環境研究所)
  • 菅原民枝(国立感染症研究所 感染症情報センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
昨年度までに開発した早期探知のシステムの実用化を検討する。また、実用化に至っていない症候群サーベイランスについては整備を進める。

研究方法
実用化の一環として 2008北海道洞爺湖サミットにおける健康危機対策のため、早期探知・早期対策を目的として症候群サーベイランスを実施した。具体的には救急車搬送症候群サーベイランス、薬局症候群サーベイランス、OTC症候群サーベイランスを実施した。また、新型インフルエンザ早期探知システムとしての症候群サーベイランスとして薬局症候群サーベイランスをガイドライン上に盛り込む。学校欠席者に関しては日本学校保健会、救急車搬送に関しては総務省消防庁消防研究センターとの共同開発をすすめ、大規模な実証実験のための準備を行う。

結果と考察
2008北海道洞爺湖サミット対策としての症候群サーベイランスは、サミット前後2週間にあたる6月23日から7月23日までの一ヶ月間実施した。その情報に基づいて保健所による情報収集が7回実施され、それ以上の情報収集、対応が必要であると判断される事例はなかった。バイオテロ、健康危機対策のための早期探知サーベイランスとして、実施可能であると示された。 11月20日に提示された新型インフルエンザガイドラインにおいて、薬局サーベイランスが位置づけられた。本年度内で3000薬局の参加を実現した(参加薬局数は全薬局の7%に相当)またGISを用いた可視化の実現も達成した。救急車搬送サーベイランスは10消防本部で実施し当初予定を達成した。総務省消防庁救急統計委員会において将来的なシステムとして位置づけられた。また、学校欠席者情報収集システムは2自治体の全小中学校で実施した。また、保育園版を構築した。当初予定の3倍に相当する89校と園で実施した。
結論
サミットあるいは新型インフルエンザ対策として有用であることが示された。おおむね全国的な整備が完了したサーベイランスに関しては、逐次管轄省庁・団体に事業化を提案する。同時に、開発途上にあるサーベイランスについては、引き続き研究を推進する。

公開日・更新日

公開日
2009-04-23
更新日
-